第15話

ー/ー



 昨日と同じように掃除当番が掃除している間は図書室に退避しつつ、掃除が終わったタイミングで教室に戻る。
 そして誰も居ない間に、スマホでちょっとエッチな漫画を読みふける。
 うん、我ながら完璧な計画だ。

 昨日は朋恵から黒須さんを紹介されたけれども、見た目はともかく、オタク知識については生まれながらのオタクと呼ぶに相応しい知識を持っていた。
 彼女の両親が何をやっている人なのか、そればかりが気になった。

 物思いに耽っていると、昨日と同じように静寂を破るかのような形で静寂を破るかのように前の方から教室の引き戸が開く音が聞こえてきた。
 やれやれ、昨日と同じタイミングじゃないか。

「待たせたね、ヤス」

 愛未の声がしたので、慌てて胸ポケットにスマホをしまって二人の居る方向に向かう。
 そこにはチア衣装に身を包んだ飯田さんと、これまたチア衣装でポニーテールにした可愛らしい女の子が居た。

 愛未はスポーツブラが見えそうなほどに胸が開いているのに対して、彼女はどちらかというと普通のタンクトップに近い感じだった。
 イケメンな風貌でありながらたわわに実った果実がある飯田さんに比べると、彼女の胸は普通サイズで、顔はお人形さんの様に可愛らしく整っている。

「愛未、その子は……?」
「ああ、済まなかったね。うちのクラスの子で、名前は……」
「藤島(ふじしま)奏音(かのん)です。e-Sports愛好会に所属しています。よろしくお願いします」

 藤島さんと名乗る女の子はそう話すと、ちょこんとお辞儀をした。
 藤島さんはいつもお昼休みになると、ゲーム機とヘッドフォンを用意してゲームをしているんだよな。
 それにしても、何故チア衣装を着ているのだろうか? チア部の部員って、引退した三年生を含めて十二人くらいだったはず。
 それに、藤島さんはチア部とは縁もゆかりもないはずだ。

「ん? この衣装のことについて気にしているのですか?」
「そ、そうだけど……」
「これはね、チア部にあったのを借りてきたんだ」
「『富樫君はチア衣装が好きだよ』って我妻さんから教えてもらいましたから。どうですか?」

 朋恵、僕の趣味を勝手にバラさないでくれよ……。
 しかも藤島さん、慣れない動きでスカートをひらひらしながら踊っているよ。

「ま、まぁ、良いと思うけど」
「ありがとうございます」

 まぁ、悪い気はしないけど、もうちょっと胸があればよかったなぁと。

「君も知っていると思うが、彼女は良くお昼休みになるとゲーム機を片手に取りながらお昼しているんだ。ただ……」
「ただ?」
「うちの学校では『学習用のパソコンとスマートフォン、その他学習に必要とされるもの以外の持ち込みを禁ずる』と校則で定められているのは分かるかな?」
「うん」

 そういえば、所用で職員室に行った時にゲーム機などが書棚に保管されているのをを見たことがあるな。

「それで事ある毎に没収しようと思ったけれども、注意されるたびにすぐ鞄の中にしまうんだ。それでどうして? と思って藤島さんに聞いたら、彼女はe-Sports愛好会に入っているって話してくれたんだ。ゲーム機がないと部活動が出来ないって話してくれてね」

 先程藤島さんが口にしていたけれど、そんな部活ってうちの学校にあったかな?
 話を挟むようで悪いけど、聞いてみよう。

「その、e-Sports愛好会って……?」
「e-Sports愛好会は去年設立された新しい愛好会です。会員は一年生が私と男子生徒が一人だけで、二年生の先輩は三人居ます。あと一人入れば、とあるゲームの大会で二チーム分出場できる人数が揃うのですが……」

 確か、今年の部活勧誘でもノートパソコンを片手に勧誘をしていた愛好会があったと記憶している。
 僕は勉強が終わった後にゲーム実況配信などを追いかけることがあり、そのゲーム実況をよく見ていたりする。
 でも、見るのと実際プレイするのはどうなのだろうか。う~む。

「先ほどの話に戻るけど、映画愛好会に入っていてろくに活動していない君を誘おうと思ったわけだ。昨日私達がお昼を済ませた後で、藤島さんに相談したうえでね。どうかな?」

 僕が考え事をしていると、愛未の顔が目の前に迫っていた。
 近い、近すぎるよ!
 石鹸の匂いや甘いオレンジの香りが……。
 頭がクラクラしそうだ。

 うちの学校は部活動に全員入らなければならず、適当に「映画愛好会」と書いて出して、時折部室に行って映画を見たことがあるけど、e-Sportsか……。
 今から始めても大丈夫なのかなぁ。



次のエピソードへ進む 第16話


みんなのリアクション

 昨日と同じように掃除当番が掃除している間は図書室に退避しつつ、掃除が終わったタイミングで教室に戻る。
 そして誰も居ない間に、スマホでちょっとエッチな漫画を読みふける。
 うん、我ながら完璧な計画だ。
 昨日は朋恵から黒須さんを紹介されたけれども、見た目はともかく、オタク知識については生まれながらのオタクと呼ぶに相応しい知識を持っていた。
 彼女の両親が何をやっている人なのか、そればかりが気になった。
 物思いに耽っていると、昨日と同じように静寂を破るかのような形で静寂を破るかのように前の方から教室の引き戸が開く音が聞こえてきた。
 やれやれ、昨日と同じタイミングじゃないか。
「待たせたね、ヤス」
 愛未の声がしたので、慌てて胸ポケットにスマホをしまって二人の居る方向に向かう。
 そこにはチア衣装に身を包んだ飯田さんと、これまたチア衣装でポニーテールにした可愛らしい女の子が居た。
 愛未はスポーツブラが見えそうなほどに胸が開いているのに対して、彼女はどちらかというと普通のタンクトップに近い感じだった。
 イケメンな風貌でありながらたわわに実った果実がある飯田さんに比べると、彼女の胸は普通サイズで、顔はお人形さんの様に可愛らしく整っている。
「愛未、その子は……?」
「ああ、済まなかったね。うちのクラスの子で、名前は……」
「藤島《ふじしま》奏音《かのん》です。e-Sports愛好会に所属しています。よろしくお願いします」
 藤島さんと名乗る女の子はそう話すと、ちょこんとお辞儀をした。
 藤島さんはいつもお昼休みになると、ゲーム機とヘッドフォンを用意してゲームをしているんだよな。
 それにしても、何故チア衣装を着ているのだろうか? チア部の部員って、引退した三年生を含めて十二人くらいだったはず。
 それに、藤島さんはチア部とは縁もゆかりもないはずだ。
「ん? この衣装のことについて気にしているのですか?」
「そ、そうだけど……」
「これはね、チア部にあったのを借りてきたんだ」
「『富樫君はチア衣装が好きだよ』って我妻さんから教えてもらいましたから。どうですか?」
 朋恵、僕の趣味を勝手にバラさないでくれよ……。
 しかも藤島さん、慣れない動きでスカートをひらひらしながら踊っているよ。
「ま、まぁ、良いと思うけど」
「ありがとうございます」
 まぁ、悪い気はしないけど、もうちょっと胸があればよかったなぁと。
「君も知っていると思うが、彼女は良くお昼休みになるとゲーム機を片手に取りながらお昼しているんだ。ただ……」
「ただ?」
「うちの学校では『学習用のパソコンとスマートフォン、その他学習に必要とされるもの以外の持ち込みを禁ずる』と校則で定められているのは分かるかな?」
「うん」
 そういえば、所用で職員室に行った時にゲーム機などが書棚に保管されているのをを見たことがあるな。
「それで事ある毎に没収しようと思ったけれども、注意されるたびにすぐ鞄の中にしまうんだ。それでどうして? と思って藤島さんに聞いたら、彼女はe-Sports愛好会に入っているって話してくれたんだ。ゲーム機がないと部活動が出来ないって話してくれてね」
 先程藤島さんが口にしていたけれど、そんな部活ってうちの学校にあったかな?
 話を挟むようで悪いけど、聞いてみよう。
「その、e-Sports愛好会って……?」
「e-Sports愛好会は去年設立された新しい愛好会です。会員は一年生が私と男子生徒が一人だけで、二年生の先輩は三人居ます。あと一人入れば、とあるゲームの大会で二チーム分出場できる人数が揃うのですが……」
 確か、今年の部活勧誘でもノートパソコンを片手に勧誘をしていた愛好会があったと記憶している。
 僕は勉強が終わった後にゲーム実況配信などを追いかけることがあり、そのゲーム実況をよく見ていたりする。
 でも、見るのと実際プレイするのはどうなのだろうか。う~む。
「先ほどの話に戻るけど、映画愛好会に入っていてろくに活動していない君を誘おうと思ったわけだ。昨日私達がお昼を済ませた後で、藤島さんに相談したうえでね。どうかな?」
 僕が考え事をしていると、愛未の顔が目の前に迫っていた。
 近い、近すぎるよ!
 石鹸の匂いや甘いオレンジの香りが……。
 頭がクラクラしそうだ。
 うちの学校は部活動に全員入らなければならず、適当に「映画愛好会」と書いて出して、時折部室に行って映画を見たことがあるけど、e-Sportsか……。
 今から始めても大丈夫なのかなぁ。