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第三百十三話

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 思わぬ存在の声に、振りむく丙良。そこに居たのは、現状の信玄にとって恨み敵対する――無実の存在。そしてその存在と仲睦まじい人物のタッグ。瀧本礼安と加賀美陽であった。
「瀧本……礼安……ッ……!?」
「デスティニーアイランドで来栖善吉(クルス ゼンキチ)と戦った、あの時以来だね……森ししょー」
 礼安は、己の潔白の証明のために、加賀美は思い悩む信玄を気に掛けた結果、二人向かう先が定められたのだった。行き先に存在する魔力反応を辿るだなんてことは、本来一年次では不可能な芸当ではあるのだが、二年次の学習要領を先んじて学んでいた礼安にとってはお茶の子さいさいであった。
 知らない魔力が二人と、見知った反応が一つなら向かう先は一つである。
「――礼安ちゃん、加賀美さん。正直今の信玄に関しては……相手取るのは危険すぎる。だから――」
「いや、私も戦った方が絶対に良いよ。それに……もう丙良ししょーが心配するほどに……弱くないんだ、私って」
 ドライバーを装着し、二枚のライセンスを認証、装填する礼安。丙良は最初戸惑い疑っていたものの、礼安から発せられる魔力量が、以前共に戦った時である合同演習会よりも二倍は膨れ上がっていたのだ。
 その礼安の言葉を心で信じ、ロック・バスターにライセンスを認証、装填する。
「……まさか、礼安ちゃんと共に戦う二戦目が……僕の親友相手とはね。運命っていうものは非常に悪戯好きで気まぐれで……非常に腹が立つものだ」
「でも大丈夫、私と丙良ししょー、そして加賀美ちゃんとで……救ってみせる」
「正直、二人よりも戦いには慣れていないけれど……背負うものは背負ったから。私だってやれるってことを……証明してみせるよ」
 チーティングドライバーが戸惑う信玄に装着され、自動的に装填されるは織田信長のライセンスであった。しかも、インスタントライセンスでないために、ライセンス自体がダメージを受け悲鳴を上げていた。
「頭が痛ェ……痛ェ……ッ……!! 消えろ、消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろォォォォッ!!」
 元々の英雄の装甲がどす黒い魔力により、歪に変貌。因子持ちだからこその強固な装甲の硬さを保ちながら、化け物としての力を発現させた。口は頬どころか耳に届くほどにばっくりと裂け、全ての真実から己が誰かの悪意により逸らされ続けた結果、目元は漆黒に染まる。まるで怪人の中でも珍しい、爬虫類寄りの進化を遂げた信玄は、もはや人の言葉を話すことは無かった。
「行くよ礼安ちゃん、加賀美さん!! 信玄を救い出すための戦いだ!!」
「オーケー、全力全開でやってやる!!」
「必ず、救い出して見せます!!」
 英雄二人、武器一人。三人の勇猛果敢な存在が、巨大な怪物に立ち向かうのだった。



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 思わぬ存在の声に、振りむく丙良。そこに居たのは、現状の信玄にとって恨み敵対する――無実の存在。そしてその存在と仲睦まじい人物のタッグ。瀧本礼安と加賀美陽であった。
「瀧本……礼安……ッ……!?」
「デスティニーアイランドで|来栖善吉《クルス ゼンキチ》と戦った、あの時以来だね……森ししょー」
 礼安は、己の潔白の証明のために、加賀美は思い悩む信玄を気に掛けた結果、二人向かう先が定められたのだった。行き先に存在する魔力反応を辿るだなんてことは、本来一年次では不可能な芸当ではあるのだが、二年次の学習要領を先んじて学んでいた礼安にとってはお茶の子さいさいであった。
 知らない魔力が二人と、見知った反応が一つなら向かう先は一つである。
「――礼安ちゃん、加賀美さん。正直今の信玄に関しては……相手取るのは危険すぎる。だから――」
「いや、私も戦った方が絶対に良いよ。それに……もう丙良ししょーが心配するほどに……弱くないんだ、私って」
 ドライバーを装着し、二枚のライセンスを認証、装填する礼安。丙良は最初戸惑い疑っていたものの、礼安から発せられる魔力量が、以前共に戦った時である合同演習会よりも二倍は膨れ上がっていたのだ。
 その礼安の言葉を心で信じ、ロック・バスターにライセンスを認証、装填する。
「……まさか、礼安ちゃんと共に戦う二戦目が……僕の親友相手とはね。運命っていうものは非常に悪戯好きで気まぐれで……非常に腹が立つものだ」
「でも大丈夫、私と丙良ししょー、そして加賀美ちゃんとで……救ってみせる」
「正直、二人よりも戦いには慣れていないけれど……背負うものは背負ったから。私だってやれるってことを……証明してみせるよ」
 チーティングドライバーが戸惑う信玄に装着され、自動的に装填されるは織田信長のライセンスであった。しかも、インスタントライセンスでないために、ライセンス自体がダメージを受け悲鳴を上げていた。
「頭が痛ェ……痛ェ……ッ……!! 消えろ、消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろォォォォッ!!」
 元々の英雄の装甲がどす黒い魔力により、歪に変貌。因子持ちだからこその強固な装甲の硬さを保ちながら、化け物としての力を発現させた。口は頬どころか耳に届くほどにばっくりと裂け、全ての真実から己が誰かの悪意により逸らされ続けた結果、目元は漆黒に染まる。まるで怪人の中でも珍しい、爬虫類寄りの進化を遂げた信玄は、もはや人の言葉を話すことは無かった。
「行くよ礼安ちゃん、加賀美さん!! 信玄を救い出すための戦いだ!!」
「オーケー、全力全開でやってやる!!」
「必ず、救い出して見せます!!」
 英雄二人、武器一人。三人の勇猛果敢な存在が、巨大な怪物に立ち向かうのだった。