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「先程相手のことを覚える時には自分に当てはめてたら良いとアドバイスをくれましたね。僕のこともそう覚えてくれたのではないですか? 覚えていた時は二十五歳の麗子さん。だけど現在は、桜子さんを名乗っておられる。今のあなたは二十七歳になりきっているのですから、僕を四つ年上と記憶していると三十一歳になりますよね?」
 あら?
「誕生日も同様ではないですか?」
 あららら?
「それにお話の中で、『二つ上のお姉様』と口走ってましたよ? す、すみません……」
 またお顔を逸らしたかと思えば、肩を震わせ始めました。その顔を覗き込むと、口に手を当て笑いを堪えているようです。

「も、も、申し訳ございません。全て私が、企てたことでございます! 今まではしっかり者の母が全てを取り仕切っており、解決に導いてくれました。もし間違った道に進もうとすれば首根っこを掴まれてお説教され、踏みとどまっていました。しかし母は去年に亡くなり、間違った道に進んでしまいました! お姉様にはどうしても、お好きな方と家庭を築いて欲しかったですの!」
「く、首根っこを掴む……。豪快なお母様ですね」
「いかなる罰でも、私が全てお受けします! ですから、お許しを!」
 私は人目も気にせず、ひたすらに深々と頭を下げ続けました。


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「先程相手のことを覚える時には自分に当てはめてたら良いとアドバイスをくれましたね。僕のこともそう覚えてくれたのではないですか? 覚えていた時は二十五歳の麗子さん。だけど現在は、桜子さんを名乗っておられる。今のあなたは二十七歳になりきっているのですから、僕を四つ年上と記憶していると三十一歳になりますよね?」
 あら?
「誕生日も同様ではないですか?」
 あららら?
「それにお話の中で、『二つ上のお姉様』と口走ってましたよ? す、すみません……」
 またお顔を逸らしたかと思えば、肩を震わせ始めました。その顔を覗き込むと、口に手を当て笑いを堪えているようです。
「も、も、申し訳ございません。全て私が、企てたことでございます! 今まではしっかり者の母が全てを取り仕切っており、解決に導いてくれました。もし間違った道に進もうとすれば首根っこを掴まれてお説教され、踏みとどまっていました。しかし母は去年に亡くなり、間違った道に進んでしまいました! お姉様にはどうしても、お好きな方と家庭を築いて欲しかったですの!」
「く、首根っこを掴む……。豪快なお母様ですね」
「いかなる罰でも、私が全てお受けします! ですから、お許しを!」
 私は人目も気にせず、ひたすらに深々と頭を下げ続けました。