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レディキラー危機一髪

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 ピアソリス(仮名)は自ら”レディキラー”を以て任じている。彼を一目見た女性たち全員が彼に心を奪われ夢中になってしまうから……というだけではない。自分に有り金全部を貢がせ文無しになったら捨てるのだが、それでもしつこく付きまとってくる粘着度の高い女を、本当に殺害しているからである。
 そんな薄情で残虐なピアソリスだが、初心なところもあった。お金の無さそうな可愛い若い子に、すぐに惚れてしまうのだ。実を言うと金回りの良い女より薄幸そうな娘に惹かれる。そんな子がいると声を掛け美味しい食事や服を与えてやり、あしながおじさん気分を味わうのだった。もっとも、最終的には奢った相手を殺すことが大半なのだが。
 今夜もまたピアソリスは儚げで優しげなイケメン青年といったルックスを生かし、女漁りに励んだが、どういうわけか成果を挙げられなかった。物凄くイライラしているが表情は物憂げで、その内部で燃え盛る怒りは窺えない。しかし見る者が見れば、その瞳の中に殺意の炎が太陽のプロミネンスの如く湧き上がり胸中の大暗黒を照らし出すのが分かっただろう!
 こうなったからには、もう普通に殺すだけでは済まない。グッチャグチャにしてやる……等と物騒な物思いに耽る殺人鬼ピアソリスの背後に立った美少女が澄み切った声で言った。
「おじさん、いい体してそう」
 振り返ったピアソリスに美少女は尋ねた。
「今お金と時間、ある?」
 ピアソリスは爽やかに微笑んで尋ねる。
「えっと、それは、どういう意味かな?」
「そういう意味。どうする? あたしが欲しくないのなら、そう言って」
 赤いパーカーのフードから覗く、可愛らしさと美しさの調和した顔と、その下にある細いのに出るところは出ている体を瞬時に鑑定したピアソリスは、希望する値段を伝えた。美少女は了承した。
「じゃ、行きましょ」
 二人が向かったのは、とんでもないボロ屋だった。こんな場所に住んでいるのか、とピアソリスは驚いた。神経質な潔癖症とは言えないが繊細な部分が無いとも言えない彼は、こういうところで裸体を晒したくないけれども、衣服が返り血で汚れると警察から職務質問を受けてしまうので服を脱いだ。
「君の体を見せてよ」
 言われた娘は服を脱ごうとしなかった。
「あんたピアソリスだね」
 言った覚えがないのに自らの名前を呼ばれ、驚きが顔に出た。
「なんで知ってんの?」
「あんたに騙された女たちから、あんたを殺す依頼を受けたの。死ね」
 美少女は被っていたフードを払い落した。狂暴な肉食獣の顔と御対面したピアソリスが驚愕と恐怖の悲鳴を上げる前に、その喉笛が頸動脈ごと鋭い牙で切り裂かれる。失血死した彼が持っていた現金をすべて奪い、雌の野獣は殺害現場を立ち去った。




みんなのリアクション

 ピアソリス(仮名)は自ら”レディキラー”を以て任じている。彼を一目見た女性たち全員が彼に心を奪われ夢中になってしまうから……というだけではない。自分に有り金全部を貢がせ文無しになったら捨てるのだが、それでもしつこく付きまとってくる粘着度の高い女を、本当に殺害しているからである。
 そんな薄情で残虐なピアソリスだが、初心なところもあった。お金の無さそうな可愛い若い子に、すぐに惚れてしまうのだ。実を言うと金回りの良い女より薄幸そうな娘に惹かれる。そんな子がいると声を掛け美味しい食事や服を与えてやり、あしながおじさん気分を味わうのだった。もっとも、最終的には奢った相手を殺すことが大半なのだが。
 今夜もまたピアソリスは儚げで優しげなイケメン青年といったルックスを生かし、女漁りに励んだが、どういうわけか成果を挙げられなかった。物凄くイライラしているが表情は物憂げで、その内部で燃え盛る怒りは窺えない。しかし見る者が見れば、その瞳の中に殺意の炎が太陽のプロミネンスの如く湧き上がり胸中の大暗黒を照らし出すのが分かっただろう!
 こうなったからには、もう普通に殺すだけでは済まない。グッチャグチャにしてやる……等と物騒な物思いに耽る殺人鬼ピアソリスの背後に立った美少女が澄み切った声で言った。
「おじさん、いい体してそう」
 振り返ったピアソリスに美少女は尋ねた。
「今お金と時間、ある?」
 ピアソリスは爽やかに微笑んで尋ねる。
「えっと、それは、どういう意味かな?」
「そういう意味。どうする? あたしが欲しくないのなら、そう言って」
 赤いパーカーのフードから覗く、可愛らしさと美しさの調和した顔と、その下にある細いのに出るところは出ている体を瞬時に鑑定したピアソリスは、希望する値段を伝えた。美少女は了承した。
「じゃ、行きましょ」
 二人が向かったのは、とんでもないボロ屋だった。こんな場所に住んでいるのか、とピアソリスは驚いた。神経質な潔癖症とは言えないが繊細な部分が無いとも言えない彼は、こういうところで裸体を晒したくないけれども、衣服が返り血で汚れると警察から職務質問を受けてしまうので服を脱いだ。
「君の体を見せてよ」
 言われた娘は服を脱ごうとしなかった。
「あんたピアソリスだね」
 言った覚えがないのに自らの名前を呼ばれ、驚きが顔に出た。
「なんで知ってんの?」
「あんたに騙された女たちから、あんたを殺す依頼を受けたの。死ね」
 美少女は被っていたフードを払い落した。狂暴な肉食獣の顔と御対面したピアソリスが驚愕と恐怖の悲鳴を上げる前に、その喉笛が頸動脈ごと鋭い牙で切り裂かれる。失血死した彼が持っていた現金をすべて奪い、雌の野獣は殺害現場を立ち去った。


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