……色々あった。
とても色々あった。
気がつけば、私は元四天王たちと次々と関係を持ってしまっていた。
訓練の名目で距離が近づき、戦いの後の高揚感で理性が薄れ、気がつけば――。
「……これ、逆ハーレムってやつじゃない?」
自分でつぶやいて、自分で頭を抱えた。
ガルドもリッドもユリエルもいるのに、氷の牙や毒の花や雷の鎚とも……私、いったいどうなってるの?
そんなある日、焚き火を囲んで休んでいたときのことだ。雷の鎚が豪快に笑いながら言った。
「ところでよ、人間と魔族って……子ども、できるのか?」
「えっ……な、なにその話題……!」
「いや、最強の子を作るなら、魔王と勇者だな。」
「…………えっ!?!?」
顔が一瞬で熱くなる。次の瞬間、青くなる。
あの夜のことが頭をよぎって、息が詰まりそうになった。
毒の花が唇に指を当てて妖しく笑う。
「……狙い目よね。強くて美しい子が生まれるでしょうし。」
氷の牙が無言でこちらを見ているだけなのに、視線が妙に刺さる。
「……もしかして、それが狙い……?」
自分で思って、ぞくりとした。
「ま、まって、そんな……まだ何も……。」
気が気じゃなくなり、私は思わずユリエルに詰め寄った。
「ユリエル!魔法で妊娠検査とかできないの!?」
「えっ……できますが、今ここで……?」
「いますぐやって!!!」
ユリエルが慌てて魔法陣を描き、私の体をそっと撫でるように光が包んだ。
淡い青い光が消えたあと、彼は静かに言った。
「……今のところ、赤ちゃんはいません。」
「……っ……よ、よかった……のか……?」
胸をなでおろしつつも、どこか複雑な気持ちが残った。もしかしたら、また誰かに狙われるかもしれない。
強者の血を求めるこの世界では、それが当然のことなのかもしれない。
「……よし、用心しよう。もう、簡単には……っ!」
私は心の中で固く誓った。
焚き火の火がぱちぱちと弾け、夜空の星が瞬いている。
仲間たちと元四天王たちの視線が、やけに熱く感じるのは……きっと気のせいではない。