修行を終えた私たちは、さらなる強敵がいるという荒野へと向かった。
そこに現れたのは、四天王のひとり――雷の鎚と呼ばれる巨漢の魔族だ。
全身を鎧に包み、巨大な戦鎚を手にしたその姿は、雷鳴とともに現れた。
「お前が勇者か。面白ぇ……俺を倒せたら認めてやる!」
戦鎚が地面を砕き、雷光が走る。
私は剣を握り、ガルドとユリエル、リッドと目を合わせた。
「行くわよ!」
「「「はいっ!」」」
激しい戦闘だった。
雷を避け、魔法で牽制し、リッドの罠で隙を作る。
その一瞬を逃さず、私は雷光を裂くように剣を振り下ろした。
「これで……終わり!」
雷の鎚は呻き、戦鎚を手放して地に伏した。
荒野に静寂が戻り、汗が頬を伝う。
「はぁ……はぁ……やった……!」
「リサラ様、すごい!」
「これでまた一歩……。」
その時だった。雷の鎚がゆっくりと起き上がり、私を見た。
「……俺の負けだ。だが……俺は強者に逆らえねぇ。」
次の瞬間、彼は私にぐっと抱きついてきた。
鎧の隙間から手が入り込み、腰に触れられて――
「ちょ、ちょっと!? な、なにするのよ!」
「俺の里では、負けたら……嫁になるんだ……。」
「……あんたもそんな感じか!?ちょっと待って、離しなさいってば!」
仲間たちはぽかんとし、私は真っ赤になって必死に彼を押しのけた。
どうやらこの世界、強者への服従にはいろんな文化があるらしい。
頭が痛い……。
その夜。宿屋の部屋割りは―― 「リサラ様、今日は俺とですね。」
ガルドと同室になった。
夕食後、二人きりで部屋に戻ると、今日の戦いの疲れと妙な空気が混ざり合い、静かな時間が流れる。
「……リサラ様、今日はお疲れ様でした。」
「う、うん……ガルドも。」
目が合った瞬間、何かが弾けた。
彼の手が私の頬に触れ、温もりが伝わる。
自然と距離が近づいて、唇が触れた。
「……っ!」
ベッドに押し倒され、彼の腕の中に包まれる。
雷の鎚の腕力とは違う、優しくて熱い腕だった。
窓の外で虫が鳴く。布団の中で、互いの吐息が混ざる。
――昨晩はお楽しみでしたね。
そう言われたら、きっと私は顔を真っ赤にしてしまうだろう。
けれど、その夜は不思議と落ち着いた気持ちで、ガルドのぬくもりの中、ゆっくりと眠りに落ちていった。