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俺は君のそばにいたい。

ー/ー



「別に、特に意味はなく」
 一颯が簡単にそう答えたものだから俺は少しだけ驚いた。
 じゃあ、なんで小鳥遊といるんだよ。なんで、そんなにしれっと答えれんだよ。

 人の、―気持ちも分かってないくせに。なんで。

 次から次にわいてくる疑問に腹が立って俺は一颯をからかうように
「は?お前、小鳥遊に気でもあんのか?」
と言った。
 でも、今、俺が発言した言葉が現実でないことを願う。

 だって、小鳥遊を一番に思ってるのは―俺だから。

 でも、こんな性格じゃ、きっと無理だ。クラスの問題児、いや、学年で一番の問題児と言われている俺と、学年トップクラスの可愛さを持つ彼女では釣り合うはずがない。
 もちろん彼女も俺に気なんて全くないはずだ。
「ちょ、何言ってるか分かんないんだけど」
一颯はそう答える。
そう、だよな。俺の心の中なんて誰にも見えないんだから。―親にさえ。
「はぁ⁉」
簡単に、偉そうにそう答え、俺は一颯との会話を終えた。今日は、美術の絵の具が入ってるからやたらと鞄が重い。
 ―絵の具のセットは二つ入ってるから。俺と、良く忘れ物をする小鳥遊のために。
そう思っていても、今まで貸してあげられたことはない。
緊張するし、誰も俺に近寄ろうとしないから。
 鞄をどすん、と机に置き席に座ろうとした。
 でも、座れなかった。

 もう一度、―小鳥遊の顔を見たい。

 あの天使のような笑顔を見たいと思って小鳥遊の方を見ると小鳥遊は少し強張っているような、まるで何かを待っているような、そんな表情をしていた。
 俺と小鳥遊の目は合わず、代わりに一颯と目がバチっと合った。俺は慌てて
「一颯はちゃんと持ってきたよな?」
と聞いた。そう、絵の具のことだ。絵の具、きっと小鳥遊は忘れてるだろうな、いや、持ってきてるかもしれない。そしたら、二つ持ってきた意味―ないじゃん。
「なにを」
 一颯が答える。
 一颯、性格いいもんな。教室に入ってきたときのあの小鳥遊の笑顔は過去一幸せそうだった。俺と話すときはいつも顔が引きつってるのに、なんで。

 それは俺が―最低最悪なクズ野郎だから。

 そんなこと分かってる。自分でも、はっきりと。
 自分がしてることがどれだけ最低な事か分かるのに、直せないなんてもっと最低最悪で、俺は、俺はきっとずっとこのままダメな人生を送って、それで―。
 そこまで考えて辞めた。一生変わらないようなことなんて俺はもう考えなくてよいのだと、もう俺は生きる意味がないのだと、そう思うことにした。

 よし、今日、自殺しよう。死のう。死にたい。

 俺が小鳥遊の彼氏になることができないのは百億年前から分かってる。
別に叶わないことが分かってる夢を追いかけなくてもよいのではないのか。
 一颯に全てを取られてしまうのではないかと不安になる。
あの笑顔はまるで天使のようで本当に可愛くて。こんなクズの俺にはもったいなくて。

 きっと小鳥遊は一颯のことが―好きで。


次のエピソードへ進む 君が好きだ。


みんなのリアクション

「別に、特に意味はなく」
 一颯が簡単にそう答えたものだから俺は少しだけ驚いた。
 じゃあ、なんで小鳥遊といるんだよ。なんで、そんなにしれっと答えれんだよ。
 人の、―気持ちも分かってないくせに。なんで。
 次から次にわいてくる疑問に腹が立って俺は一颯をからかうように
「は?お前、小鳥遊に気でもあんのか?」
と言った。
 でも、今、俺が発言した言葉が現実でないことを願う。
 だって、小鳥遊を一番に思ってるのは―俺だから。
 でも、こんな性格じゃ、きっと無理だ。クラスの問題児、いや、学年で一番の問題児と言われている俺と、学年トップクラスの可愛さを持つ彼女では釣り合うはずがない。
 もちろん彼女も俺に気なんて全くないはずだ。
「ちょ、何言ってるか分かんないんだけど」
一颯はそう答える。
そう、だよな。俺の心の中なんて誰にも見えないんだから。―親にさえ。
「はぁ⁉」
簡単に、偉そうにそう答え、俺は一颯との会話を終えた。今日は、美術の絵の具が入ってるからやたらと鞄が重い。
 ―絵の具のセットは二つ入ってるから。俺と、良く忘れ物をする小鳥遊のために。
そう思っていても、今まで貸してあげられたことはない。
緊張するし、誰も俺に近寄ろうとしないから。
 鞄をどすん、と机に置き席に座ろうとした。
 でも、座れなかった。
 もう一度、―小鳥遊の顔を見たい。
 あの天使のような笑顔を見たいと思って小鳥遊の方を見ると小鳥遊は少し強張っているような、まるで何かを待っているような、そんな表情をしていた。
 俺と小鳥遊の目は合わず、代わりに一颯と目がバチっと合った。俺は慌てて
「一颯はちゃんと持ってきたよな?」
と聞いた。そう、絵の具のことだ。絵の具、きっと小鳥遊は忘れてるだろうな、いや、持ってきてるかもしれない。そしたら、二つ持ってきた意味―ないじゃん。
「なにを」
 一颯が答える。
 一颯、性格いいもんな。教室に入ってきたときのあの小鳥遊の笑顔は過去一幸せそうだった。俺と話すときはいつも顔が引きつってるのに、なんで。
 それは俺が―最低最悪なクズ野郎だから。
 そんなこと分かってる。自分でも、はっきりと。
 自分がしてることがどれだけ最低な事か分かるのに、直せないなんてもっと最低最悪で、俺は、俺はきっとずっとこのままダメな人生を送って、それで―。
 そこまで考えて辞めた。一生変わらないようなことなんて俺はもう考えなくてよいのだと、もう俺は生きる意味がないのだと、そう思うことにした。
 よし、今日、自殺しよう。死のう。死にたい。
 俺が小鳥遊の彼氏になることができないのは百億年前から分かってる。
別に叶わないことが分かってる夢を追いかけなくてもよいのではないのか。
 一颯に全てを取られてしまうのではないかと不安になる。
あの笑顔はまるで天使のようで本当に可愛くて。こんなクズの俺にはもったいなくて。
 きっと小鳥遊は一颯のことが―好きで。