#6
ー/ー と、少年がそのまま大人しくしている訳がなかった。
現状においてたった一人本音を言える相手であったし、それ以上にタローは少年にとってかけがえのない相棒なのだからおちおち眠れるわけがない。
あれから数時間が経過し一度トイレに起きて一階を確認したところ、一応朝まで番をするつもりらしくライフルを机に立て掛けた父親の姿を目の端に捉える。
元通り部屋に戻ったことを伝えるべくわざと大袈裟に音を立てて部屋の戸をしめると、少年は窓から防寒着を繋いだロープを下ろし音をたてぬようそろりそろりと抜け出した。
真下の窓を上手に避け地面に降りたち努めて静かに潜行する。家を十分に離れてからは早足で広場へ向かった。彼は決して勇敢な部類の人間ではなかったし漫画の主人公たちのように特別な力を持っている訳でもないが、世界の終わる時、隣にタローがいない光景を思い浮かべると居ても立ってもおられなかった。
灯の消えた祭り会場の入り口に着き村の者達お手製の粗末な門に身を隠しながら中を覗くと、静まり返った広場には数匹で固まった犬の影があるだけで、実際に見たことは無いが十本足の白熊の巨躯は存在しなかった。
横たわる影達の腹がわずかに上下していることからどうやらククウェアは広場までは来なかったようだと安堵し足を踏み入れると、地べたに張り付いていた犬たちが一斉に首をもたげる。そしてすぐに残念そうに鼻息を漏らして元の姿勢へと戻った。
彼らもタローのように戻りそびれ家族が迎えに来るのを待っており、てっきり迎えが来たのかと期待したら違っていて落胆したのだろうと少年は少し申し訳ない気持ちになる。一応影の塊に相棒の名を呼んで回ったが、残念なことに広場の幾つかある犬団子の中にタローの姿は無かった。
となれば思いつく所は一ヵ所だけと再び早足に移動を始める。なにせ基本的に都会に住まう少年には仲の良い友達がおらず、村に帰って来てから最近訪れた事のある場所と言えば図書館と村はずれに作ったカマクラで、タローは決して図書館に足を踏み入れないのだから残る候補は二人だけの秘密基地だけなのだから。
スピリッツの北端にある村では数少ない二階建て建築を通り過ぎ、大昔はツリーとして活用されていたらしいが今や村の誰からも忘れ去られたカラマツが見えた始めた頃、その根元の辺りに違和感を覚えたライアンは急いで廃屋の影に身を隠して様子を伺った。
月光と星彩、それを反射する雪明りだけでは心もとなかったが、じっくり目を凝らしてみるとカマクラの前に影が横たわっているのがわかる。少年は安堵の息を吐き相棒の名を呼びかけようとしたが、影に違和感を覚え立ち止まり注意深く近づく。
影は二つあった。
片方はずんぐりとした大きな影。何かは分からないがお手製のカマクラと同じくらいの大きさがある。
そしてもう片方は見間違えるはずのない、相棒の大きさと一致していた。
現状においてたった一人本音を言える相手であったし、それ以上にタローは少年にとってかけがえのない相棒なのだからおちおち眠れるわけがない。
あれから数時間が経過し一度トイレに起きて一階を確認したところ、一応朝まで番をするつもりらしくライフルを机に立て掛けた父親の姿を目の端に捉える。
元通り部屋に戻ったことを伝えるべくわざと大袈裟に音を立てて部屋の戸をしめると、少年は窓から防寒着を繋いだロープを下ろし音をたてぬようそろりそろりと抜け出した。
真下の窓を上手に避け地面に降りたち努めて静かに潜行する。家を十分に離れてからは早足で広場へ向かった。彼は決して勇敢な部類の人間ではなかったし漫画の主人公たちのように特別な力を持っている訳でもないが、世界の終わる時、隣にタローがいない光景を思い浮かべると居ても立ってもおられなかった。
灯の消えた祭り会場の入り口に着き村の者達お手製の粗末な門に身を隠しながら中を覗くと、静まり返った広場には数匹で固まった犬の影があるだけで、実際に見たことは無いが十本足の白熊の巨躯は存在しなかった。
横たわる影達の腹がわずかに上下していることからどうやらククウェアは広場までは来なかったようだと安堵し足を踏み入れると、地べたに張り付いていた犬たちが一斉に首をもたげる。そしてすぐに残念そうに鼻息を漏らして元の姿勢へと戻った。
彼らもタローのように戻りそびれ家族が迎えに来るのを待っており、てっきり迎えが来たのかと期待したら違っていて落胆したのだろうと少年は少し申し訳ない気持ちになる。一応影の塊に相棒の名を呼んで回ったが、残念なことに広場の幾つかある犬団子の中にタローの姿は無かった。
となれば思いつく所は一ヵ所だけと再び早足に移動を始める。なにせ基本的に都会に住まう少年には仲の良い友達がおらず、村に帰って来てから最近訪れた事のある場所と言えば図書館と村はずれに作ったカマクラで、タローは決して図書館に足を踏み入れないのだから残る候補は二人だけの秘密基地だけなのだから。
スピリッツの北端にある村では数少ない二階建て建築を通り過ぎ、大昔はツリーとして活用されていたらしいが今や村の誰からも忘れ去られたカラマツが見えた始めた頃、その根元の辺りに違和感を覚えたライアンは急いで廃屋の影に身を隠して様子を伺った。
月光と星彩、それを反射する雪明りだけでは心もとなかったが、じっくり目を凝らしてみるとカマクラの前に影が横たわっているのがわかる。少年は安堵の息を吐き相棒の名を呼びかけようとしたが、影に違和感を覚え立ち止まり注意深く近づく。
影は二つあった。
片方はずんぐりとした大きな影。何かは分からないがお手製のカマクラと同じくらいの大きさがある。
そしてもう片方は見間違えるはずのない、相棒の大きさと一致していた。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
と、少年がそのまま大人しくしている訳がなかった。
現状においてたった一人本音を言える相手であったし、それ以上にタローは少年にとってかけがえのない相棒なのだからおちおち眠れるわけがない。
あれから数時間が経過し一度トイレに起きて一階を確認したところ、一応朝まで番をするつもりらしくライフルを机に立て掛けた父親の姿を目の端に捉える。
元通り部屋に戻ったことを伝えるべくわざと大袈裟に音を立てて部屋の戸をしめると、少年は窓から防寒着を繋いだロープを下ろし音をたてぬようそろりそろりと抜け出した。
あれから数時間が経過し一度トイレに起きて一階を確認したところ、一応朝まで番をするつもりらしくライフルを机に立て掛けた父親の姿を目の端に捉える。
元通り部屋に戻ったことを伝えるべくわざと大袈裟に音を立てて部屋の戸をしめると、少年は窓から防寒着を繋いだロープを下ろし音をたてぬようそろりそろりと抜け出した。
真下の窓を上手に避け地面に降りたち努めて静かに潜行する。家を十分に離れてからは早足で広場へ向かった。彼は決して勇敢な部類の人間ではなかったし漫画の主人公たちのように特別な力を持っている訳でもないが、世界の終わる時、隣にタローがいない光景を思い浮かべると居ても立ってもおられなかった。
灯の消えた祭り会場の入り口に着き村の者達お手製の粗末な門に身を隠しながら中を覗くと、静まり返った広場には数匹で固まった犬の影があるだけで、実際に見たことは無いが十本足の白熊の巨躯は存在しなかった。
横たわる影達の腹がわずかに上下していることからどうやらククウェアは広場までは来なかったようだと安堵し足を踏み入れると、地べたに張り付いていた犬たちが一斉に首をもたげる。そしてすぐに残念そうに鼻息を漏らして元の姿勢へと戻った。
横たわる影達の腹がわずかに上下していることからどうやらククウェアは広場までは来なかったようだと安堵し足を踏み入れると、地べたに張り付いていた犬たちが一斉に首をもたげる。そしてすぐに残念そうに鼻息を漏らして元の姿勢へと戻った。
彼らもタローのように戻りそびれ家族が迎えに来るのを待っており、てっきり迎えが来たのかと期待したら違っていて落胆したのだろうと少年は少し申し訳ない気持ちになる。一応影の塊に相棒の名を呼んで回ったが、残念なことに広場の幾つかある犬団子の中にタローの姿は無かった。
となれば思いつく所は一ヵ所だけと再び早足に移動を始める。なにせ基本的に都会に住まう少年には仲の良い友達がおらず、村に帰って来てから最近訪れた事のある場所と言えば図書館と村はずれに作ったカマクラで、タローは決して図書館に足を踏み入れないのだから残る候補は二人だけの秘密基地だけなのだから。
となれば思いつく所は一ヵ所だけと再び早足に移動を始める。なにせ基本的に都会に住まう少年には仲の良い友達がおらず、村に帰って来てから最近訪れた事のある場所と言えば図書館と村はずれに作ったカマクラで、タローは決して図書館に足を踏み入れないのだから残る候補は二人だけの秘密基地だけなのだから。
スピリッツの北端にある村では数少ない二階建て建築を通り過ぎ、大昔はツリーとして活用されていたらしいが今や村の誰からも忘れ去られたカラマツが見えた始めた頃、その根元の辺りに違和感を覚えたライアンは急いで廃屋の影に身を隠して様子を伺った。
月光と星彩、それを反射する雪明りだけでは心もとなかったが、じっくり目を凝らしてみるとカマクラの前に影が横たわっているのがわかる。少年は安堵の息を吐き相棒の名を呼びかけようとしたが、影に違和感を覚え立ち止まり注意深く近づく。
月光と星彩、それを反射する雪明りだけでは心もとなかったが、じっくり目を凝らしてみるとカマクラの前に影が横たわっているのがわかる。少年は安堵の息を吐き相棒の名を呼びかけようとしたが、影に違和感を覚え立ち止まり注意深く近づく。
影は二つあった。
片方はずんぐりとした大きな影。何かは分からないがお手製のカマクラと同じくらいの大きさがある。
そしてもう片方は見間違えるはずのない、相棒の大きさと一致していた。
そしてもう片方は見間違えるはずのない、相棒の大きさと一致していた。