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@67話

ー/ー





「音色はまだ見つからないのか?」


 


 瑞稀は携帯電話を片手に一瞬、通話口を手で塞ぐと目の前の女性に声を掛ける。女性が首を横に振るのを確認すると、今度は再び携帯電話へと話しかける。


 


「すみません、大変申し上げにくいのですが、予定変更して頂けるとありがたいのですが……」


 


 音色はあのまま姿を消した……。


 


 


 


(音色がどこの遠くへ行き失せても、きっと探し出して見せる)


 


 瑞稀の強い想いとは裏腹に、ただでさえ事業の進みが悪い上にモデル本人も不在となり、社内はてんやわんやになっていた。更にここにきて今まで社員たちの中で燻っていた疑問が露出する。


 


『あの春原さんって何者だったんだ?』


『社長の愛人?』


『急に来なくなるなんて普通(●●)の会社員じゃできないよな?!』


『夜光さんを色仕掛けして社長と二股書けたらしいよ』


『私、彼女が宮輿さんとデートしてるの見た~』


『金に困ってたって俺は聞いたぞ』


『あの娘、整形だって話よ』


 


 


 ありとあらゆる憶測や噂に尾ひれがついて広まる。もう一颯や瑞稀だけではどうにも止められなかった。


 それでも総出で音色の行方を追っていかなければならなかった。靴は……音色の足型で起こした靴は、音色の脚を最も美しく見せるために作られているのだから……。




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「音色はまだ見つからないのか?」
 瑞稀は携帯電話を片手に一瞬、通話口を手で塞ぐと目の前の女性に声を掛ける。女性が首を横に振るのを確認すると、今度は再び携帯電話へと話しかける。
「すみません、大変申し上げにくいのですが、予定変更して頂けるとありがたいのですが……」
 音色はあのまま姿を消した……。
(音色がどこの遠くへ行き失せても、きっと探し出して見せる)
 瑞稀の強い想いとは裏腹に、ただでさえ事業の進みが悪い上にモデル本人も不在となり、社内はてんやわんやになっていた。更にここにきて今まで社員たちの中で燻っていた疑問が露出する。
『あの春原さんって何者だったんだ?』
『社長の愛人?』
『急に来なくなるなんて|普通《●●》の会社員じゃできないよな?!』
『夜光さんを色仕掛けして社長と二股書けたらしいよ』
『私、彼女が宮輿さんとデートしてるの見た~』
『金に困ってたって俺は聞いたぞ』
『あの娘、整形だって話よ』
 ありとあらゆる憶測や噂に尾ひれがついて広まる。もう一颯や瑞稀だけではどうにも止められなかった。
 それでも総出で音色の行方を追っていかなければならなかった。靴は……音色の足型で起こした靴は、音色の脚を最も美しく見せるために作られているのだから……。