@79話 三角形理論
ー/ー
「さて……恋実、君はこれらの品々……どちらかのペアの内の片方、もしくは両方のペアの片方について『何か知っている事』があり、俺に隠しているね。そしてその片方がどれとどれかまで分かっている」
恭吾が突然詰め寄ってくる……そしてその言葉に恋実は明らかに動揺していた。
「……わ、私はただ……重要なことに気付いただけ……」
「重要なこと?」
恭吾は大いに興味を示す。
「恭吾、あなたは一つ見逃しているわ……」
「俺が? 何を?」
恭吾のその言葉からは大上段からの優越感が伺える。『そんなはずはない』と。『ただのハッタリ』だと。その余裕はまるで天から下界を見下ろす神のような所業。
「いいの? すぐさまその笑顔が引き攣ることになっても……」
後ずさる恋実。しかし恋実も不敵な笑みを返す。
「ふふふ、聞かせて……もらおうじゃないか!」
恭吾が声を荒げる。刹那、恋実が言葉を返す、たった一言、それは天空に浮かぶ城を地面に叩きつける魔法……『滅びの言葉』のようでもあった……。
「『ξ』 (クサイ)……!!」
「くっ……くさ……い?! ……『ξ』(クサイ)……ギリシャ文字14番目の文字……」
恭吾の動きがとまる。恋実は少し憐れんだ眼で見つめる。
『人は土から離れては生きられないのよ』と言わんばかりに。
因みに『θ』(シータ)はギリシャ8番目の文字である。
「そう……『ξ』(くさい)さんも『K』よ……」
「ま、まさか……そ、そんな……バカな……」
恭吾の飛行石が砕け散る……。角砂糖の秘密を打ち明けた時の放課後の記憶……『女子を放課後呼び出す』ことの意味を知らなかった若かりし日の封印したはずの遠い記憶……。
恭吾のその頭の中には、崩れ落ちていく天空の城。その瓦礫の中、旋回を繰り返し間を縫うように風を掴んで飛ぶ一機の飛行艇。そのカイトの行く先に待つ空賊たち。
天空の城でいつの間に手に入れたのか、その空賊たちの手には財宝が握られている。
カイトを操る少年と、少年に寄り添う少女が互いに見つめ合い、そしてみんなと微笑みを交わす。
粉々になって堕ちていく天空の城は完全にその姿を変え海へ、そして藻屑となって消えた……。
少年と少女、そして空賊たちにも平和な日常が戻ってくる。それは一つの冒険の終わりを意味する……。新しい日々が始まろうとしている……。エンドロールと音楽と共にフィナーレを飾る中、恭吾の体は崩れるようにして、ゆっくりと堕ちた。
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恭吾が突然詰め寄ってくる……そしてその言葉に恋実は明らかに動揺していた。
「……わ、私はただ……重要なことに気付いただけ……」
「重要なこと?」
恭吾は大いに興味を示す。
「恭吾、あなたは一つ見逃しているわ……」
「俺が? 何を?」
恭吾のその言葉からは大上段からの優越感が伺える。『そんなはずはない』と。『ただのハッタリ』だと。その余裕はまるで天から下界を見下ろす神のような所業。
「いいの? すぐさまその笑顔が引き攣ることになっても……」
後ずさる恋実。しかし恋実も不敵な笑みを返す。
「ふふふ、聞かせて……もらおうじゃないか!」
恭吾が声を荒げる。刹那、恋実が言葉を返す、たった一言、それは天空に浮かぶ城を地面に叩きつける魔法……『滅びの言葉』のようでもあった……。
「『ξ』 (クサイ)……!!」
「くっ……くさ……い?! ……『ξ』(クサイ)……ギリシャ文字14番目の文字……」
恭吾の動きがとまる。|恋実《シータ》は少し憐れんだ眼で見つめる。
『人は土から離れては生きられないのよ』と言わんばかりに。
因みに『θ』(シータ)はギリシャ8番目の文字である。
「そう……『ξ』(くさい)さんも『K』よ……」
「ま、まさか……そ、そんな……バカな……」
恭吾の|飛行石《ハート》が砕け散る……。角砂糖の秘密を打ち明けた時の放課後の記憶……『女子を放課後呼び出す』ことの意味を知らなかった若かりし日の封印したはずの遠い記憶……。
恭吾のその頭の中には、崩れ落ちていく天空の城。その瓦礫の中、旋回を繰り返し間を縫うように風を掴んで飛ぶ一機の|飛行艇《カイト》。そのカイトの行く先に待つ空賊たち。
天空の城でいつの間に手に入れたのか、その空賊たちの手には財宝が握られている。
カイトを操る少年と、少年に寄り添う少女が互いに見つめ合い、そしてみんなと微笑みを交わす。
粉々になって堕ちていく天空の城は完全にその姿を変え海へ、そして藻屑となって消えた……。
少年と少女、そして空賊たちにも平和な日常が戻ってくる。それは一つの冒険の終わりを意味する……。新しい日々が始まろうとしている……。エンドロールと音楽と共にフィナーレを飾る中、恭吾の体は崩れるようにして、ゆっくりと堕ちた。