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@ 67話 花

ー/ー





 江南馬術部の高等部は少し雰囲気が変わってしまった。


 


 それは楓乃が部活に来なくなっていたからだ。隼人もそのせいで落ち着かない。


 さらに舞羽の常人には計り知れないスランプが続いている。それは恐らく舞香と遊馬しか共有できない。舞羽が、自らそう言っているわけでもない。遊馬が言い出したことだ。


 かといって何ができる訳でもないが、スランプの主な原因は心に因るところが大きい。


 


 


「今日は舞羽とウラヌスの方に行ってきます」


 遊馬は一日おきくらいに舞羽と月皇家近くの河川敷、国作栄人厩舎に出向いている。やはり騎手のスランプを立ち直らせるのは、パートナーであるウラヌスが一番である。気晴らしにもなる。


 舞羽は学校からの道のりを歩くことが、デートみたいで楽しかった。学校から河川敷に抜けるのに、ちょっとした山道を抜けていく。車も通らなければ、人も少なく、まるで二人だけの秘密の小径となる。


 


 


「いいの遊馬君? 私になんか付き合っていて」


「いいんだよ、ジャパニーズローズのお墓参り」


「今月、何回目のお墓参りよ」


 遊馬の答えに舞羽は笑う。小径を抜けて視界が開ける。


「もっと日が短くなって花が咲いてくるとね、お花畑のように見えるの」


「へぇ~そうなんだ。なんの花?」


「皇帝ダリア……知ってる?」


「ゴメン知らない。でも月皇家に似合いそうな名前だ」


 


「咲いたら……見に来たいな」




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 江南馬術部の高等部は少し雰囲気が変わってしまった。
 それは楓乃が部活に来なくなっていたからだ。隼人もそのせいで落ち着かない。
 さらに舞羽の常人には計り知れないスランプが続いている。それは恐らく舞香と遊馬しか共有できない。舞羽が、自らそう言っているわけでもない。遊馬が言い出したことだ。
 かといって何ができる訳でもないが、スランプの主な原因は心に因るところが大きい。
「今日は舞羽とウラヌスの方に行ってきます」
 遊馬は一日おきくらいに舞羽と月皇家近くの河川敷、国作栄人厩舎に出向いている。やはり騎手のスランプを立ち直らせるのは、パートナーであるウラヌスが一番である。気晴らしにもなる。
 舞羽は学校からの道のりを歩くことが、デートみたいで楽しかった。学校から河川敷に抜けるのに、ちょっとした山道を抜けていく。車も通らなければ、人も少なく、まるで二人だけの秘密の小径となる。
「いいの遊馬君? 私になんか付き合っていて」
「いいんだよ、ジャパニーズローズのお墓参り」
「今月、何回目のお墓参りよ」
 遊馬の答えに舞羽は笑う。小径を抜けて視界が開ける。
「もっと日が短くなって花が咲いてくるとね、お花畑のように見えるの」
「へぇ~そうなんだ。なんの花?」
「皇帝ダリア……知ってる?」
「ゴメン知らない。でも月皇家に似合いそうな名前だ」
「咲いたら……見に来たいな」