次の金曜日まであと二日……タイムリミットは迫っている。恭吾は何気なく時巻のいる体育館、バドミントン部へと足を向けた。
熱気極まる体育館……冬の寒さを上回る気勢が体育館の外まで溢れ出す。
バドミントン、バレーボール、バスケットボール、卓球といつもの体育館組の運動部が練習に励んでいる。
卓球部は浴衣を着ている……試合があるのであろうか?
そして今井の姿も確認できた。それを見てひとまず安心する。
(今井は他の部の練習が始まったから、もう帰るだろう……)
恭吾はここにきて気付く……2月11日月曜日は休日、2月8日金曜日に何も起きなかったのは、今井が月曜日の祝日を見越して、前回同様金曜日に体育館練習を行っていたからではないだろうか?
(あれ?)
ふと気づけばバトミントン部の練習の中に時巻の姿が見当たらない……。部長であるはずの時巻の姿が……。
胸騒ぎがする……今井も体育館を後にする。恭吾は急いで恋実に電話をかけるもやはり繋がらない。
この電話をかける行為には意味がある。山を下りれば電波が届く、電話がコールもしないと言うことはつまり、恋実はまだ学校内にいることを示している。
しかし掛ける方の電話にも電波が必要だということに恭吾は気付けていない。普段ならこんな誰にでも分かりそうなミスを犯してしまう。
多分それは恭吾の気が動転していた印だ。
案の定電話は発信すらしない。まさしく陸の孤島。
恭吾は生徒会室に急いだ。