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@54話

ー/ー





 お気に入りの財布は意外とすぐに見つかった。欲しい物の探しものなんて『縁』だ。


 不思議なもので気が合う人と買い物に行くと欲しいものに出会うことが多い。多分恐らくそれは、引き寄せているんだと思われる。趣味が合わない人が選んでくれるものは、やっぱり気に入るものは多く無くて、時間がかかる。


 逆にピッタリくる人って、まるで『いいね』ボタンを押すかのように同じものを見てる。次々に可愛いアイテムが目に付いて、時間が経つのも早い。


 きっとそういうものなんだと思われる。実際、瑞稀が『これなんてどう?』という財布は全部、音色の選択肢の候補としてキープされた。


 最後は二人、『ビビン!』ときた。こうなるとコンシェルジェなんかに頼んで忖度された品よりも『ディスカバリー』の興奮が段違いである。


 瑞稀は『金持ち』には味わえない部分の楽しみなのかもしれないと、今日の結果に喜んだ。


 


 


 会計を済ませて音色に渡した瑞稀は、それを手に取った瞬間の音色の弾けるような笑顔と同じものを期待したが、以外にも憂いを含んだ寂し気を残す笑顔だった。


 


『?』瑞稀は何か違和感。その瑞稀の不安を察した音色は改めて最高の笑顔を向ける。


 


(瑞稀さん、ごめんなさい……時間が経ったら前の財布が見つかったって伝えよう。そしていつか、騙してたことも……)


 


 


 瑞稀が予約してあったレストランをキャンセルして軽いランチを済ますと川沿いを二人は散歩する。音色は覚えていないだろうが、瑞稀には出会ったときを思い出す。


 


「君と出会ったのも川沿いの遊歩道だった……」


 


 瑞稀の言葉に音色は川に目を向ける。音色にとっては嫌な思い出だ。瑞稀は知らないのだから仕方ないと、そう言い聞かせてはみるものの音色の目には涙が滲む……。


 


「あ、ごめん、何か嫌なことを思い出せちゃったかな?」


 


 瑞稀は音色の身辺調査で知っていることは多い、しかしあの日がその始まりの日だったとは思っていなかった。ハンカチを差し出す。


 


「今日は」少しお酒でも飲んで帰ろっか……車は代行か何かを呼べばいい」




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 お気に入りの財布は意外とすぐに見つかった。欲しい物の探しものなんて『縁』だ。
 不思議なもので気が合う人と買い物に行くと欲しいものに出会うことが多い。多分恐らくそれは、引き寄せているんだと思われる。趣味が合わない人が選んでくれるものは、やっぱり気に入るものは多く無くて、時間がかかる。
 逆にピッタリくる人って、まるで『いいね』ボタンを押すかのように同じものを見てる。次々に可愛いアイテムが目に付いて、時間が経つのも早い。
 きっとそういうものなんだと思われる。実際、瑞稀が『これなんてどう?』という財布は全部、音色の選択肢の候補としてキープされた。
 最後は二人、『ビビン!』ときた。こうなるとコンシェルジェなんかに頼んで忖度された品よりも『ディスカバリー』の興奮が段違いである。
 瑞稀は『金持ち』には味わえない部分の楽しみなのかもしれないと、今日の結果に喜んだ。
 会計を済ませて音色に渡した瑞稀は、それを手に取った瞬間の音色の弾けるような笑顔と同じものを期待したが、以外にも憂いを含んだ寂し気を残す笑顔だった。
『?』瑞稀は何か違和感。その瑞稀の不安を察した音色は改めて最高の笑顔を向ける。
(瑞稀さん、ごめんなさい……時間が経ったら前の財布が見つかったって伝えよう。そしていつか、騙してたことも……)
 瑞稀が予約してあったレストランをキャンセルして軽いランチを済ますと川沿いを二人は散歩する。音色は覚えていないだろうが、瑞稀には出会ったときを思い出す。
「君と出会ったのも川沿いの遊歩道だった……」
 瑞稀の言葉に音色は川に目を向ける。音色にとっては嫌な思い出だ。瑞稀は知らないのだから仕方ないと、そう言い聞かせてはみるものの音色の目には涙が滲む……。
「あ、ごめん、何か嫌なことを思い出せちゃったかな?」
 瑞稀は音色の身辺調査で知っていることは多い、しかしあの日がその始まりの日だったとは思っていなかった。ハンカチを差し出す。
「今日は」少しお酒でも飲んで帰ろっか……車は代行か何かを呼べばいい」