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@52話

ー/ー





「あれ? 瑞稀どうしたこんな時間から? 今日俺、予定何にもなかったよな?」


「あぁ、おはよう一颯。予定は何もないよ、オフだ……今日は仕事じゃあない。ちょっと音色を借りていくよ、ってお前に断らなくたっていっか」


「あぁ、そういうこと。どこかでかけるのか」


「気になるか?」


 


 瑞稀にそう言われて一颯は目を逸らす。何か瑞稀に『自分でも認識してない心の奥底』に触れられてしまったようで落ち着かなくなる。


 


「バカなこと言ってないでさっさと行けよ、今日はおかげで一日、一人でのんびり(●●●●)するよ」


「OK! 夕飯も一緒に済ませてくるよ。今日は一日一人で寂しく(●●●)させて悪いな」


 


 瑞稀の皮肉に一颯は何か返そうとしたとき、『お待たせ』と音色が出てきた。二人の息が止まる……。ヒーローの登場シーンのように期待を裏切らない演出(でる)側と、心を鷲摑みにされた子供たちと同じ反応しかできない観客(みる)側。


 当の音色は自信がない。地味に生きてきた習慣が音色から自信を奪っている。しかしその自信の無さが返って音色を謙虚に素直にさせ、奥ゆかしさを醸し出す。


 


 まるで季節が変わるような、少女がその実を熟れさせていく不安定さ。その危なっかさに、ついつい引き寄せられてしまうのが男心。


 季節が巡って出会ったときより音色は一つ大人になった。女は過ごした相手によって奇跡的に成長の変化を見せる。


 


 


 一颯の視線が糸引く中、二人は出発していった。




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「あれ? 瑞稀どうしたこんな時間から? 今日俺、予定何にもなかったよな?」
「あぁ、おはよう一颯。予定は何もないよ、オフだ……今日は仕事じゃあない。ちょっと音色を借りていくよ、ってお前に断らなくたっていっか」
「あぁ、そういうこと。どこかでかけるのか」
「気になるか?」
 瑞稀にそう言われて一颯は目を逸らす。何か瑞稀に『自分でも認識してない心の奥底』に触れられてしまったようで落ち着かなくなる。
「バカなこと言ってないでさっさと行けよ、今日はおかげで一日、一人で|のんびり《●●●●》するよ」
「OK! 夕飯も一緒に済ませてくるよ。今日は一日一人で|寂しく《●●●》させて悪いな」
 瑞稀の皮肉に一颯は何か返そうとしたとき、『お待たせ』と音色が出てきた。二人の息が止まる……。ヒーローの登場シーンのように期待を裏切らない|演出《でる》側と、心を鷲摑みにされた子供たちと同じ反応しかできない|観客《みる》側。
 当の音色は自信がない。地味に生きてきた習慣が音色から自信を奪っている。しかしその自信の無さが返って音色を謙虚に素直にさせ、奥ゆかしさを醸し出す。
 まるで季節が変わるような、少女がその実を熟れさせていく不安定さ。その危なっかさに、ついつい引き寄せられてしまうのが男心。
 季節が巡って出会ったときより音色は一つ大人になった。女は過ごした相手によって奇跡的に成長の変化を見せる。
 一颯の視線が糸引く中、二人は出発していった。