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@50話

ー/ー





 次の作戦はこれまた王道『結婚・恋愛詐欺』である。


 


 家庭的な女性のことを嫌いな男性はほとんどいない。自分の部屋だけでなく掃除を行き届かせ、整理整頓をする、一颯の分も洗濯をした衣類にはアイロンをかける。


 そして弱い女を演じる……これはすでにクリアしているはずだった。そして『自分がいなきゃダメだ』と思わせなくてはいけない。これを確実なものにするには、上手く甘えることだ。


 


 ここで承認欲求をくすぐり、どんどん自分のわがままを断れなくなっていくよう仕向ける。


 また、人間は相手に尽くせば尽くすほどその人を手放したくない気持ちになる。これは心理学用語で『コンコルド効果』といって、『こんなに尽くしてしまったんだから別れられない』という心境に陥らせる。


 大小様々なお願いをし、相手の自尊心を満たしていく。


 


 これまでに褒めて、褒めて承認欲求を満たした手前、いい顔をしたいと思いついついお金を出してしまうことだろう。払える金額であればなおさらだ。


 少しずつ少しずつその金額を上げていけばいい……。後は、お金が必要な『理由』だ……。


 


 先ずは定番の『親の医療費が払えない』……これで100万ぐらい出させてやろう……音色は密かにほくそ笑んだ。


 


「あれ? 音色のご両親は亡くなってるんじゃなかったっけ?」


 


 失敗だ……。


 


 


 


 次の手は『夢のためにお金が必要』……。


 


(今一颯さんは『私のためにもっと尽くしたい』と思っているはず。きっと『応援するよ』と300万くらい出してくれるわ)


 


「音色の夢って何だっけ?」


「え?! あ、あれ? 何だっけ……あ、そ、そう友達と会社を立ち上げたいなぁ……なんて……」


「え? それじゃあ音色、うちを辞めちゃうの??」


 


 まずい……ここを追い出されてしまう……。


 


 


 


 更なる手は……『難病を抱えている』。これなら私のためにいくらでもお金を放出せざるを得ないわね。


 


「それは大変だ! うちの系列の病院ですぐ検査しよう」


 


 健康優良体のお墨付きがもらえた。強いて言うのなら『BMIの値が少し低いのでもうちょっと太っても大丈夫かと思います』とのことだった。




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 次の作戦はこれまた王道『結婚・恋愛詐欺』である。
 家庭的な女性のことを嫌いな男性はほとんどいない。自分の部屋だけでなく掃除を行き届かせ、整理整頓をする、一颯の分も洗濯をした衣類にはアイロンをかける。
 そして弱い女を演じる……これはすでにクリアしているはずだった。そして『自分がいなきゃダメだ』と思わせなくてはいけない。これを確実なものにするには、上手く甘えることだ。
 ここで承認欲求をくすぐり、どんどん自分のわがままを断れなくなっていくよう仕向ける。
 また、人間は相手に尽くせば尽くすほどその人を手放したくない気持ちになる。これは心理学用語で『コンコルド効果』といって、『こんなに尽くしてしまったんだから別れられない』という心境に陥らせる。
 大小様々なお願いをし、相手の自尊心を満たしていく。
 これまでに褒めて、褒めて承認欲求を満たした手前、いい顔をしたいと思いついついお金を出してしまうことだろう。払える金額であればなおさらだ。
 少しずつ少しずつその金額を上げていけばいい……。後は、お金が必要な『理由』だ……。
 先ずは定番の『親の医療費が払えない』……これで100万ぐらい出させてやろう……音色は密かにほくそ笑んだ。
「あれ? 音色のご両親は亡くなってるんじゃなかったっけ?」
 失敗だ……。
 次の手は『夢のためにお金が必要』……。
(今一颯さんは『私のためにもっと尽くしたい』と思っているはず。きっと『応援するよ』と300万くらい出してくれるわ)
「音色の夢って何だっけ?」
「え?! あ、あれ? 何だっけ……あ、そ、そう友達と会社を立ち上げたいなぁ……なんて……」
「え? それじゃあ音色、うちを辞めちゃうの??」
 まずい……ここを追い出されてしまう……。
 更なる手は……『難病を抱えている』。これなら私のためにいくらでもお金を放出せざるを得ないわね。
「それは大変だ! うちの系列の病院ですぐ検査しよう」
 健康優良体のお墨付きがもらえた。強いて言うのなら『BMIの値が少し低いのでもうちょっと太っても大丈夫かと思います』とのことだった。