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 そんなことを話すクマさんには構わずに、ウサギさんは木に書かれている物語を読み始めました。
 そわそわ、そわそわ。ウサギさんが物語を読んでいる間、クマさんは、気が気ではありませんでした。何故なら、自分以外が物語を読むのは初めてだったのですから。
 つまらないって言われたら、どうしよう?
 物語を笑われたりしたら……それは、自分のことを笑われるのよりも怖いことでした。
 そんな思いをめぐらせているうちに、ウサギさんは物語を読みおわったようでした。
「あ、あの……」
 どうだった?
 物語の感想を尋ねようとしたけれども、クマさんの口からは声が出ませんでした。
 しかし、ウサギさんは何やら、難しい顔をしていました。そのまま、何も言わずにそこから立ち去ろうとします。
「えっと、ウサギさん……」
「ねぇ、クマさん。明日も、物語を読ませてもらっていい?」
「う、うん……」
 クマさんが返事をするやいなや、ウサギさんははねて、立ち去ってゆきました。

「物語……つまらなかったのかなぁ?」
 ウサギさんの反応の理由が分からずに、クマさんは悩みました。
 そうだ。きっと、つまらなかったに決まっている。だから、ウサギさんはあんなにも難しい顔をしていたんだ。
 そんなことを考えたクマさんは、しょんぼりとしていました。
 しかし、次の日も、そのまた次の日も、ウサギさんは、クマさんが木に書いた物語を読みに来ました。そして、読んだ後には決まって、すごく難しい顔をして、すぐに立ち去ってしまうのです。
「どうしてウサギさんは、つまらない物語を毎日、読みに来るのだろう?」
 不思議に思ったクマさんは、物語を読んだウサギさんの後をつけてみることにしました。
 その日も、物語を読んだウサギさんは難しい顔をして、クマさんの元から立ち去りました。だから、クマさんはそっと、ウサギさんを追いかけました。
 ウサギさんは、森の奥の奥……暗くて、誰もいない所まで行きました。
 そして……しくしく、しくしく。手で顔をおおって、泣き始めたのです。
「えっ?」
 クマさんはびっくりして、ウサギさんの元へと飛び出しました。
 いくら物語がつまらないと言っても、泣かせてしまうほどだとは思わなかったのです。クマさんは大あわてで、ウサギさんをなぐさめに向かいました。


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 そんなことを話すクマさんには構わずに、ウサギさんは木に書かれている物語を読み始めました。
 そわそわ、そわそわ。ウサギさんが物語を読んでいる間、クマさんは、気が気ではありませんでした。何故なら、自分以外が物語を読むのは初めてだったのですから。
 つまらないって言われたら、どうしよう?
 物語を笑われたりしたら……それは、自分のことを笑われるのよりも怖いことでした。
 そんな思いをめぐらせているうちに、ウサギさんは物語を読みおわったようでした。
「あ、あの……」
 どうだった?
 物語の感想を尋ねようとしたけれども、クマさんの口からは声が出ませんでした。
 しかし、ウサギさんは何やら、難しい顔をしていました。そのまま、何も言わずにそこから立ち去ろうとします。
「えっと、ウサギさん……」
「ねぇ、クマさん。明日も、物語を読ませてもらっていい?」
「う、うん……」
 クマさんが返事をするやいなや、ウサギさんははねて、立ち去ってゆきました。
「物語……つまらなかったのかなぁ?」
 ウサギさんの反応の理由が分からずに、クマさんは悩みました。
 そうだ。きっと、つまらなかったに決まっている。だから、ウサギさんはあんなにも難しい顔をしていたんだ。
 そんなことを考えたクマさんは、しょんぼりとしていました。
 しかし、次の日も、そのまた次の日も、ウサギさんは、クマさんが木に書いた物語を読みに来ました。そして、読んだ後には決まって、すごく難しい顔をして、すぐに立ち去ってしまうのです。
「どうしてウサギさんは、つまらない物語を毎日、読みに来るのだろう?」
 不思議に思ったクマさんは、物語を読んだウサギさんの後をつけてみることにしました。
 その日も、物語を読んだウサギさんは難しい顔をして、クマさんの元から立ち去りました。だから、クマさんはそっと、ウサギさんを追いかけました。
 ウサギさんは、森の奥の奥……暗くて、誰もいない所まで行きました。
 そして……しくしく、しくしく。手で顔をおおって、泣き始めたのです。
「えっ?」
 クマさんはびっくりして、ウサギさんの元へと飛び出しました。
 いくら物語がつまらないと言っても、泣かせてしまうほどだとは思わなかったのです。クマさんは大あわてで、ウサギさんをなぐさめに向かいました。