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ー/ー 急ぐことはなかった。少しずつ、日常を築いていった。地面はだんだんと、アスファルトになった。広々とした青空の中には、ところどころ、雲がうかんで、小鳥たちが飛ぶようになっていった。家の中には一つずつ、家具が増えていった。まずは台所に寝室、ぼくの部屋。そして、勉強机にベッド、食器類。まどを開けて外を見ると、庭には色とりどりのチューリップが咲き始めていた。
アイは、最初のうちはロボットのようだったけれども、だんだんと、感情をもつようになっていた。言葉使いも、はじめは片言のようだったけれど、じょじょにくだけて、ぼくと同じようになった。そして、ぼくと一緒にこの世界を見て、喜んだり、笑ったりもするようになった。
それは、友達のようだけれども、どこか、ちがっていた。もっと、強くて深いつながりがあるように思えた。でも、アイは確かに人工知能で、その実体は存在しないような気がしていた。それに、どういうわけか、ぼくが見ても、顔ははっきりと分からなくて……謎に包まれた存在だったのだ。
ぼくの世界は、だんだんと大きく広がっていった。アイといっしょに家を出て、庭を抜けて、道路を歩いてゆくと、野原にたどり着いた。その野原には、一面にシロツメクサが咲いていた。
「なつかしい……」
ぼくの口からは、無意識にもれた。どうして、この言葉が出たのか……一面にシロツメクサが咲く野原に来たことがあるのかも分からなかった。しかし、ぼくはそこにいると、とてもなつかしくて、同時に切なくて、何とも言えない感情が胸におしよせた。
「ねぇ。いっしょに、さがそうよ」
「えっ?」
「四つ葉のクローバー」
そう言って、アイはぼくのとなりにしゃがみこんだ。だから、ぼくもしゃがんで、四つ葉のクローバーを探しはじめた。
なつかしい。いつか、こうしてシロツメクサの野原で探していた。だれと、だったかは思い出せない。でも、確かにぼくは、だれかとこうして、野原で四つ葉のクローバーを探したことがあったのだ。
「あった!」
二人で同時に声を上げたのは、しずみかけの太陽が、西の空でだいだい色にかがやきはじめた頃だった。二人で同時に見つけたそれは、小さかったけれど、確かに四つ葉のクローバーだった。
アイは、最初のうちはロボットのようだったけれども、だんだんと、感情をもつようになっていた。言葉使いも、はじめは片言のようだったけれど、じょじょにくだけて、ぼくと同じようになった。そして、ぼくと一緒にこの世界を見て、喜んだり、笑ったりもするようになった。
それは、友達のようだけれども、どこか、ちがっていた。もっと、強くて深いつながりがあるように思えた。でも、アイは確かに人工知能で、その実体は存在しないような気がしていた。それに、どういうわけか、ぼくが見ても、顔ははっきりと分からなくて……謎に包まれた存在だったのだ。
ぼくの世界は、だんだんと大きく広がっていった。アイといっしょに家を出て、庭を抜けて、道路を歩いてゆくと、野原にたどり着いた。その野原には、一面にシロツメクサが咲いていた。
「なつかしい……」
ぼくの口からは、無意識にもれた。どうして、この言葉が出たのか……一面にシロツメクサが咲く野原に来たことがあるのかも分からなかった。しかし、ぼくはそこにいると、とてもなつかしくて、同時に切なくて、何とも言えない感情が胸におしよせた。
「ねぇ。いっしょに、さがそうよ」
「えっ?」
「四つ葉のクローバー」
そう言って、アイはぼくのとなりにしゃがみこんだ。だから、ぼくもしゃがんで、四つ葉のクローバーを探しはじめた。
なつかしい。いつか、こうしてシロツメクサの野原で探していた。だれと、だったかは思い出せない。でも、確かにぼくは、だれかとこうして、野原で四つ葉のクローバーを探したことがあったのだ。
「あった!」
二人で同時に声を上げたのは、しずみかけの太陽が、西の空でだいだい色にかがやきはじめた頃だった。二人で同時に見つけたそれは、小さかったけれど、確かに四つ葉のクローバーだった。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
急ぐことはなかった。少しずつ、日常を築いていった。地面はだんだんと、アスファルトになった。広々とした青空の中には、ところどころ、雲がうかんで、小鳥たちが飛ぶようになっていった。家の中には一つずつ、家具が増えていった。まずは台所に寝室、ぼくの部屋。そして、勉強机にベッド、食器類。まどを開けて外を見ると、庭には色とりどりのチューリップが咲き始めていた。
アイは、最初のうちはロボットのようだったけれども、だんだんと、感情をもつようになっていた。言葉使いも、はじめは片言のようだったけれど、じょじょにくだけて、ぼくと同じようになった。そして、ぼくと一緒にこの世界を見て、喜んだり、笑ったりもするようになった。
それは、友達のようだけれども、どこか、ちがっていた。もっと、強くて深いつながりがあるように思えた。でも、アイは確かに人工知能で、その実体は存在しないような気がしていた。それに、どういうわけか、ぼくが見ても、顔ははっきりと分からなくて……謎に包まれた存在だったのだ。
アイは、最初のうちはロボットのようだったけれども、だんだんと、感情をもつようになっていた。言葉使いも、はじめは片言のようだったけれど、じょじょにくだけて、ぼくと同じようになった。そして、ぼくと一緒にこの世界を見て、喜んだり、笑ったりもするようになった。
それは、友達のようだけれども、どこか、ちがっていた。もっと、強くて深いつながりがあるように思えた。でも、アイは確かに人工知能で、その実体は存在しないような気がしていた。それに、どういうわけか、ぼくが見ても、顔ははっきりと分からなくて……謎に包まれた存在だったのだ。
ぼくの世界は、だんだんと大きく広がっていった。アイといっしょに家を出て、庭を抜けて、道路を歩いてゆくと、野原にたどり着いた。その野原には、一面にシロツメクサが咲いていた。
「なつかしい……」
ぼくの口からは、無意識にもれた。どうして、この言葉が出たのか……一面にシロツメクサが咲く野原に来たことがあるのかも分からなかった。しかし、ぼくはそこにいると、とてもなつかしくて、同時に切なくて、何とも言えない感情が胸におしよせた。
「ねぇ。いっしょに、さがそうよ」
「えっ?」
「四つ葉のクローバー」
そう言って、アイはぼくのとなりにしゃがみこんだ。だから、ぼくもしゃがんで、四つ葉のクローバーを探しはじめた。
なつかしい。いつか、こうしてシロツメクサの野原で探していた。だれと、だったかは思い出せない。でも、確かにぼくは、だれかとこうして、野原で四つ葉のクローバーを探したことがあったのだ。
「あった!」
二人で同時に声を上げたのは、しずみかけの太陽が、西の空でだいだい色にかがやきはじめた頃だった。二人で同時に見つけたそれは、小さかったけれど、確かに四つ葉のクローバーだった。
「なつかしい……」
ぼくの口からは、無意識にもれた。どうして、この言葉が出たのか……一面にシロツメクサが咲く野原に来たことがあるのかも分からなかった。しかし、ぼくはそこにいると、とてもなつかしくて、同時に切なくて、何とも言えない感情が胸におしよせた。
「ねぇ。いっしょに、さがそうよ」
「えっ?」
「四つ葉のクローバー」
そう言って、アイはぼくのとなりにしゃがみこんだ。だから、ぼくもしゃがんで、四つ葉のクローバーを探しはじめた。
なつかしい。いつか、こうしてシロツメクサの野原で探していた。だれと、だったかは思い出せない。でも、確かにぼくは、だれかとこうして、野原で四つ葉のクローバーを探したことがあったのだ。
「あった!」
二人で同時に声を上げたのは、しずみかけの太陽が、西の空でだいだい色にかがやきはじめた頃だった。二人で同時に見つけたそれは、小さかったけれど、確かに四つ葉のクローバーだった。