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第17話:ゾルゲとの決着:支配力の完全覚醒

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 1. ゾルゲの挑戦状と三体の魔物を中心とした戦略

 アリスとのデートとゴーレム戦を終えた翌朝。セーフハウス「メゾン・ド・バレット」に、ミスト幹部ゾルゲからの通信が響き渡った。

『志藤悠真! お前の「支配力」の片鱗、しかと見せてもらったぞ。だが、それは単なる偶然の産物だ。俺の重力ナックルの前では無力だと、再び証明してやる! 今日の正午、貴様らのセーフハウスを潰す!』

 ルナが銀髪を揺らしながら、冷徹な声で応じた。

「ゾルゲからの挑戦状だわ、クロエ、解析は?」

 黒髪メガネのクロエはノートPCを叩きながら即座に報告した。

「ルナ隊長。発信源はセーフハウスから約三キロ圏内にある廃工場跡地です。重力異常の数値が最大を記録。警戒レベルはMAXと見て間違いないでしょう」

 ルナの司令が響く中、悠真は自室で、己の「支配力」の制御訓練を始めていた。ゾルゲの重力に抗ってメイドたちを護るには、中途半端な力では駄目だと悟ったからだ。

「……もう、護衛対象として怯えているわけにはいかない。俺が、みんなを護るんだ」

 悠真が強い決意を固めると、彼の膝の上には水色のスライミー(防御)、影の中には黒いファントム(索敵)が静かに存在を主張する。そして、足元ではスパイク(牽制・陽動)がカリカリと甲羅を鳴らしていた。

 ツインテールのメイが、スパイクを抱き上げ、興奮した表情でルナに詰め寄った。

「ルナ先輩! スパイクの牽制・陽動能力を、メイの超高速体術に組み込みます! スライミー、ファントムのデータは既にクロエ先輩が解析済み。三体の魔物を悠真せんぱいの『支配力』で連携させれば、ゾルゲの重力を突破できます!」

 クロエが冷静に補足する。

「データ解析。スパイクの高速移動は重力場の影響を受けにくいと推測されます。志藤様の『支配力』をテイム魔物の制御に集中させることが、ゾルゲ撃破への最善の戦略です」

 ルナは、悠真のインカムに冷静な司令を響かせた。

「志藤様。バレット隊はあなたと三体のテイム魔物を戦略の中心とします。ゾルゲの重力操作に対抗できるのは、あなたの覚醒した『支配力』だけ。私たちメイドは、あなたの指示の下で、あなたの剣となる!」
「ルナ先輩! ありがとうございます!」

 メイは歓喜し、すぐに悠真に抱きついた。

「悠真せんぱい! メイとスパイクの連携でゾルゲを倒して、一番に悠真せんぱいを独占しますからね!」

 _____________________
 2. メイとスパイクの嫉妬バトル(再燃)

 メイはオーバーサイズのTシャツ姿で悠真の腕の中に飛び込んできた。

「悠真せんぱい! ずるいです! スパイクのトゲトゲが、悠真せんぱいの腕の中にいるなんて許しません!」

 彼女はすぐにスパイクに目をつけ、露骨なツンデレな嫌悪感を露わにした。

「メイは悠真せんぱいの世話役として、体調管理を任されています! こんな不潔な魔物が悠真せんぱいの布団の上に乗るなんて許しません!」
「ちょ、メイ! スパイクは俺の仲間だ!」

 メイはスパイクをツンツンと小突いたが、スパイクは「キュー!」と鳴き、悠真の腕の中に高速移動して避難した。

「くっ! 早い! この牽制・陽動能力は、メイの超高速体術をサポートする『おとり』として、将来性があります!」

 メイはそう言うと、悠真の腕の中のスパイクを抱きしめた。もはや彼女の独占欲はツンデレの殻を突き破っていた。

「悠真せんぱい! スパイクはメイの超高速体術に一番相性がいいんです! メイこそがスパイクを管理する正当な権利があります! 他のメイドになんか渡しません!」

 悠真の膝の上では、スライミー、ファントム、スパイクの三体の魔物と、それを巡るメイドたちの新たな独占欲バトルが勃発していた。

 ルナは、冷静な司令をインカムに響かせた。

「志藤様。スパイクを佐倉隊員に預けます。彼女の機動戦術に、スパイクの陽動能力を組み込む。これがゾルゲ撃破への最善の戦略です」

「ルナ先輩! ありがとうございます!」

 メイは歓喜し、すぐに悠真に抱きついた。

「悠真せんぱい! メイがゾルゲを倒して、一番に悠真せんぱいを独占しますからね!」

 _____________________
 3. ゾルゲの強襲とバレット隊総力戦

 正午。セーフハウスの地下から、ゾルゲが強襲してきた。彼は重力操作ナックルを地面に叩きつけ、セーフハウスの地下区画全体を強烈な重力場に変えた。

「来たか、M.A.の女ども! 俺の重力の前では、お前たちの超高速体術も、防御シールドも無力だ!」
 ゾルゲの重力操作ナックルから放たれる重力圧で、メイドたちのサイボーグボディは軋みを上げ、動きが鈍くなる。

 ルナが司令塔として指示を飛ばす。

「総員、戦闘態勢! ゾルゲの重力操作が、駆動部と魔道エネルギーに干渉する! アリス、ソフィア、近接戦を避けてバリアを維持しなさい!」

 ソフィアは換装したばかりのバリア発生器「アルカナ・シールド」を最大出力で展開した。

「志藤様、お任せください! 私の母性的な愛のバリアは、重力にも屈しません!」

 シールドは前回より高い耐久性を示したが、重力操作による振動で表面に波紋が走る。
 クロエはノートPCを叩き、ドローン「クインテット・スワーム」を重力場の外縁に展開し、ゾルゲの重力操作の周波数を解析した。

「重力操作は、ゾルゲのナックルの駆動部に依存! 駆動部を狙うべきです!」

 アリスは重力に耐えながらも、小型ラウンドシールドの裏に隠した小型SMGで牽制射撃(ホールディング・バレット)を行い、ゾルゲの視界を遮る。

「くっ……体が重い! でも、ここが私の定位置(テリトリー)なんだから! 誰にも邪魔させない!」

 _____________________
 4. メイとスパイクの連携、そして悠真の完全覚醒

 ゾルゲはシールドで防御するソフィアに集中砲火を浴びせた。ソフィアのバリアが限界を迎える。

「終わりだ、メイドども!そして志藤悠真!」

 その時、小柄なメイが、重力に抗いながらゾルゲの背後に回り込んだ。彼女のツインテールが重力に引かれて垂れ下がる。

『Code: Hyper Impulse (超衝動開始)!』

 メイの衣装が、戦闘メイドのそれに一気に換装される。

「くらえ! 超高速体術、全開! ツンデレ・デストロイヤー!」

 メイは超高速体術を駆使したが、重力操作により動きが鈍る。ゾルゲは冷笑する。

「無駄だ、小娘! お前の体術は、この重力下では通用せん!」

 メイは危機に瀕し、スパイクをゾルゲの足元へ投げつけた。

「スパイク、チャンスメイクよ!」

 メイの叫びと共に、スパイクは地面に着地した瞬間、全身のトゲを硬質の針としてゾルゲのナックルと足元に一斉に射出した。

「ぐっ!」

 ゾルゲは突如の針の嵐に、思わずナックルを引いた。針は重力場を突き破ってゾルゲの超硬度の皮膚に突き刺さり、動きを鈍らせる。

 ゾルゲは一瞬、体勢を崩した。その一瞬の隙を逃さず、メイは二丁SMGをゾルゲのナックルの駆動部に集中連射する。

 ルナが叫んだ。

「今よ、メイ! 全弾叩き込め! クロエ、同時に電磁パルスを!」

 メイの超高速体術とスパイクの陽動が、ゾルゲを追い詰める。しかし、ゾルゲは最後の力を振り絞り、メイに重力ナックルを振り下ろした。

「これで終わりだ、小娘!」
「ッ……! 悠真せんぱい!」

 メイは絶体絶命の危機に瀕し、悠真の名を叫んだ。

 その瞬間、悠真の体から、目に見えるほどの青白い光の奔流が溢れ出した。それは、ゾルゲ戦で部分的に覚醒した「支配力」の、完全な覚醒だった。

「誰にも、俺のメイドたちを傷つけさせない!」

 悠真がそう心の中で叫んだ瞬間、彼の支配力は戦場全体を覆い尽くした。

 スライミー(防御)は、ゴーレムの重力ナックルの軌道をわずかに歪ませ、メイへの直撃を避けた。ファントム(索敵)は、ゾルゲの重力操作のエネルギー制御点を瞬時に見つけ出し、悠真にフィードバックする。スパイク(牽制)は、ゾルゲのナックルの駆動部に吸着し、強制的に重力操作の出力を不安定化させた。

 悠真は、三体のテイム魔物を完璧に連携させ、ゾルゲの重力操作を完全に無効化した。

 _____________________
 5. ゾルゲ撃破とメイの独占欲の結末

「バカな……テイマー能力の完全覚醒だと!? 俺の重力操作が、効かない!」

 ゾルゲは全身から冷や汗を流し、恐怖に顔を歪ませた。悠真の支配力は、もはや異形の存在を「命令」で制御するだけでなく、「戦場全体を戦略的に支配」する力へと進化していた。

 ルナは、悠真の成長と支配力を認識し、最後の司令を下した。
 彼女は、いつもの対物ライフル「ホーリー・シェル」をLMG(軽機関銃)に持ち替えて、激しい打撃を与えようとする。

「志藤様、見事です! 総員、最後の総攻撃を! ゾルゲのナックル、駆動部を破壊!」

 ソフィアが、換装したばかりの魔道ガトリング砲を構え、ゾルゲに超多弾数の弾丸を浴びせる。メイも2丁のSMGから残弾の限りの牽制を続けている。さらに、クロエが放った5体のドローン「クインテット・スワーム」からも絶え間なく弾丸が撃ち込まれる。

「ぐうううぅぅぅぅx!! 小癪なっ!!」

「アリスさん、チャンスよ!」

 ソフィアの掛け声をきっかけに、アリスは心の中で、独占欲を力の源に変えた。

『Code: My Only Love (私の愛のテリトリー)……ブースト!!』

 アリスが、音速に近い速度で、ゾルゲに肉薄する。超高速でゾルゲの周囲を旋回し、ライトニング・ケインでトドメの一撃を放った。

 ドゴォンッ!

 激しい爆発音と共に、ゾルゲは岩と瓦礫の中に埋没し、戦闘不能となった。ゾルゲの脅威は、完全に排除された。

 悠真は、自分が「受動的な護衛対象」から、「戦場を支配するテイマー」へと成長したことを自覚した。

 戦闘後、瓦礫の中からスパイクが高速で駆け寄り、悠真の腕の中に飛び込んできた。

 メイは、満面の笑顔で悠真に抱きついた。

「やった! 悠真せんぱい、メイがゾルゲを倒しましたよ! メイとスパイクの連携、完璧だったでしょう!」

 しかし、メイはすぐに表情を曇らせ、悠真の腕の中にいるスパイクを睨みつけた。

「……でも、スパイク! 今日は、悠真せんぱいの腕の中は、メイの定位置です! 後輩の特権なんだから、どきなさい!」

 メイは任務成功の喜びも束の間、スパイクに懐く悠真に再び嫉妬し、ツンデレな嫌がらせを仕掛ける。悠真は、魔物たちとメイドたちの独占欲の矛先が自分に向けられている状況に戸惑いつつも、彼らの愛を感じ取り、世界の命運を握る覚醒者としての決意を新たにするのだった。

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 6. エンジェル・ガードの忠誠と高貴な警告

 戦闘終結から数分後。M.A.本部の事後処理班がセーフハウス地下区画へ到着した。彼らはゾルゲの巨体を収容し、現場の痕跡を完璧に消し去るための作業を、冷静かつ迅速に進めていく。

 その処理班を率いて現れたのは、茶色のショートボブにメガネをかけた、エンジェル・ガードの隊長格、ベアトリスだった。彼女はルナたちバレット隊の先輩にあたる。

 ルナがベアトリスに状況を報告した。

「ベアトリス先輩。ゾルゲの無力化に成功。志藤様の『支配力』が完全に覚醒しました。戦闘による駆動部への損傷は軽微です」

 ベアトリスは完璧な燕尾服を纏った執事然としたセバスチャンと同じく、常に理性的な立ち振る舞いだ。

「ご苦労様、ルナ。そしてバレット隊の皆さん」

 ベアトリスは、一瞬だけメガネの奥の瞳を緩ませ、アリスとメイに視線を向けた。

「特に、有栖川(アリス)と佐倉(メイ)。あなたたちの連携は、過去のデータと比較しても飛躍的に向上しているわ。志藤悠真の能力が戦場を支配したとはいえ、最終的な物理的制圧はあなたたちの功績よ」
「ありがとうございます、ベアトリス先輩!」

 アリスは素直に喜び、メイもツンデレな表情を崩しながら、嬉しそうに胸を張った。

 ベアトリスはすぐに表情を引き締め、理性的な忠誠心を優先した口調に戻った。

「しかし、忘れないで。総帥(エレノア)の使命は、悠真様を最高の抑止力として、安定的に維持すること。あなたたちの戦闘能力が向上したことは喜ばしい。だが、その根底にある『愛(独占欲)』が任務を脅かすようなことがあってはならないわ」

 ベアトリスはそう言いながら、メイド服の下に仕込まれた光波ブレードの柄を軽く叩いた。それは、メイドたちの感情的な独占欲に対する、格上の高貴な警告だった。

「エレノア総帥の『格上の高貴な嫉妬』は、あなたたちバレット隊への期待の裏返しでもある。任務(理性)と感情(愛)のバランスを崩さないこと。それが、あなたたちに与えられた最も重要な使命よ」

 ベアトリスはゾルゲの収容を確認すると、静かにその場を後にした。

 その言葉を聞いたルナは、理性的な嫉妬と使命感の板挟みで苦悩の表情を浮かべた。

「……ベアトリス先輩は、私たちの感情の揺れが総帥のセンサーだと知っている。私たちは、志藤様への愛を任務として昇華させ続けるしかないわ」

 ルナの孤独な決意をよそに、悠真の腕の中で、アリスがメイを押しやりながら抱きついてきた。

「ね、悠真くん。私とメイが褒められたんだよ! 任務完了のご褒美として、今夜は公認の恋人である私が、あなたの独占権を主張させてもらうからね!」

 メイも負けじと、ツインテールを揺らしながら悠真の反対側の腕に抱きついた。

「ずるいです、アリス先輩! ゾルゲを倒したのはメイとスパイクの連携です! 今夜はメイが悠真せんぱいの部屋を護衛します!」

 悠真は、ベアトリスの厳しい警告と、メイドたちの甘い独占欲の嵐に挟まれながらも、平和が戻ったことに安堵の息を漏らすのだった。




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 1. ゾルゲの挑戦状と三体の魔物を中心とした戦略
 アリスとのデートとゴーレム戦を終えた翌朝。セーフハウス「メゾン・ド・バレット」に、ミスト幹部ゾルゲからの通信が響き渡った。
『志藤悠真! お前の「支配力」の片鱗、しかと見せてもらったぞ。だが、それは単なる偶然の産物だ。俺の重力ナックルの前では無力だと、再び証明してやる! 今日の正午、貴様らのセーフハウスを潰す!』
 ルナが銀髪を揺らしながら、冷徹な声で応じた。
「ゾルゲからの挑戦状だわ、クロエ、解析は?」
 黒髪メガネのクロエはノートPCを叩きながら即座に報告した。
「ルナ隊長。発信源はセーフハウスから約三キロ圏内にある廃工場跡地です。重力異常の数値が最大を記録。警戒レベルはMAXと見て間違いないでしょう」
 ルナの司令が響く中、悠真は自室で、己の「支配力」の制御訓練を始めていた。ゾルゲの重力に抗ってメイドたちを護るには、中途半端な力では駄目だと悟ったからだ。
「……もう、護衛対象として怯えているわけにはいかない。俺が、みんなを護るんだ」
 悠真が強い決意を固めると、彼の膝の上には水色のスライミー(防御)、影の中には黒いファントム(索敵)が静かに存在を主張する。そして、足元ではスパイク(牽制・陽動)がカリカリと甲羅を鳴らしていた。
 ツインテールのメイが、スパイクを抱き上げ、興奮した表情でルナに詰め寄った。
「ルナ先輩! スパイクの牽制・陽動能力を、メイの超高速体術に組み込みます! スライミー、ファントムのデータは既にクロエ先輩が解析済み。三体の魔物を悠真せんぱいの『支配力』で連携させれば、ゾルゲの重力を突破できます!」
 クロエが冷静に補足する。
「データ解析。スパイクの高速移動は重力場の影響を受けにくいと推測されます。志藤様の『支配力』をテイム魔物の制御に集中させることが、ゾルゲ撃破への最善の戦略です」
 ルナは、悠真のインカムに冷静な司令を響かせた。
「志藤様。バレット隊はあなたと三体のテイム魔物を戦略の中心とします。ゾルゲの重力操作に対抗できるのは、あなたの覚醒した『支配力』だけ。私たちメイドは、あなたの指示の下で、あなたの剣となる!」
「ルナ先輩! ありがとうございます!」
 メイは歓喜し、すぐに悠真に抱きついた。
「悠真せんぱい! メイとスパイクの連携でゾルゲを倒して、一番に悠真せんぱいを独占しますからね!」
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 2. メイとスパイクの嫉妬バトル(再燃)
 メイはオーバーサイズのTシャツ姿で悠真の腕の中に飛び込んできた。
「悠真せんぱい! ずるいです! スパイクのトゲトゲが、悠真せんぱいの腕の中にいるなんて許しません!」
 彼女はすぐにスパイクに目をつけ、露骨なツンデレな嫌悪感を露わにした。
「メイは悠真せんぱいの世話役として、体調管理を任されています! こんな不潔な魔物が悠真せんぱいの布団の上に乗るなんて許しません!」
「ちょ、メイ! スパイクは俺の仲間だ!」
 メイはスパイクをツンツンと小突いたが、スパイクは「キュー!」と鳴き、悠真の腕の中に高速移動して避難した。
「くっ! 早い! この牽制・陽動能力は、メイの超高速体術をサポートする『おとり』として、将来性があります!」
 メイはそう言うと、悠真の腕の中のスパイクを抱きしめた。もはや彼女の独占欲はツンデレの殻を突き破っていた。
「悠真せんぱい! スパイクはメイの超高速体術に一番相性がいいんです! メイこそがスパイクを管理する正当な権利があります! 他のメイドになんか渡しません!」
 悠真の膝の上では、スライミー、ファントム、スパイクの三体の魔物と、それを巡るメイドたちの新たな独占欲バトルが勃発していた。
 ルナは、冷静な司令をインカムに響かせた。
「志藤様。スパイクを佐倉隊員に預けます。彼女の機動戦術に、スパイクの陽動能力を組み込む。これがゾルゲ撃破への最善の戦略です」
「ルナ先輩! ありがとうございます!」
 メイは歓喜し、すぐに悠真に抱きついた。
「悠真せんぱい! メイがゾルゲを倒して、一番に悠真せんぱいを独占しますからね!」
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 3. ゾルゲの強襲とバレット隊総力戦
 正午。セーフハウスの地下から、ゾルゲが強襲してきた。彼は重力操作ナックルを地面に叩きつけ、セーフハウスの地下区画全体を強烈な重力場に変えた。
「来たか、M.A.の女ども! 俺の重力の前では、お前たちの超高速体術も、防御シールドも無力だ!」
 ゾルゲの重力操作ナックルから放たれる重力圧で、メイドたちのサイボーグボディは軋みを上げ、動きが鈍くなる。
 ルナが司令塔として指示を飛ばす。
「総員、戦闘態勢! ゾルゲの重力操作が、駆動部と魔道エネルギーに干渉する! アリス、ソフィア、近接戦を避けてバリアを維持しなさい!」
 ソフィアは換装したばかりのバリア発生器「アルカナ・シールド」を最大出力で展開した。
「志藤様、お任せください! 私の母性的な愛のバリアは、重力にも屈しません!」
 シールドは前回より高い耐久性を示したが、重力操作による振動で表面に波紋が走る。
 クロエはノートPCを叩き、ドローン「クインテット・スワーム」を重力場の外縁に展開し、ゾルゲの重力操作の周波数を解析した。
「重力操作は、ゾルゲのナックルの駆動部に依存! 駆動部を狙うべきです!」
 アリスは重力に耐えながらも、小型ラウンドシールドの裏に隠した小型SMGで牽制射撃(ホールディング・バレット)を行い、ゾルゲの視界を遮る。
「くっ……体が重い! でも、ここが私の定位置(テリトリー)なんだから! 誰にも邪魔させない!」
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 4. メイとスパイクの連携、そして悠真の完全覚醒
 ゾルゲはシールドで防御するソフィアに集中砲火を浴びせた。ソフィアのバリアが限界を迎える。
「終わりだ、メイドども!そして志藤悠真!」
 その時、小柄なメイが、重力に抗いながらゾルゲの背後に回り込んだ。彼女のツインテールが重力に引かれて垂れ下がる。
『Code: Hyper Impulse (超衝動開始)!』
 メイの衣装が、戦闘メイドのそれに一気に換装される。
「くらえ! 超高速体術、全開! ツンデレ・デストロイヤー!」
 メイは超高速体術を駆使したが、重力操作により動きが鈍る。ゾルゲは冷笑する。
「無駄だ、小娘! お前の体術は、この重力下では通用せん!」
 メイは危機に瀕し、スパイクをゾルゲの足元へ投げつけた。
「スパイク、チャンスメイクよ!」
 メイの叫びと共に、スパイクは地面に着地した瞬間、全身のトゲを硬質の針としてゾルゲのナックルと足元に一斉に射出した。
「ぐっ!」
 ゾルゲは突如の針の嵐に、思わずナックルを引いた。針は重力場を突き破ってゾルゲの超硬度の皮膚に突き刺さり、動きを鈍らせる。
 ゾルゲは一瞬、体勢を崩した。その一瞬の隙を逃さず、メイは二丁SMGをゾルゲのナックルの駆動部に集中連射する。
 ルナが叫んだ。
「今よ、メイ! 全弾叩き込め! クロエ、同時に電磁パルスを!」
 メイの超高速体術とスパイクの陽動が、ゾルゲを追い詰める。しかし、ゾルゲは最後の力を振り絞り、メイに重力ナックルを振り下ろした。
「これで終わりだ、小娘!」
「ッ……! 悠真せんぱい!」
 メイは絶体絶命の危機に瀕し、悠真の名を叫んだ。
 その瞬間、悠真の体から、目に見えるほどの青白い光の奔流が溢れ出した。それは、ゾルゲ戦で部分的に覚醒した「支配力」の、完全な覚醒だった。
「誰にも、俺のメイドたちを傷つけさせない!」
 悠真がそう心の中で叫んだ瞬間、彼の支配力は戦場全体を覆い尽くした。
 スライミー(防御)は、ゴーレムの重力ナックルの軌道をわずかに歪ませ、メイへの直撃を避けた。ファントム(索敵)は、ゾルゲの重力操作のエネルギー制御点を瞬時に見つけ出し、悠真にフィードバックする。スパイク(牽制)は、ゾルゲのナックルの駆動部に吸着し、強制的に重力操作の出力を不安定化させた。
 悠真は、三体のテイム魔物を完璧に連携させ、ゾルゲの重力操作を完全に無効化した。
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 5. ゾルゲ撃破とメイの独占欲の結末
「バカな……テイマー能力の完全覚醒だと!? 俺の重力操作が、効かない!」
 ゾルゲは全身から冷や汗を流し、恐怖に顔を歪ませた。悠真の支配力は、もはや異形の存在を「命令」で制御するだけでなく、「戦場全体を戦略的に支配」する力へと進化していた。
 ルナは、悠真の成長と支配力を認識し、最後の司令を下した。
 彼女は、いつもの対物ライフル「ホーリー・シェル」をLMG(軽機関銃)に持ち替えて、激しい打撃を与えようとする。
「志藤様、見事です! 総員、最後の総攻撃を! ゾルゲのナックル、駆動部を破壊!」
 ソフィアが、換装したばかりの魔道ガトリング砲を構え、ゾルゲに超多弾数の弾丸を浴びせる。メイも2丁のSMGから残弾の限りの牽制を続けている。さらに、クロエが放った5体のドローン「クインテット・スワーム」からも絶え間なく弾丸が撃ち込まれる。
「ぐうううぅぅぅぅx!! 小癪なっ!!」
「アリスさん、チャンスよ!」
 ソフィアの掛け声をきっかけに、アリスは心の中で、独占欲を力の源に変えた。
『Code: My Only Love (私の愛のテリトリー)……ブースト!!』
 アリスが、音速に近い速度で、ゾルゲに肉薄する。超高速でゾルゲの周囲を旋回し、ライトニング・ケインでトドメの一撃を放った。
 ドゴォンッ!
 激しい爆発音と共に、ゾルゲは岩と瓦礫の中に埋没し、戦闘不能となった。ゾルゲの脅威は、完全に排除された。
 悠真は、自分が「受動的な護衛対象」から、「戦場を支配するテイマー」へと成長したことを自覚した。
 戦闘後、瓦礫の中からスパイクが高速で駆け寄り、悠真の腕の中に飛び込んできた。
 メイは、満面の笑顔で悠真に抱きついた。
「やった! 悠真せんぱい、メイがゾルゲを倒しましたよ! メイとスパイクの連携、完璧だったでしょう!」
 しかし、メイはすぐに表情を曇らせ、悠真の腕の中にいるスパイクを睨みつけた。
「……でも、スパイク! 今日は、悠真せんぱいの腕の中は、メイの定位置です! 後輩の特権なんだから、どきなさい!」
 メイは任務成功の喜びも束の間、スパイクに懐く悠真に再び嫉妬し、ツンデレな嫌がらせを仕掛ける。悠真は、魔物たちとメイドたちの独占欲の矛先が自分に向けられている状況に戸惑いつつも、彼らの愛を感じ取り、世界の命運を握る覚醒者としての決意を新たにするのだった。
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 6. エンジェル・ガードの忠誠と高貴な警告
 戦闘終結から数分後。M.A.本部の事後処理班がセーフハウス地下区画へ到着した。彼らはゾルゲの巨体を収容し、現場の痕跡を完璧に消し去るための作業を、冷静かつ迅速に進めていく。
 その処理班を率いて現れたのは、茶色のショートボブにメガネをかけた、エンジェル・ガードの隊長格、ベアトリスだった。彼女はルナたちバレット隊の先輩にあたる。
 ルナがベアトリスに状況を報告した。
「ベアトリス先輩。ゾルゲの無力化に成功。志藤様の『支配力』が完全に覚醒しました。戦闘による駆動部への損傷は軽微です」
 ベアトリスは完璧な燕尾服を纏った執事然としたセバスチャンと同じく、常に理性的な立ち振る舞いだ。
「ご苦労様、ルナ。そしてバレット隊の皆さん」
 ベアトリスは、一瞬だけメガネの奥の瞳を緩ませ、アリスとメイに視線を向けた。
「特に、有栖川(アリス)と佐倉(メイ)。あなたたちの連携は、過去のデータと比較しても飛躍的に向上しているわ。志藤悠真の能力が戦場を支配したとはいえ、最終的な物理的制圧はあなたたちの功績よ」
「ありがとうございます、ベアトリス先輩!」
 アリスは素直に喜び、メイもツンデレな表情を崩しながら、嬉しそうに胸を張った。
 ベアトリスはすぐに表情を引き締め、理性的な忠誠心を優先した口調に戻った。
「しかし、忘れないで。総帥(エレノア)の使命は、悠真様を最高の抑止力として、安定的に維持すること。あなたたちの戦闘能力が向上したことは喜ばしい。だが、その根底にある『愛(独占欲)』が任務を脅かすようなことがあってはならないわ」
 ベアトリスはそう言いながら、メイド服の下に仕込まれた光波ブレードの柄を軽く叩いた。それは、メイドたちの感情的な独占欲に対する、格上の高貴な警告だった。
「エレノア総帥の『格上の高貴な嫉妬』は、あなたたちバレット隊への期待の裏返しでもある。任務(理性)と感情(愛)のバランスを崩さないこと。それが、あなたたちに与えられた最も重要な使命よ」
 ベアトリスはゾルゲの収容を確認すると、静かにその場を後にした。
 その言葉を聞いたルナは、理性的な嫉妬と使命感の板挟みで苦悩の表情を浮かべた。
「……ベアトリス先輩は、私たちの感情の揺れが総帥のセンサーだと知っている。私たちは、志藤様への愛を任務として昇華させ続けるしかないわ」
 ルナの孤独な決意をよそに、悠真の腕の中で、アリスがメイを押しやりながら抱きついてきた。
「ね、悠真くん。私とメイが褒められたんだよ! 任務完了のご褒美として、今夜は公認の恋人である私が、あなたの独占権を主張させてもらうからね!」
 メイも負けじと、ツインテールを揺らしながら悠真の反対側の腕に抱きついた。
「ずるいです、アリス先輩! ゾルゲを倒したのはメイとスパイクの連携です! 今夜はメイが悠真せんぱいの部屋を護衛します!」
 悠真は、ベアトリスの厳しい警告と、メイドたちの甘い独占欲の嵐に挟まれながらも、平和が戻ったことに安堵の息を漏らすのだった。