【7】
あの日以来、ついに俺は覚醒したといっていいだろう。来る日も来る日も、パーティーに明け暮れている。もはやこの屋敷は、俺の欲望を満たすために存在している性なる館といっても過言ではない。
パーティーを開いては、
「もっと飲もうぜ! もっともっと! もっとだぁ!」
「アハハハ! クローってサイコー!」
股を開かせ……
「ハァ、ハァ、ハァ!」
「んん……あっ……あん!」
またパーティーを開いては、
「今日も飲もーぜ!ガンガン飲もーぜ!」
「いっぱい飲も〜!」
また股を開かせ……
「ほら……どう……ねえ」
「あっ……ああ……んん!」
またまたパーティーを開いては、
「ほら! 酒が足りねーぞ! 俺にもよこせ!」
「わたしも飲むぅ!」
またまた股を開かせ……
「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」
「あん! イヤ……だめぇぇ!」
また股また股パーティーを開いては……以下同文。
ひたすらに遊び狂う。完全に、タガが外れたように。時には朝目覚めると、俺のベットに三人以上のオンナが裸で寝息を立てていることもあった。
ちなみに……。
ミックとの関係は良好だ。あのチャラ男は、アソビ仲間としては使えるヤツだ。俺が多くの金を持ち出している分、アイツは良い獲物を次々と供給してくれる。俺もアイツも同様にイイ思いをしているんだから、お互いウィンウィンということでいいだろう。
ナオミとの関係も良好だ。俺が覚醒してからは、むしろ安心して俺に近づいてきた。あのビッチは、アソビ相手としてはなかなかのモンだ。もっとも、アイツも同様に気持ち良さそうにしているんだから、これもウィンウィンのはずだ。
そんな中……。
執事のパトリスは何も言ってこなかった。だが時々、空いたグラスをさげながら、ひどくなにかを言いたげな顔で俺を見てくることがある。そのたびに俺は、空いたグラスにスッと視線を移して、何事もなくやり過ごした。こんな俺を、彼はどう思っているのだろう。
怒っている? 嘆いている? かなしんでいる?
いつもパトリスは、ただ黙って、パーティーの種々の雑用を、メイドたちとともに淡々とこなしている。俺も彼に何も言わないし聞かない。だから、何もわからない。だがそれでいい。とにかく俺は、残り少ない時間を遊び尽くすだけだから。
何かが胸によぎっても、何も考えないようにする。何かが心にざわめいても、何も考えないようにする。
なにも思わないように。なにも感じないように……。