「改めて言うが、我々の要求は地球の資源をあらかた全て貰うこと。地球でいう『シンリャク』というものだ。そのために地球人は全員マッサツする」
一週間前と同じ、メシアがいる部屋にて会議は始まった。
そのメシアはというと、いっちょ前にスーツを着こなしネクタイまでビシッと絞めている。髪型は七三になっていたが、その顔には絶対に似合わない。腕を組んで足も組んで、偉く見せても全く似合わない…
「どうしたの?反論が無いのなら、今すぐにでもシンリャクしちゃおーかなー?」
ついよそ事を考えてしまっていて、反論が遅れてしまった。
「いえ…!反論というより、提案なのですが…」
「へえ…私に向かって、提案ねえ…まあ、いいよ。とりあえず聞いてみようか」
…大丈夫だ…できるだけ緩やかに、そして少しずつ要求を軽くしていこう…
「えっと…地球の人々を殺すのは、理に適っていないと思います…というのも、彼らには奴隷としての価値があるからです。使い勝手の分からない地球の機械の使い方は、優秀な科学者に聞けばいいし、あなた方の持っている機械も、使い方さえわかれば阿呆でもわかると思います」
もちろん、人類をバカにしているわけではない…絶滅は完全な終わりだが、服従はある種のチャンスだ。のちに謀反を起こし、反逆することだって可能だ…
「それに、武力で制圧しようとすれば、少なからず機体や戦闘員に損傷を受けると思います…それで、権力を持つ者を催眠または服従させ、権力を奪ってしまうのがいいでしょう。そうすれば、必要最低限の犠牲で地球人の戦意を削ぎ落し、簡単に地球の資源を手中に収められるでしょう。」
そして、この提案さえ飲んでもらえば…計画はほとんど完成される…さあ、どう出る?
「………うむ、確かにこちら側のリスクは最小限にしたい。その作戦は我々にとって好都合…だが、だからこそ、なぜ我々に提案する?君たちに不利なものになるのでは…?」
「…それは、メシア様の配下となりたいからです!奴隷や死を選ぶくらいなら、あなた方とともに、この頭を使える場の方がいいと考えたからです!どうか、私を使ってください!」
そう叫ぶと、メシアはとても驚いた顔をした。
…完璧だ。ここで私を引き入れれば、宇宙人どもの戦力も、情報も、隙を付いて流し放題だ…!そんなバカ面しているのも今のうちだ、メシア!
「…君がそんな提案を仕掛けてくるとは意外だったな……いいだろう、その度胸に免じて皆殺しは止めよう。奴隷にでも使ってあげるよ」
終わりだな…こいつは結構バカだ。学習能力が高いとか言っていたが、結局は高いだけ。世の中は応用力も必要となる。使いこなせなければ、それまでだ。
「君が地球人を先導するというなら………太古に交わした条約の話もいらないか…」
「…?なんだ、それは…?その…条約というのは…?」
「気になる?まあ、そうだろうね。どの地球人も知らなかったみたいだし…」
…そして、メシアは口元を歪めて言った。
「我々は昔、地球人に知恵をあげたんだよ」