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In The Mother Ship -Episode 3-

ー/ー



 内部に入ると、へんてこな形をしたロボットが道案内をしてくれた。ボディーには『ASTRO』という文字があった…恐らく、アメリカが火星開発の時に向かわせた人型のロボットだろう…こんな所で再開するとは…
 道中見てみると、映画などでよく見るグレイ型の宇宙人がいたが、おどろおどろしく実験をしている、みたいな場面は無く、大型マーケットで売買しているような感じだった。しかし、そばに置かれた機械、それどころか彼ら(彼女らか?)が持っているものが何なのかすらも分からなかった。
 途中、ロボットが何かを言っていたみたいだったが、宇宙人の言葉だからか一つも分からなかった。
 やがて中央に着き、柱のような建造物の中に入ると、そこには少女のような少年のような何かが居た。居たというよりは、浮いていた。恐らくこの何かが、対談を申し出た宇宙人ということだろう。
「やあ!こんにちは!君がおじさんの代わりに来た地球人なのかなあ?」
 普通に応対してきた。だが、普通なのがマズい。調査書には、カタコト程度に話せると書いてあった…
 だからこそ流暢(りゅうちょう)に話せるということは、理解する速度が速いということに繋がる。
 ちなみに、姿については、ぼさぼさの天然パーマと書いてあったのだが可愛らしいツインテールになっている。ファッションでも磨いているのか?
「話し合いの前にさあ…これ似合う?前に研究した地球人を参考にしたんだけどお」
 まったく掴みどころが無い…コイツは何を考えている?
「あ…名前があった方が親しみが湧くかな…?じゃあ、メシアにしよう!」
 こんな奴がメシアを名乗るとは…人々をさらって、解剖する奴が。そして、おおよそ話し合いに似つかわしくない口調で、こう言った。
「とりあえず、こちらの要求を聴いてもらおうかな!」
 そして、一段落置いてから、再び口を開いた。

「簡潔に言うと、ワレワレは地球がホシイ。
ちなみに、反抗してもしなくても、地球人はミナゴロシダヨ」

 私はとても恐怖した。ここまで躊躇なく、そんなことが言えるのだろうか…メシアには心が無いのか…?それとも、宇宙人には我々が侵略する対象にしか見えていないのだろうか?
「それじゃあ、話し合いを始めよっか…と思ったけど、何だか気分が優れないなあ…」
 すっと立ち上がり、私に背を向ける。
「一週間待ってて。みんな死なないように頑張ってね!」
 飛び切りの笑顔で言った瞬間、ソレはとてつもない悪に見えた。真っ黒そのもののくせに、なぜ銀河の様にキラキラと輝く笑顔を出せる?



 悪だからか?



 来客用だと言われて通された部屋に入った瞬間、度重なる精神的な疲労と、頭が焦げ付くような感覚が襲う。くらくら、半分ほど憔悴した身体を揺らしながら、自分の研究所にあったのと同じ回転いすに勢いよく座り込んだ。

 …落ち着け。冷静に物事を整理するんだ。
 あいつが求めているのは、地球の全てだ。
 そして、何があろうとも人類を殲滅する気だ。
 最優先事項は人類の救済だ。
 だが、できるのか?相手は高度な知能を持った宇宙人だ。
 さっきの話し合いでも、先手を取られているじゃないか…
 …
 …
 もう…無駄なんじゃないか?
 …
 いや、駄目だ!終わらせてたまるものか!
 …自分を宇宙人の配下に加えてもらえばいいんじゃ?
 ………!な、なんて恐ろしいことを?!
 違う!そんなことで救われても意味がない!
 私が選ばれ、託された意味がなくなってしまう!
 諦めろよ…
 嫌だ!
 降参しろ…
 断る!あんな奴の奴隷になって、何の得が…!
 …
 …
 ………いや、待て…待てよ…

 ………………





「もう一週間経ったよ!来ないとミナゴロシにしちゃうゾ!」
 突然の機内放送が、うたた寝していた私を無理やり起こす。
 地球の命運を決める対談の合図が、宇宙船に鳴り響いた…


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 内部に入ると、へんてこな形をしたロボットが道案内をしてくれた。ボディーには『ASTRO』という文字があった…恐らく、アメリカが火星開発の時に向かわせた人型のロボットだろう…こんな所で再開するとは… 道中見てみると、映画などでよく見るグレイ型の宇宙人がいたが、おどろおどろしく実験をしている、みたいな場面は無く、大型マーケットで売買しているような感じだった。しかし、そばに置かれた機械、それどころか彼ら(彼女らか?)が持っているものが何なのかすらも分からなかった。
 途中、ロボットが何かを言っていたみたいだったが、宇宙人の言葉だからか一つも分からなかった。
 やがて中央に着き、柱のような建造物の中に入ると、そこには少女のような少年のような何かが居た。居たというよりは、浮いていた。恐らくこの何かが、対談を申し出た宇宙人ということだろう。
「やあ!こんにちは!君がおじさんの代わりに来た地球人なのかなあ?」
 普通に応対してきた。だが、普通なのがマズい。調査書には、カタコト程度に話せると書いてあった…
 だからこそ流暢《りゅうちょう》に話せるということは、理解する速度が速いということに繋がる。
 ちなみに、姿については、ぼさぼさの天然パーマと書いてあったのだが可愛らしいツインテールになっている。ファッションでも磨いているのか?
「話し合いの前にさあ…これ似合う?前に研究した地球人を参考にしたんだけどお」
 まったく掴みどころが無い…コイツは何を考えている?
「あ…名前があった方が親しみが湧くかな…?じゃあ、メシアにしよう!」
 こんな奴がメシアを名乗るとは…人々をさらって、解剖する奴が。そして、おおよそ話し合いに似つかわしくない口調で、こう言った。
「とりあえず、こちらの要求を聴いてもらおうかな!」
 そして、一段落置いてから、再び口を開いた。
「簡潔に言うと、ワレワレは地球がホシイ。
ちなみに、反抗してもしなくても、地球人はミナゴロシダヨ」
 私はとても恐怖した。ここまで躊躇なく、そんなことが言えるのだろうか…メシアには心が無いのか…?それとも、宇宙人には我々が侵略する対象にしか見えていないのだろうか?
「それじゃあ、話し合いを始めよっか…と思ったけど、何だか気分が優れないなあ…」
 すっと立ち上がり、私に背を向ける。
「一週間待ってて。みんな死なないように頑張ってね!」
 飛び切りの笑顔で言った瞬間、ソレはとてつもない悪に見えた。真っ黒そのもののくせに、なぜ銀河の様にキラキラと輝く笑顔を出せる?
 悪だからか?
 来客用だと言われて通された部屋に入った瞬間、度重なる精神的な疲労と、頭が焦げ付くような感覚が襲う。くらくら、半分ほど憔悴した身体を揺らしながら、自分の研究所にあったのと同じ回転いすに勢いよく座り込んだ。
 …落ち着け。冷静に物事を整理するんだ。
 あいつが求めているのは、地球の全てだ。
 そして、何があろうとも人類を殲滅する気だ。
 最優先事項は人類の救済だ。
 だが、できるのか?相手は高度な知能を持った宇宙人だ。
 さっきの話し合いでも、先手を取られているじゃないか…
 …
 …
 もう…無駄なんじゃないか?
 …
 いや、駄目だ!終わらせてたまるものか!
 …自分を宇宙人の配下に加えてもらえばいいんじゃ?
 ………!な、なんて恐ろしいことを?!
 違う!そんなことで救われても意味がない!
 私が選ばれ、託された意味がなくなってしまう!
 諦めろよ…
 嫌だ!
 降参しろ…
 断る!あんな奴の奴隷になって、何の得が…!
 …
 …
 ………いや、待て…待てよ…
 ………………
「もう一週間経ったよ!来ないとミナゴロシにしちゃうゾ!」
 突然の機内放送が、うたた寝していた私を無理やり起こす。
 地球の命運を決める対談の合図が、宇宙船に鳴り響いた…