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From U.S.A. -Episode 1-

ー/ー



「お偉い方からダイレクトメッセージですよ。ノアさん」
 呼ばれて、ソファから起き上がり、アイグラスの左辺を三回タップする。目前に水色の画面が映し出され、そこに『緊急メッセージ』と書かれていた。
「なんだ?…もしかして、昇格のお知らせか?!」
 急いで展開したファイルにあったのは、その通り昇格のお知らせと…

 宇宙人と1対1の対話の命令文だった…



 私はノア・クラーク。アメリカ合衆国対外情報機関『CIA』局員であり、宇宙文明の発見を目的とした地球外知的生命体探査、通称SETIプロジェクトの一つである国家機密計画『Frontier of Unknown(未知の開拓)』略してFOUの研究者。
 簡潔に言えば、情報と未知の生物のエキスパートである。
 そんな私が、CIAとしての能力と、FOUとしての知識を買われ、地球代表として謎の宇宙人との交渉役に抜擢されたのだ…
「全然うれしくない。人生で一番うれしくないね」
「まあまあ、せっかく昇格して仕事もらったんですし…宇宙人見るの、夢だったんでしょ?」
「見たい会いたい話したい、とは言ったが、ピリつく空気の中で討論したいとは言ってない!ましてや、約束破ったら人類皆殺しにしそうなやつ相手に!」
「はは…きっとはったりですよ…」
 背もたれ付きの回転イスに座って駄々をこねる私を、何とかなだめようとするコイツはクサナギ。
 18世紀ごろ、生物調査という口実で島国から持ち出し、秘密裏に改造され生み出された狼の獣人だ。100年ほど前に絶滅しているため、クサナギが最後の生き残りっていうことだ。
 もちろん、本人はそのことを知らない。いや、知らせなかったんだろうし、私も口止めされている。
「きっとノアさんなら大丈夫ですよ!もし失敗しても、骨は拾いますから!」
「慰めになってねーよ…まあ、そろそろ行かないといけないな…」
 そうしてイスから立ち上がり、白衣を着て、部屋を出ようとした。
「行ってらっしゃい」
 その言葉に返事をせずに、自動ドアを開けた。


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「お偉い方からダイレクトメッセージですよ。ノアさん」 呼ばれて、ソファから起き上がり、アイグラスの左辺を三回タップする。目前に水色の画面が映し出され、そこに『緊急メッセージ』と書かれていた。
「なんだ?…もしかして、昇格のお知らせか?!」
 急いで展開したファイルにあったのは、その通り昇格のお知らせと…
 宇宙人と1対1の対話の命令文だった…
 私はノア・クラーク。アメリカ合衆国対外情報機関『CIA』局員であり、宇宙文明の発見を目的とした地球外知的生命体探査、通称SETIプロジェクトの一つである国家機密計画『Frontier of Unknown(未知の開拓)』略してFOUの研究者。
 簡潔に言えば、情報と未知の生物のエキスパートである。
 そんな私が、CIAとしての能力と、FOUとしての知識を買われ、地球代表として謎の宇宙人との交渉役に抜擢されたのだ…
「全然うれしくない。人生で一番うれしくないね」
「まあまあ、せっかく昇格して仕事もらったんですし…宇宙人見るの、夢だったんでしょ?」
「見たい会いたい話したい、とは言ったが、ピリつく空気の中で討論したいとは言ってない!ましてや、約束破ったら人類皆殺しにしそうなやつ相手に!」
「はは…きっとはったりですよ…」
 背もたれ付きの回転イスに座って駄々をこねる私を、何とかなだめようとするコイツはクサナギ。
 18世紀ごろ、生物調査という口実で島国から持ち出し、秘密裏に改造され生み出された狼の獣人だ。100年ほど前に絶滅しているため、クサナギが最後の生き残りっていうことだ。
 もちろん、本人はそのことを知らない。いや、知らせなかったんだろうし、私も口止めされている。
「きっとノアさんなら大丈夫ですよ!もし失敗しても、骨は拾いますから!」
「慰めになってねーよ…まあ、そろそろ行かないといけないな…」
 そうしてイスから立ち上がり、白衣を着て、部屋を出ようとした。
「行ってらっしゃい」
 その言葉に返事をせずに、自動ドアを開けた。