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緊急着陸

ー/ー



 滑走路が見えてきた。
 有視界気象状態(VMC)での着陸が可能だ。
 空港に霧がかかっていたらアウトだった。
 エンジンが使えないので計器飛行方式(IFR)は不可能。
 よって、有視界飛行方式(VFR)の一択となる。


 キャビンでは、CAが衝撃防止姿勢(ブレース)の指導を乗客に行っている。

「体を前に倒して、顎を引いてください。前の座席に頭をつけてください。両手は頭の後ろに置いてください。前に座席がないお客様は、頭を下げて、手で足首をつかんでください。衝撃は一度とは限りません。指示があるまで安全姿勢を取り続けてください」


 俺は管制と交信する。

「東京アプローチ ソリスピエアライン2025 ビジュアル(視認) 34R」

『ソリスピエアライン2025 東京アプローチ ランウェイ34R クリアード(許可) トゥ ランド(着陸)  ウインド(風向)60° アット(風力) 4 グッドラック!』

「サンキュー! クリアード トゥ ランウェイ34R ソリスピエアライン2025」

 着陸許可が出た。
 風の影響は少ない。
 消防車があちこちに展開し、救急車も集まってきている。
 狙った滑走路に着陸できない場合を想定して、消防車を分散して配置しているのだろう。

 絶対に滑走路に着陸する!

「ギアダウン」

「ギアダウン」

 車輪を出すことで空気抵抗による減速の効果も期待できる。
 エンジンは使えない。よって、ゴーアラウンドは不可能。
 着陸のチャンスは一回きり。

 俺はキャビンにアナウンスする。

「皆様にご連絡します。これより緊急着陸を行います。強い衝撃に備えてください。業務連絡、キャビンクルー(客室乗務員)ブレース(衝撃防止姿勢)! ブレース! ブレース!」

 指示を受け、キャビンではCAたちが声を揃えて衝撃防止姿勢を乗客に呼びかける。

「「体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! 体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! ……」」

 沈黙が流れると、乗客は不安から勝手な行動を始めてしまう恐れがある。
 そこで、CAが声を揃えて大声で衝撃防止姿勢を呼びかけ続けることで、客室内にCAに従う雰囲気を作り出すのだ。
 また、楽観的に考えている乗客もいるので、現在が危機的状況であることを理解させるためにも、CAは声を揃えて大声で叫び続ける。

「「体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! 体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! ……」」




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 滑走路が見えてきた。
 |有視界気象状態《VMC》での着陸が可能だ。
 空港に霧がかかっていたらアウトだった。
 エンジンが使えないので|計器飛行方式《IFR》は不可能。
 よって、|有視界飛行方式《VFR》の一択となる。
 キャビンでは、CAが|衝撃防止姿勢《ブレース》の指導を乗客に行っている。
「体を前に倒して、顎を引いてください。前の座席に頭をつけてください。両手は頭の後ろに置いてください。前に座席がないお客様は、頭を下げて、手で足首をつかんでください。衝撃は一度とは限りません。指示があるまで安全姿勢を取り続けてください」
 俺は管制と交信する。
「東京アプローチ ソリスピエアライン2025 |ビジュアル《視認》 34R」
『ソリスピエアライン2025 東京アプローチ ランウェイ34R |クリアード《許可》 トゥ |ランド《着陸》  |ウインド《風向》60° |アット《風力》 4 グッドラック!』
「サンキュー! クリアード トゥ ランウェイ34R ソリスピエアライン2025」
 着陸許可が出た。
 風の影響は少ない。
 消防車があちこちに展開し、救急車も集まってきている。
 狙った滑走路に着陸できない場合を想定して、消防車を分散して配置しているのだろう。
 絶対に滑走路に着陸する!
「ギアダウン」
「ギアダウン」
 車輪を出すことで空気抵抗による減速の効果も期待できる。
 エンジンは使えない。よって、ゴーアラウンドは不可能。
 着陸のチャンスは一回きり。
 俺はキャビンにアナウンスする。
「皆様にご連絡します。これより緊急着陸を行います。強い衝撃に備えてください。業務連絡、|キャビンクルー《客室乗務員》、|ブレース《衝撃防止姿勢》! ブレース! ブレース!」
 指示を受け、キャビンではCAたちが声を揃えて衝撃防止姿勢を乗客に呼びかける。
「「体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! 体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! ……」」
 沈黙が流れると、乗客は不安から勝手な行動を始めてしまう恐れがある。
 そこで、CAが声を揃えて大声で衝撃防止姿勢を呼びかけ続けることで、客室内にCAに従う雰囲気を作り出すのだ。
 また、楽観的に考えている乗客もいるので、現在が危機的状況であることを理解させるためにも、CAは声を揃えて大声で叫び続ける。
「「体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! 体を伏せて! 体を伏せて! Head Down! Head Down! ……」」