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滑空状態で空港へ

ー/ー



 さてと……そろそろCAたちの準備も整った頃だろう。
 キャビンにアナウンスする。

「操縦席より皆様にご案内いたします。当機は羽田空港に緊急着陸を行う見込みです。着陸が近くなりましたら、客室乗務員の方から緊急着陸時の姿勢について説明致します。不安かとは存じますが、客室乗務員の指示に従い、落ち着いて行動してください」

 エンジンの止まった飛行機は、高度と引き換えに速度を得る。
 位置エネルギーとはよくいったものだ。
 空港に到着するまでに高度をすべて失えば、当然、墜落となる。


 当機は高度を下げながら進んでいき、ようやく燃料投棄地点までたどり着いた。

「東京コントロール、燃料を投棄します」

『ソリスピエアライン2025 フューエル(燃料) ダンピング(投棄) ラジャー』

「フューエル ダンプ」

「フューエル ダンプ」

 燃料計を確認しながら、左右の翼内の燃料の量を調節しながら放出する。
 この飛行機は滑空状態。左右のバランスはきわめて重要である。
 左右のタンクを同じ量にすればよいというものではない。
 キャビンにはたくさんの乗客がいる。
 座席表を見て、左右どちらにどれだけ多くの乗客が座っているかを確認し、重量を推定する。
 貨物室については、作業員が左右のバランスが取れるように荷物を入れてくれているはずだ。
 それでも、偏りがないかどうかの確認は行う。
 これらを総合的に判断し、左右それぞれの燃料の投棄量が決まる。

 空から航空燃料が降ってくることを懸念する声もあるが、揮発性が高いため、投棄した燃料は地上に落ちる前にすべて蒸発してしまう。
 しかし、燃料の投棄は環境汚染につながるので、なるべくは行いたくないものだ。

「東京コントロール、ソリスピエアライン2025、燃料の投棄完了。羽田空港ランウェイ34Rへの誘導を要求する」

『ソリスピエアライン2025、ラジャー』

 指示された方位等をCDUに入力する。
 これで、方位については間違いなく羽田空港に近づける。
 あとは高度だ。

 滑空状態の当機は、進めば進むほど高度を失っていく。
 では、高度を維持したほうが良いのかというと、そういうわけでもない。

 飛んでいる飛行機には空気抵抗がかかるため、どんどん速度は落ちていく。
 速度がゼロになってしまえば、そこで墜落だ。
 しかし、落下する物体には加速度がつく。
 それを使い、高度を下げることで速度を増していく。
 もっとも、高度がゼロになれば、やはり墜落となる。
 速度と高度、どちらも維持しながら空港までたどり着かないといけない。

 かなり高度が下がってきたが、その分、空港も近づいてきた。
 海や陸地への不時着という事態は避けることができそうだ。

 東京湾に海上保安庁の船舶が展開しているのが見える。
 きっと、この飛行機が海に不時着した場合に備えているのだろう。

 機体を海に落とすものか。
 必ず空港にランディング(着陸)してやる!

「ソリスピエアライン2025 エアポート インサイト(視認)

 着陸の許可と、東京アプローチとの連絡を取り合うための周波数の指示が来た。

『ソリスピエアライン2025 ラジャー クリアード(許可) フォー ランウェイ(滑走路) 34R コンタクト 東京アプローチ 119(ワンワンナイナー)(デシマル)(ワン)

「クリアード フォー ランウェイ 34R 119.1 ソリスピエアライン2025」

 ここからは東京アプローチと交信しながら着陸を行う。




次のエピソードへ進む 緊急着陸


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 さてと……そろそろCAたちの準備も整った頃だろう。
 キャビンにアナウンスする。
「操縦席より皆様にご案内いたします。当機は羽田空港に緊急着陸を行う見込みです。着陸が近くなりましたら、客室乗務員の方から緊急着陸時の姿勢について説明致します。不安かとは存じますが、客室乗務員の指示に従い、落ち着いて行動してください」
 エンジンの止まった飛行機は、高度と引き換えに速度を得る。
 位置エネルギーとはよくいったものだ。
 空港に到着するまでに高度をすべて失えば、当然、墜落となる。
 当機は高度を下げながら進んでいき、ようやく燃料投棄地点までたどり着いた。
「東京コントロール、燃料を投棄します」
『ソリスピエアライン2025 |フューエル《燃料》 |ダンピング《投棄》 ラジャー』
「フューエル ダンプ」
「フューエル ダンプ」
 燃料計を確認しながら、左右の翼内の燃料の量を調節しながら放出する。
 この飛行機は滑空状態。左右のバランスはきわめて重要である。
 左右のタンクを同じ量にすればよいというものではない。
 キャビンにはたくさんの乗客がいる。
 座席表を見て、左右どちらにどれだけ多くの乗客が座っているかを確認し、重量を推定する。
 貨物室については、作業員が左右のバランスが取れるように荷物を入れてくれているはずだ。
 それでも、偏りがないかどうかの確認は行う。
 これらを総合的に判断し、左右それぞれの燃料の投棄量が決まる。
 空から航空燃料が降ってくることを懸念する声もあるが、揮発性が高いため、投棄した燃料は地上に落ちる前にすべて蒸発してしまう。
 しかし、燃料の投棄は環境汚染につながるので、なるべくは行いたくないものだ。
「東京コントロール、ソリスピエアライン2025、燃料の投棄完了。羽田空港ランウェイ34Rへの誘導を要求する」
『ソリスピエアライン2025、ラジャー』
 指示された方位等をCDUに入力する。
 これで、方位については間違いなく羽田空港に近づける。
 あとは高度だ。
 滑空状態の当機は、進めば進むほど高度を失っていく。
 では、高度を維持したほうが良いのかというと、そういうわけでもない。
 飛んでいる飛行機には空気抵抗がかかるため、どんどん速度は落ちていく。
 速度がゼロになってしまえば、そこで墜落だ。
 しかし、落下する物体には加速度がつく。
 それを使い、高度を下げることで速度を増していく。
 もっとも、高度がゼロになれば、やはり墜落となる。
 速度と高度、どちらも維持しながら空港までたどり着かないといけない。
 かなり高度が下がってきたが、その分、空港も近づいてきた。
 海や陸地への不時着という事態は避けることができそうだ。
 東京湾に海上保安庁の船舶が展開しているのが見える。
 きっと、この飛行機が海に不時着した場合に備えているのだろう。
 機体を海に落とすものか。
 必ず空港に|ランディング《着陸》してやる!
「ソリスピエアライン2025 エアポート |インサイト《視認》」
 着陸の許可と、東京アプローチとの連絡を取り合うための周波数の指示が来た。
『ソリスピエアライン2025 ラジャー |クリアード《許可》 フォー |ランウェイ《滑走路》 34R コンタクト 東京アプローチ |119《ワンワンナイナー》|.《デシマル》|1《ワン》』
「クリアード フォー ランウェイ 34R 119.1 ソリスピエアライン2025」
 ここからは東京アプローチと交信しながら着陸を行う。