燃料を投棄
ー/ー「クルー オキシゲン マスク オン」
「オキシゲン マスク オン」
俺たちは酸素マスクを装着する。
現状では与圧に問題ないが、急激に下がった場合、気を失ってしまっては操縦ができなくなる。
パイロット用のマスクにはインカムが入っているので、それが正常に動作するか相互確認を行う。
「マイクチェック、マイクチェック」
「ラウド アンド クリア」
「ラウド アンド クリア」
大丈夫だ。
さて、なんとか左エンジンを再始動しないと。
「フューエル コントロール スイッチ カットオフ ゼン ラン」
「カットオフ……ラン」
「……だめですね」
ビーーーーー
バッテリー切れの警報だ。
エンジンが止まったので発電ができない。
電気がなければ飛行機は何もできない。
「RAMエアタービン スイッチ プッシュ アンド ホールド 1s」
天井にあるRAMのボタンを1秒以上押してから手を離す。
機体の外に発電用の風車が出てくる。
これで少しは電力を稼げるはず。
しかし、コックピットは暗くなった。
非常用照明に切り替わったのだ。
まずいな……客室も暗くなっていることだろう。
アナウンスしなくては。
「操縦席よりご案内いたします。現在、当機の発電系統に異常が発生しております。皆様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、復旧まで今しばらくお待ちください」
飛行機には推進用のエンジンの他に、発電用のエンジンも搭載されている。
「APUセレクター スタート」
「APU スタート」
天井にあるAPUのつまみをスタートの方へひねってから戻す。
しばらくすると、コックピット内の照明が元に戻った。
APUが電力を供給してくれているようだ。
キャビンにアナウンスする。
「操縦席よりご案内いたします。ただいま、電力は復旧いたしましたが、節電のため、客室内のモニターは切らせていただきます。ご協力お願いします」
CAたちにも指示を出さなくては。
インターホンではなく、直々に話した方がいいだろう。
ピーン ポーン
副機長がチーフパーサーをコックピットに呼び出す。
ドアスコープと監視カメラで、ドア前の異常がないかを確認してから解錠する。
「どうだ、キャビンの様子は」
「はい。引き返しへの不満は出ていましたが、おおむね理解してくれているようです」
「苦労かけてすまない。ここから先、君たちCAには保安要員として頑張ってもらうことになる」
「はい」
「実は、両エンジンが故障してメーデーを発信した。羽田には緊急着陸を行う。乗客への指導と避難指示、よろしく頼む」
「はい!」
「パニックになるお客様もいると思われるので、気を引き締めて取り組んでくれ」
「はい! わかりました!」
さっそく、CAたちはミーティングを開始した。
俺は緊急着陸の準備をしないと。
今や当機は紙飛行機のようなもの。
ただただ、滑空しているだけの存在。
紙飛行機というか、鉄飛行機なのだが。
まずは燃料の投棄。
エンジンは使えないので、燃料を積んでいても重量が増すだけだ。
重いと制動距離が伸びてしまい、オーバーランの危険が増す。
また、着陸に失敗した際には爆発炎上の原因になる。
とは言っても、全量を投棄する訳にはいかない。
APUという電力を発生させるための補助エンジンのための燃料は必要だ。
その分は残しておかないと。
燃料タンクは翼と胴体にある。
基本的には胴体のタンクから優先的に使用している。
翼には燃料が入っていた方が都合が良い。
というのも、飛行機は離陸する際に強い揚力がかかるため、翼が上方向にしなってしまうのだ。
よって、燃料を入れて翼を重くすることで、翼が変形することを防いでいる。
航空燃料を空から捨てるなんてとんでもないとは思うが、乗客の命を最優先に考えれば致し方ない。
管制に指示を請う。
「東京コントロール。こちらソリスピエアライン2025。燃料を投棄したいので投棄可能な場所までの誘導を要請する」
『ソリスピエアライン2025。燃料投棄、了解』
管制から教えてもらった位置を機械に入力する。
「オキシゲン マスク オン」
俺たちは酸素マスクを装着する。
現状では与圧に問題ないが、急激に下がった場合、気を失ってしまっては操縦ができなくなる。
パイロット用のマスクにはインカムが入っているので、それが正常に動作するか相互確認を行う。
「マイクチェック、マイクチェック」
「ラウド アンド クリア」
「ラウド アンド クリア」
大丈夫だ。
さて、なんとか左エンジンを再始動しないと。
「フューエル コントロール スイッチ カットオフ ゼン ラン」
「カットオフ……ラン」
「……だめですね」
ビーーーーー
バッテリー切れの警報だ。
エンジンが止まったので発電ができない。
電気がなければ飛行機は何もできない。
「RAMエアタービン スイッチ プッシュ アンド ホールド 1s」
天井にあるRAMのボタンを1秒以上押してから手を離す。
機体の外に発電用の風車が出てくる。
これで少しは電力を稼げるはず。
しかし、コックピットは暗くなった。
非常用照明に切り替わったのだ。
まずいな……客室も暗くなっていることだろう。
アナウンスしなくては。
「操縦席よりご案内いたします。現在、当機の発電系統に異常が発生しております。皆様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、復旧まで今しばらくお待ちください」
飛行機には推進用のエンジンの他に、発電用のエンジンも搭載されている。
「APUセレクター スタート」
「APU スタート」
天井にあるAPUのつまみをスタートの方へひねってから戻す。
しばらくすると、コックピット内の照明が元に戻った。
APUが電力を供給してくれているようだ。
キャビンにアナウンスする。
「操縦席よりご案内いたします。ただいま、電力は復旧いたしましたが、節電のため、客室内のモニターは切らせていただきます。ご協力お願いします」
CAたちにも指示を出さなくては。
インターホンではなく、直々に話した方がいいだろう。
ピーン ポーン
副機長がチーフパーサーをコックピットに呼び出す。
ドアスコープと監視カメラで、ドア前の異常がないかを確認してから解錠する。
「どうだ、キャビンの様子は」
「はい。引き返しへの不満は出ていましたが、おおむね理解してくれているようです」
「苦労かけてすまない。ここから先、君たちCAには保安要員として頑張ってもらうことになる」
「はい」
「実は、両エンジンが故障してメーデーを発信した。羽田には緊急着陸を行う。乗客への指導と避難指示、よろしく頼む」
「はい!」
「パニックになるお客様もいると思われるので、気を引き締めて取り組んでくれ」
「はい! わかりました!」
さっそく、CAたちはミーティングを開始した。
俺は緊急着陸の準備をしないと。
今や当機は紙飛行機のようなもの。
ただただ、滑空しているだけの存在。
紙飛行機というか、鉄飛行機なのだが。
まずは燃料の投棄。
エンジンは使えないので、燃料を積んでいても重量が増すだけだ。
重いと制動距離が伸びてしまい、オーバーランの危険が増す。
また、着陸に失敗した際には爆発炎上の原因になる。
とは言っても、全量を投棄する訳にはいかない。
APUという電力を発生させるための補助エンジンのための燃料は必要だ。
その分は残しておかないと。
燃料タンクは翼と胴体にある。
基本的には胴体のタンクから優先的に使用している。
翼には燃料が入っていた方が都合が良い。
というのも、飛行機は離陸する際に強い揚力がかかるため、翼が上方向にしなってしまうのだ。
よって、燃料を入れて翼を重くすることで、翼が変形することを防いでいる。
航空燃料を空から捨てるなんてとんでもないとは思うが、乗客の命を最優先に考えれば致し方ない。
管制に指示を請う。
「東京コントロール。こちらソリスピエアライン2025。燃料を投棄したいので投棄可能な場所までの誘導を要請する」
『ソリスピエアライン2025。燃料投棄、了解』
管制から教えてもらった位置を機械に入力する。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
「|クルー《乗務員》 |オキシゲン《酸素》 マスク |オン《装着》」
「オキシゲン マスク オン」
俺たちは酸素マスクを装着する。
現状では与圧に問題ないが、急激に下がった場合、気を失ってしまっては操縦ができなくなる。
現状では与圧に問題ないが、急激に下がった場合、気を失ってしまっては操縦ができなくなる。
パイロット用のマスクにはインカムが入っているので、それが正常に動作するか相互確認を行う。
「マイクチェック、マイクチェック」
「ラウド アンド クリア」
「ラウド アンド クリア」
大丈夫だ。
さて、なんとか左エンジンを再始動しないと。
さて、なんとか左エンジンを再始動しないと。
「|フューエル《燃料》 コントロール スイッチ カットオフ |ゼン《その後》 |ラン《実行》」
「カットオフ……ラン」
「……だめですね」
ビーーーーー
バッテリー切れの警報だ。
エンジンが止まったので発電ができない。
電気がなければ飛行機は何もできない。
エンジンが止まったので発電ができない。
電気がなければ飛行機は何もできない。
「|RAMエアタービン《風力発電》 スイッチ プッシュ アンド ホールド 1s」
天井にあるRAMのボタンを1秒以上押してから手を離す。
機体の外に発電用の風車が出てくる。
これで少しは電力を稼げるはず。
これで少しは電力を稼げるはず。
しかし、コックピットは暗くなった。
非常用照明に切り替わったのだ。
非常用照明に切り替わったのだ。
まずいな……|客室《キャビン》も暗くなっていることだろう。
アナウンスしなくては。
アナウンスしなくては。
「操縦席よりご案内いたします。現在、当機の発電系統に異常が発生しております。皆様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、復旧まで今しばらくお待ちください」
飛行機には推進用のエンジンの他に、発電用の|エンジン《APU》も搭載されている。
「|APU《補助動力》セレクター スタート」
「APU スタート」
天井にあるAPUのつまみをスタートの方へひねってから戻す。
しばらくすると、コックピット内の照明が元に戻った。
APUが電力を供給してくれているようだ。
APUが電力を供給してくれているようだ。
キャビンにアナウンスする。
「操縦席よりご案内いたします。ただいま、電力は復旧いたしましたが、節電のため、客室内のモニターは切らせていただきます。ご協力お願いします」
CAたちにも指示を出さなくては。
インターホンではなく、直々に話した方がいいだろう。
インターホンではなく、直々に話した方がいいだろう。
ピーン ポーン
副機長がチーフパーサーをコックピットに呼び出す。
ドアスコープと監視カメラで、ドア前の異常がないかを確認してから解錠する。
ドアスコープと監視カメラで、ドア前の異常がないかを確認してから解錠する。
「どうだ、キャビンの様子は」
「はい。引き返しへの不満は出ていましたが、おおむね理解してくれているようです」
「苦労かけてすまない。ここから先、君たちCAには保安要員として頑張ってもらうことになる」
「はい」
「実は、両エンジンが故障してメーデーを発信した。羽田には緊急着陸を行う。乗客への指導と避難指示、よろしく頼む」
「はい!」
「パニックになるお客様もいると思われるので、気を引き締めて取り組んでくれ」
「はい! わかりました!」
さっそく、CAたちはミーティングを開始した。
俺は緊急着陸の準備をしないと。
今や当機は紙飛行機のようなもの。
ただただ、滑空しているだけの存在。
紙飛行機というか、鉄飛行機なのだが。
ただただ、滑空しているだけの存在。
紙飛行機というか、鉄飛行機なのだが。
まずは燃料の投棄。
エンジンは使えないので、燃料を積んでいても重量が増すだけだ。
重いと制動距離が伸びてしまい、オーバーランの危険が増す。
また、着陸に失敗した際には爆発炎上の原因になる。
とは言っても、全量を投棄する訳にはいかない。
APUという電力を発生させるための補助エンジンのための燃料は必要だ。
その分は残しておかないと。
エンジンは使えないので、燃料を積んでいても重量が増すだけだ。
重いと制動距離が伸びてしまい、オーバーランの危険が増す。
また、着陸に失敗した際には爆発炎上の原因になる。
とは言っても、全量を投棄する訳にはいかない。
APUという電力を発生させるための補助エンジンのための燃料は必要だ。
その分は残しておかないと。
燃料タンクは翼と胴体にある。
基本的には胴体のタンクから優先的に使用している。
翼には燃料が入っていた方が都合が良い。
というのも、飛行機は離陸する際に強い揚力がかかるため、翼が上方向にしなってしまうのだ。
よって、燃料を入れて翼を重くすることで、翼が変形することを防いでいる。
基本的には胴体のタンクから優先的に使用している。
翼には燃料が入っていた方が都合が良い。
というのも、飛行機は離陸する際に強い揚力がかかるため、翼が上方向にしなってしまうのだ。
よって、燃料を入れて翼を重くすることで、翼が変形することを防いでいる。
航空燃料を空から捨てるなんてとんでもないとは思うが、乗客の命を最優先に考えれば致し方ない。
管制に指示を請う。
管制に指示を請う。
「東京コントロール。こちらソリスピエアライン2025。燃料を投棄したいので投棄可能な場所までの誘導を要請する」
『ソリスピエアライン2025。燃料投棄、了解』
管制から教えてもらった位置を|機械《CDU》に入力する。