両エンジン、停止
ー/ー
管制から返信が入った。
『ソリスピエアライン2025 東京コントロール ライトエンジン フェイリアー ラジャー ヘディング200° ディセンド アンド メインテイン フライトレベル170』
「東京コントロール ヘディング200° FL170 ソリスピエアライン2025」
管制から指示された方位と高度を装置に入力する。
右エンジンの油温が下がってきた。
火災は免れた。
チーフパーサーに連絡する。
ピーン ポーン
「もしもし、機長だけど。右エンジン不調のため羽田空港に引き返す。大変だと思うけどキャビンの対応、よろしく頼む」
『羽田空港への引き返し、了解しました』
引き返しは乗客からの反発も大きい。
CAはその矢面に立ってしまう。
申し訳ないが、これも人命尊重のためだ。
俺は客室にアナウンスする。
「操縦席より皆様にご案内いたします。機長の神楽です。ただいま、エンジンの一つに不具合が発生しました。現状におきましては飛行に問題はありません。しかしながら、安全を第一に考え、当機は羽田空港に引き返すことに致しました。ご予定のあるところ大変申し訳ありませんが、ご理解をお願いします」
乗客の困惑した表情が目に浮かぶ。
きっと文句を言っている乗客もいるであろう。
心が痛い……
ビーーーーーー
また警報だ。
「アイ ハヴ コントロール」
「ユー ハヴ コントロール」
機内が静かになる。
エンジン音がまったく聞こえてこない。
左のエンジンも停止してしまった。
そんなことってあるのか……?!
これで当機はすべてのエンジン推力を失ってしまった。
聞こえてくる音は、風を切る音だけ。
「メーデー出してくれ」
「メーデー、ラジャー」
メーデーとは遭難信号。
いわゆる「SOS」のようなもの。
メーデーを発信すると、その地域では遭難機と救助側以外の通信は禁止となる。
副機長は周波数を121.5MHzにセットし、遭難信号を発信する。
「メーデー、メーデー、メーデー。こちらはソリスピエアライン2025、メーデー、ソリスピエアライン2025、全エンジン故障。緊急着陸を要請。乗員乗客345人、メーデー、ソリスピエアライン2025、全エンジン故障、メーデー、ソリスピエアライン2025」
『ソリスピエアライン2025 東京コントロール メーデー コピー ディセンド10000 コンティニュー プレゼント ヘディング』
「東京コントロール ダウン トゥ 10000 コンティニュー プレゼント ヘディング ソリスピエアライン2025」
「エンジン再始動、やってみるか」
「はい」
「スラストレバー アイドル」
「アイドル」
アイドルとはエンジンが推進に関係しない状態を指す。
「エンジンモード セレクター イグニッション」
「イグニッション」
このまま30秒待つ。
果たしてエンジンは再始動するのであろうか。
30秒が経過した。
左エンジンは沈黙したままだ。
「エンジンマスター オフ」
「エンジンマスター オフ」
さらに30秒待機し、再始動を試みる。
それでも、エンジンはかからなかった。
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管制から返信が入った。
『ソリスピエアライン2025 東京コントロール ライトエンジン |フェイリアー《故障》 ラジャー |ヘディング《方位》200° |ディセンド《降下》 アンド |メインテイン《維持》 |フライトレベル《高度》170』
「東京コントロール ヘディング200° FL170 ソリスピエアライン2025」
管制から指示された方位と高度を|装置《CDU》に入力する。
右エンジンの油温が下がってきた。
火災は免れた。
チーフパーサーに連絡する。
ピーン ポーン
「もしもし、機長だけど。右エンジン不調のため羽田空港に引き返す。大変だと思うけどキャビンの対応、よろしく頼む」
『羽田空港への引き返し、了解しました』
引き返しは乗客からの反発も大きい。
CAはその矢面に立ってしまう。
申し訳ないが、これも人命尊重のためだ。
俺は客室にアナウンスする。
「操縦席より皆様にご案内いたします。機長の|神楽《かぐら》です。ただいま、エンジンの一つに不具合が発生しました。現状におきましては飛行に問題はありません。しかしながら、安全を第一に考え、当機は羽田空港に引き返すことに致しました。ご予定のあるところ大変申し訳ありませんが、ご理解をお願いします」
乗客の困惑した表情が目に浮かぶ。
きっと文句を言っている乗客もいるであろう。
心が痛い……
ビーーーーーー
また警報だ。
「アイ ハヴ コントロール」
「ユー ハヴ コントロール」
機内が静かになる。
エンジン音がまったく聞こえてこない。
左のエンジンも停止してしまった。
そんなことってあるのか……?!
これで当機はすべてのエンジン推力を失ってしまった。
聞こえてくる音は、風を切る音だけ。
「メーデー出してくれ」
「メーデー、ラジャー」
メーデーとは遭難信号。
いわゆる「SOS」のようなもの。
メーデーを発信すると、その地域では遭難機と救助側以外の通信は禁止となる。
副機長は周波数を121.5MHzにセットし、|遭難信号《メーデー》を発信する。
「メーデー、メーデー、メーデー。こちらはソリスピエアライン2025、メーデー、ソリスピエアライン2025、全エンジン故障。緊急着陸を要請。乗員乗客345人、メーデー、ソリスピエアライン2025、全エンジン故障、メーデー、ソリスピエアライン2025」
『ソリスピエアライン2025 東京コントロール メーデー |コピー《了解》 |ディセンド《降下》10000 |コンティニュー《継続》 |プレゼント《現在》 |ヘディング《方位》』
「東京コントロール ダウン トゥ 10000 コンティニュー プレゼント ヘディング ソリスピエアライン2025」
「エンジン再始動、やってみるか」
「はい」
「スラストレバー アイドル」
「アイドル」
アイドルとはエンジンが推進に関係しない状態を指す。
「エンジンモード セレクター |イグニッション《点火》」
「イグニッション」
このまま30秒待つ。
果たしてエンジンは再始動するのであろうか。
30秒が経過した。
左エンジンは沈黙したままだ。
「エンジンマスター オフ」
「エンジンマスター オフ」
さらに30秒待機し、再始動を試みる。
それでも、エンジンはかからなかった。