空模様は絵の具をぶちまけたみたいに、夕焼けコントラストの雲が広がっていて、実に哀愁を煽るには十分なくらい。きっと目が痛かったと言い訳できる。
潮風の冷たさも、さざ波の音も、この気分を誤魔化すためにあるよう。
「ばかやろう……」
もっと大きな声で叫んだ方が様になっただろうか。思っていた以上に声が出なく、自分でも心の内がこうも沈んでいたことに驚いてしまった。
白く長いスカートを穿いてみたのも、ちょっとしたアピールのつもりではあった。結果としては、なんだか血まみれの如く、真っ赤に染まっているのが縁起悪い。
正解があったのかどうかは今となっては定かではない。
けど、幼なじみの言葉があれば、引き留められるかもと思ったのは自惚れか。
別に夢を潰そうとしたのが目的だったわけじゃない。スポーツ推薦通ったのだし、それでも一緒にいようよとワガママなのは分かっている。
こんなにも別れがあっさりだなんて、思ってもみなかった。
だって努力をそばで見てきたはずなのに、ずっとこれからも続くと思ってたのに、まるで切り捨てられたと感じてしまう。これも、自意識過剰って奴か。
卒業まで、どう過ごそう。いつも通りでいられるのかな。
早起きして弁当作って、差し入れして、頑張れよって。
「そうなんだね、応援してるよ。いつか、ニュースになっちゃってよね」
確か、こう言った。精一杯の激励で、アイツも笑顔で返してきた。
明日もまた、変わらない関係が続くといわんばかりに。
いや、考えるまでもなくそうなんだ。距離感が変わらないって思っているんだ。
だからこの気持ちも私だけのものでしかない。
向こうからしてみれば突き放してなどいない。それはただの言いがかりだ。
勝手にそう受け取っているだけで、はなはだ迷惑な話だ。
でも、胸の奥に切なくジンジンと残っているこの感情はどうしようもないもので、捨てることすらできやしない。いつまで抱えることになるのやら。
はっきり言い放ってしまえば、絶対枷になっていたことも分かりきっている。
さすがにそこまで嫌な女にはなりたくない。邪魔にならない程度の配慮。
だけど、こればっかりは否定しようもないほど、膨らんでしまっている。
目頭が熱くなって、頬にソレが伝って、いい加減嘘をつくなって。
隠しようもなく、抑えようもないね。