表示設定
表示設定
目次 目次




第16話 ダンジョン攻略とパーティーの成長 -2

ー/ー



 一行が通路を進んでいくと、広大な空間に出た。

 そこには、体高5メートルを超える巨大なゴーレムが、中心に埋め込まれた青く輝くクリスタルを守るように鎮座している。その周りには、ゴーレムのミニチュア版のような小型のゴーレムが、十体ほど群れをなしていた。

「くそっ、ゴーレムの群れか!」

 レオンが叫び、剣を抜く。しかし、小型ゴーレムの硬い装甲に阻まれ、なかなか傷をつけられない。

「な、なんて硬さだ…!」

「ルナ、全力でいけ!」

 カイが叫ぶ。ルナは、カイの言葉に応え、強力な火の魔法を放つ。しかし、小型ゴーレムは魔法を吸収し、その装甲をさらに硬くしていく。

「馬鹿…!なんで吸収するのよ!」

 ルナが悔しそうに叫ぶ。その隙に、別の小型ゴーレムがセレナに襲い掛かろうとする。

「きゃっ!」

 セレナが悲鳴を上げたその時、カイがセレナの前に立ち、小型ゴーレムの攻撃をリュックで受け止めた。

「大丈夫だよ、セレナ!」

「カイさん…!」

 セレナは、カイに庇われたことに驚き、同時に胸が熱くなる。その瞬間、彼女の聖なる力が、小型ゴーレムの装甲を浄化し、脆くしていく。

「すごい…!カイさんの隣にいると、私の力…こんなに…!」

 セレナは、自分の能力が向上していることに気づき、目を輝かせる。ルナもまた、カイの隣で自分の魔力が増幅されていることに気づいていた。

「なっ…私の魔力が、こんなに…!?」

 ルナが放つ炎の魔法は、これまでの倍以上の大きさになり、小型ゴーレムを次々と焼き払っていく。

「ふふん、勇者様の『絆』の力が、あなたたちの魔力を増幅させているわ」

 システィナがそう言って、魔道具を取り出した。魔道具には、ルナとセレナのレベルが表示されている。

「あらあら、たった一回の戦闘で、もうレベルが上がっているわ。勇者様、あなたも成長しているようね」

 システィナはそう言って、カイに視線を向ける。

「俺は、みんなが頑張ってくれたおかげだよ!」

 カイはそう言いながら、目の前のゴーレム・キングに目を向けた。そのクリスタルが、パーティーの力を吸収していることに気づいたのだ。

「レオンさん!ゴーレムの注意は僕たちが引きつけるから、あのクリスタルを狙って!」

「承知した!」

 レオンは、カイの指示に、迷わずゴーレム・キングに斬りかかる。ルナは強力な魔法で、セレナは浄化魔法でゴーレムを攻撃し、カイはリュックから携帯用コンロを取り出し、ゴーレムの足元に火をつける。

「ゴーレムの弱点は熱だよ!」

 カイの言葉を受けて、ルナがさらに強力な火の魔法を放つ。ゴーレムの硬い装甲が溶けていき、レオンの剣がクリスタルを打ち砕いた。ゴーレム・キングは、断末魔の叫びを上げ、崩れ落ちていった。

「やったー!みんな、すごいよ!」

 カイは、両手を上げて喜んだ。その無邪気な笑顔に、ルナとセレナは、満面の笑みを浮かべる。

「ふふん、これで分かったでしょう?勇者様の『絆』こそが、最強の武器なのよ」

 システィナはそう言って、満足そうに微笑むのだった。







 ◇◆◇◆◇

 ダンジョン攻略を終え、一行はダンジョン近くの野営地で一夜を過ごすことになった。

 焚き火を囲み、レオンとシスティナが祝杯を挙げる中、カイは手の中のクリスタルを不思議そうに眺めていた。ルナとセレナは、そんなカイの隣に寄り添うように座っている。

「なあ、システィナさん。このクリスタル、何だろう?」

 カイは、手の中のクリスタルをシスティナに見せながら尋ねた。システィナは、カイの手の中にあるクリスタルを見て、にやりと笑みを浮かべる。

「ふふん、それは『絆のクリスタル』よ。持ち主の絆が深まるほど、その輝きを増していくわ」

「へー、すごいな!」

 カイは無邪気にそう言って、クリスタルをポケットにしまった。

 ルナは、そんなカイの隣でそっと言った。

「……ふん、別に、あんたのおかげってわけじゃないんだからね。ただ、たまたま、あんたがいたから、ちょっとだけ力が、出ただけなんだから」

 ぶっきらぼうな言い方だったが、その言葉には隠しきれない優しさが滲んでいた。セレナは、そんなルナの様子を微笑ましく見つめながら、カイに視線を向けた。

「本当に、カイさんがいてくださって良かったですわ。私、一人だったら、きっと心が折れていました」

 心からの感謝を伝えるセレナ。その言葉は、異世界人であるカイの「絆」という価値観が、パーティーを一つにしたことを証明していた。

 カイは、そんな二人の言葉に、満面の笑顔で返す。

「俺もだよ。一人で魔王を倒すとか無理だし、みんなと一緒だから頑張れるんだ」

 レオンとシスティナは、そんな三人のやり取りを少し離れた場所から見ていた。

「あらあら、たった一度のダンジョン攻略で、こんなに仲良くなるなんて。やはり、冒険は人を結びつけるものね」

 システィナが満足げに呟くと、レオンは少しだけ羨ましそうに微笑んだ。

「やれやれ……。それにしても、あの子たちの成長は驚くほど早いな」

 レオンがそう言うと、システィナが魔道具を取り出して三人のレベルを確認する。

「あらあら、あっという間にレベル10くらいになっているわ。このままいけば、私たちも必要なくなるかもしれないわね」

 そう言って、システィナは楽しそうに笑う。

 この勝利を機に、カイ、ルナ、セレナの絆はさらに深まり、彼らの旅は新たな局面を迎えるのだった。




スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 第17話 勝利の宴と馴れ初め話 -1


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



 一行が通路を進んでいくと、広大な空間に出た。
 そこには、体高5メートルを超える巨大なゴーレムが、中心に埋め込まれた青く輝くクリスタルを守るように鎮座している。その周りには、ゴーレムのミニチュア版のような小型のゴーレムが、十体ほど群れをなしていた。
「くそっ、ゴーレムの群れか!」
 レオンが叫び、剣を抜く。しかし、小型ゴーレムの硬い装甲に阻まれ、なかなか傷をつけられない。
「な、なんて硬さだ…!」
「ルナ、全力でいけ!」
 カイが叫ぶ。ルナは、カイの言葉に応え、強力な火の魔法を放つ。しかし、小型ゴーレムは魔法を吸収し、その装甲をさらに硬くしていく。
「馬鹿…!なんで吸収するのよ!」
 ルナが悔しそうに叫ぶ。その隙に、別の小型ゴーレムがセレナに襲い掛かろうとする。
「きゃっ!」
 セレナが悲鳴を上げたその時、カイがセレナの前に立ち、小型ゴーレムの攻撃をリュックで受け止めた。
「大丈夫だよ、セレナ!」
「カイさん…!」
 セレナは、カイに庇われたことに驚き、同時に胸が熱くなる。その瞬間、彼女の聖なる力が、小型ゴーレムの装甲を浄化し、脆くしていく。
「すごい…!カイさんの隣にいると、私の力…こんなに…!」
 セレナは、自分の能力が向上していることに気づき、目を輝かせる。ルナもまた、カイの隣で自分の魔力が増幅されていることに気づいていた。
「なっ…私の魔力が、こんなに…!?」
 ルナが放つ炎の魔法は、これまでの倍以上の大きさになり、小型ゴーレムを次々と焼き払っていく。
「ふふん、勇者様の『絆』の力が、あなたたちの魔力を増幅させているわ」
 システィナがそう言って、魔道具を取り出した。魔道具には、ルナとセレナのレベルが表示されている。
「あらあら、たった一回の戦闘で、もうレベルが上がっているわ。勇者様、あなたも成長しているようね」
 システィナはそう言って、カイに視線を向ける。
「俺は、みんなが頑張ってくれたおかげだよ!」
 カイはそう言いながら、目の前のゴーレム・キングに目を向けた。そのクリスタルが、パーティーの力を吸収していることに気づいたのだ。
「レオンさん!ゴーレムの注意は僕たちが引きつけるから、あのクリスタルを狙って!」
「承知した!」
 レオンは、カイの指示に、迷わずゴーレム・キングに斬りかかる。ルナは強力な魔法で、セレナは浄化魔法でゴーレムを攻撃し、カイはリュックから携帯用コンロを取り出し、ゴーレムの足元に火をつける。
「ゴーレムの弱点は熱だよ!」
 カイの言葉を受けて、ルナがさらに強力な火の魔法を放つ。ゴーレムの硬い装甲が溶けていき、レオンの剣がクリスタルを打ち砕いた。ゴーレム・キングは、断末魔の叫びを上げ、崩れ落ちていった。
「やったー!みんな、すごいよ!」
 カイは、両手を上げて喜んだ。その無邪気な笑顔に、ルナとセレナは、満面の笑みを浮かべる。
「ふふん、これで分かったでしょう?勇者様の『絆』こそが、最強の武器なのよ」
 システィナはそう言って、満足そうに微笑むのだった。
 ◇◆◇◆◇
 ダンジョン攻略を終え、一行はダンジョン近くの野営地で一夜を過ごすことになった。
 焚き火を囲み、レオンとシスティナが祝杯を挙げる中、カイは手の中のクリスタルを不思議そうに眺めていた。ルナとセレナは、そんなカイの隣に寄り添うように座っている。
「なあ、システィナさん。このクリスタル、何だろう?」
 カイは、手の中のクリスタルをシスティナに見せながら尋ねた。システィナは、カイの手の中にあるクリスタルを見て、にやりと笑みを浮かべる。
「ふふん、それは『絆のクリスタル』よ。持ち主の絆が深まるほど、その輝きを増していくわ」
「へー、すごいな!」
 カイは無邪気にそう言って、クリスタルをポケットにしまった。
 ルナは、そんなカイの隣でそっと言った。
「……ふん、別に、あんたのおかげってわけじゃないんだからね。ただ、たまたま、あんたがいたから、ちょっとだけ力が、出ただけなんだから」
 ぶっきらぼうな言い方だったが、その言葉には隠しきれない優しさが滲んでいた。セレナは、そんなルナの様子を微笑ましく見つめながら、カイに視線を向けた。
「本当に、カイさんがいてくださって良かったですわ。私、一人だったら、きっと心が折れていました」
 心からの感謝を伝えるセレナ。その言葉は、異世界人であるカイの「絆」という価値観が、パーティーを一つにしたことを証明していた。
 カイは、そんな二人の言葉に、満面の笑顔で返す。
「俺もだよ。一人で魔王を倒すとか無理だし、みんなと一緒だから頑張れるんだ」
 レオンとシスティナは、そんな三人のやり取りを少し離れた場所から見ていた。
「あらあら、たった一度のダンジョン攻略で、こんなに仲良くなるなんて。やはり、冒険は人を結びつけるものね」
 システィナが満足げに呟くと、レオンは少しだけ羨ましそうに微笑んだ。
「やれやれ……。それにしても、あの子たちの成長は驚くほど早いな」
 レオンがそう言うと、システィナが魔道具を取り出して三人のレベルを確認する。
「あらあら、あっという間にレベル10くらいになっているわ。このままいけば、私たちも必要なくなるかもしれないわね」
 そう言って、システィナは楽しそうに笑う。
 この勝利を機に、カイ、ルナ、セレナの絆はさらに深まり、彼らの旅は新たな局面を迎えるのだった。