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第15話 ダンジョン攻略とパーティーの成長 -1

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 一行は、街の宿屋で朝食をとっていた。システィナが懐から財布を取り出すと、中には金貨がわずか数枚しかない。

「おやおや。レオン、路銀が心もとないわね」

 システィナが意地悪な笑みを浮かべて言うと、レオンはげんなりとした表情で答える。

「君が昨夜、豪勢な食事を奢ったからだろう!」

「あら、私じゃないわ。レオンが『勇者様たちのために』と男気を見せてくれたのでしょう?」

 罵り合う二人を見て、カイが困ったように声をかけた。

「じゃあ、俺がギルドで日雇いの仕事を探してこようか?」

「あら、勇者様。そんな退屈なことをさせてなるものですか。もっと効率よく稼げる場所があるわ。ここよ」

 システィナはそう言って、街の東にある、不気味な雰囲気を放つ古代遺跡を指さした。

「うわ、すごい!これ、どう見てもゲームの『古代遺跡』ステージじゃん!ワクワクしてきた!」

 カイは、ダンジョンという言葉に目を輝かせ、無邪気に駆け出そうとする。ルナとセレナは、そんなカイを慌てて追いかけた。

「ねぇねぇ、見た?レオン。勇者様、あんなに『冒険なんて…』と言っていたのに、たった数日で立派な冒険者になったわね」

 システィナは、嬉しそうにレオンに話しかける。

「やれやれ、本当に驚きだ。君の悪巧みも、まんざらではないようだな」

 レオンは呆れたようにそう答えるが、その口元はわずかに緩んでいた。

 ダンジョン内は、薄暗く、じめじめとした空気が漂っている。迷路のように入り組んだ通路を進んでいくと、ルナが警戒するように周囲を見渡した。

「カイ、何をはしゃいでいる。ここは危険な場所だ」

「大丈夫だって、ルナ。ん? このダンジョンの構造、ちょっとおかしいな…」

 カイはそう呟き、壁に触れたり、床の模様をじっと見つめたりしている。彼の異様な行動に、セレナが眉をひそめて尋ねた。

「おかしい、とは?」

「うん。この通路、物理の法則に反してる。ここを進むと、きっと天井が崩れてくるぞ!」

 カイはそう言って、通路の奥を指さす。システィナは、そんなカイの姿を興味深そうに観察していた。

「はっは〜ん、面白いわね。勇者様の『科学』という名の魔法かしら?」

「これは『科学』だよ。この罠はプログラミングのバグみたいだ。このレバーは押さない方がいい」

 カイは、まるでゲームの攻略法を語るかのように、次々と謎を解き明かしていく。ルナとセレナは、そんなカイの言葉を信じることができなかったが、彼の行動を信じることにした。

 聖女の葛藤と解放

 ダンジョン内を進んでいくと、一行は古代の文献が並んだ図書館にたどり着いた。ここを突破するには、文献を読み解かなければならない謎がある。セレナは、聖女としての知識を活かそうと、古びた書物を手に取った。

 しかし、聖女としての完璧な自分を演じようとするあまり、心が弱っている彼女は、なかなか文献を読み解くことができない。額に脂汗を浮かべ、焦りの表情を浮かべていた。

「どうしましょう…聖女としての知識が、こんなにも役に立たないなんて…」

 セレナは肩を落とし、悔しそうに唇を噛み締める。その様子に、カイがそっと彼女の隣に並んだ。

「大丈夫だよ、セレナ。俺の知ってるゲームで、こういう謎解きがあったんだ。本棚の並び方が少しおかしいな…」

「並び方…?」

 セレナが呟いたその言葉に、カイはハッと顔を上げた。

「もしかして!セレナ、この文献のタイトルって、何か関連性がある?」

 カイの言葉に、セレナは再び文献に目を落とす。

「ええ…この文献は、『愛の歴史』『勇気の証』『叡智の光』……そして『絆の力』……」

「そうだ!きっとそうだよ!俺たちのパーティーの成り立ちに似てる!セレナ、もう一度見てみて。この順番に並んでいるんじゃないか?」

 カイのヒントに、セレナは再び文献を手に取った。すると、驚いたことに、彼の言う通り、本棚の文献はバラバラだった。

「…本当ですわ。この本棚の並び、私たちが旅に出た順番と、カイさんが教えてくれたことの順番と、同じですわ」

 セレナは、カイの言葉をヒントに、文献を正しい順番に並べ替えていく。すると、本棚の後ろの壁が音を立てて開き、奥へと続く通路が現れた。

「すごい…!カイさんの言う通り…!」

 セレナは目を丸くして、驚きを隠せない。聖女としての知識が役に立たなかったと落ち込んでいた彼女にとって、カイとの共同作業で謎を解けたことは、何よりも大きな喜びだった。

「カイさん…!ありがとうございます…!」

 セレナは、心からの感謝を伝え、満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、聖女としての完璧なものではなく、一人の少女としての純粋なものだった。そして、彼女のカイへの想いは、さらに深いものへと変わっていった。

 離れた場所から二人の様子を見ていたシスティナは、意味深な笑みを浮かべた。

「あらあら、勇者様は他人の心を解き放つ魔法だけでなく、謎を解く魔法まで使えるのかしら?」

 システィナは、カイの無自覚な能力に、さらなる興味を抱くのだった。







みんなのリアクション

 一行は、街の宿屋で朝食をとっていた。システィナが懐から財布を取り出すと、中には金貨がわずか数枚しかない。
「おやおや。レオン、路銀が心もとないわね」
 システィナが意地悪な笑みを浮かべて言うと、レオンはげんなりとした表情で答える。
「君が昨夜、豪勢な食事を奢ったからだろう!」
「あら、私じゃないわ。レオンが『勇者様たちのために』と男気を見せてくれたのでしょう?」
 罵り合う二人を見て、カイが困ったように声をかけた。
「じゃあ、俺がギルドで日雇いの仕事を探してこようか?」
「あら、勇者様。そんな退屈なことをさせてなるものですか。もっと効率よく稼げる場所があるわ。ここよ」
 システィナはそう言って、街の東にある、不気味な雰囲気を放つ古代遺跡を指さした。
「うわ、すごい!これ、どう見てもゲームの『古代遺跡』ステージじゃん!ワクワクしてきた!」
 カイは、ダンジョンという言葉に目を輝かせ、無邪気に駆け出そうとする。ルナとセレナは、そんなカイを慌てて追いかけた。
「ねぇねぇ、見た?レオン。勇者様、あんなに『冒険なんて…』と言っていたのに、たった数日で立派な冒険者になったわね」
 システィナは、嬉しそうにレオンに話しかける。
「やれやれ、本当に驚きだ。君の悪巧みも、まんざらではないようだな」
 レオンは呆れたようにそう答えるが、その口元はわずかに緩んでいた。
 ダンジョン内は、薄暗く、じめじめとした空気が漂っている。迷路のように入り組んだ通路を進んでいくと、ルナが警戒するように周囲を見渡した。
「カイ、何をはしゃいでいる。ここは危険な場所だ」
「大丈夫だって、ルナ。ん? このダンジョンの構造、ちょっとおかしいな…」
 カイはそう呟き、壁に触れたり、床の模様をじっと見つめたりしている。彼の異様な行動に、セレナが眉をひそめて尋ねた。
「おかしい、とは?」
「うん。この通路、物理の法則に反してる。ここを進むと、きっと天井が崩れてくるぞ!」
 カイはそう言って、通路の奥を指さす。システィナは、そんなカイの姿を興味深そうに観察していた。
「はっは〜ん、面白いわね。勇者様の『科学』という名の魔法かしら?」
「これは『科学』だよ。この罠はプログラミングのバグみたいだ。このレバーは押さない方がいい」
 カイは、まるでゲームの攻略法を語るかのように、次々と謎を解き明かしていく。ルナとセレナは、そんなカイの言葉を信じることができなかったが、彼の行動を信じることにした。
 聖女の葛藤と解放
 ダンジョン内を進んでいくと、一行は古代の文献が並んだ図書館にたどり着いた。ここを突破するには、文献を読み解かなければならない謎がある。セレナは、聖女としての知識を活かそうと、古びた書物を手に取った。
 しかし、聖女としての完璧な自分を演じようとするあまり、心が弱っている彼女は、なかなか文献を読み解くことができない。額に脂汗を浮かべ、焦りの表情を浮かべていた。
「どうしましょう…聖女としての知識が、こんなにも役に立たないなんて…」
 セレナは肩を落とし、悔しそうに唇を噛み締める。その様子に、カイがそっと彼女の隣に並んだ。
「大丈夫だよ、セレナ。俺の知ってるゲームで、こういう謎解きがあったんだ。本棚の並び方が少しおかしいな…」
「並び方…?」
 セレナが呟いたその言葉に、カイはハッと顔を上げた。
「もしかして!セレナ、この文献のタイトルって、何か関連性がある?」
 カイの言葉に、セレナは再び文献に目を落とす。
「ええ…この文献は、『愛の歴史』『勇気の証』『叡智の光』……そして『絆の力』……」
「そうだ!きっとそうだよ!俺たちのパーティーの成り立ちに似てる!セレナ、もう一度見てみて。この順番に並んでいるんじゃないか?」
 カイのヒントに、セレナは再び文献を手に取った。すると、驚いたことに、彼の言う通り、本棚の文献はバラバラだった。
「…本当ですわ。この本棚の並び、私たちが旅に出た順番と、カイさんが教えてくれたことの順番と、同じですわ」
 セレナは、カイの言葉をヒントに、文献を正しい順番に並べ替えていく。すると、本棚の後ろの壁が音を立てて開き、奥へと続く通路が現れた。
「すごい…!カイさんの言う通り…!」
 セレナは目を丸くして、驚きを隠せない。聖女としての知識が役に立たなかったと落ち込んでいた彼女にとって、カイとの共同作業で謎を解けたことは、何よりも大きな喜びだった。
「カイさん…!ありがとうございます…!」
 セレナは、心からの感謝を伝え、満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、聖女としての完璧なものではなく、一人の少女としての純粋なものだった。そして、彼女のカイへの想いは、さらに深いものへと変わっていった。
 離れた場所から二人の様子を見ていたシスティナは、意味深な笑みを浮かべた。
「あらあら、勇者様は他人の心を解き放つ魔法だけでなく、謎を解く魔法まで使えるのかしら?」
 システィナは、カイの無自覚な能力に、さらなる興味を抱くのだった。