前に見えるのは、今度は何だ?
中学生くらいの少女が、買ったばかりと思われる漫画を読みながら本屋から出てきた。
その漫画とは、何と……まさに俗に言われる、エロ少女漫画ではないか!
あのあどけない少女……無垢な顔をして、何たるものを手に持っているのだ。
あの漫画こそ、今この時代において、『さとり世代』の女子小中高生の性が乱れている根本原因なのだ。
漫画に掲載されている壁ドン、顎クイ……その他もろもろのハレンチな行為を小中高生が真似して、不純異性交友の源泉となっている。
何と、オゾマシキ……!
これぞまさに、最大の社会悪だ。是が非でも、更生しなくては……!
俺は満を持して、彼女に近付いた。
「ひっ……!」
彼女は俺を一目見るなり、引きつった顔をしてへたり込んだ。
そりゃあ、そうだ。この少女は、最大の社会悪をその手に抱えているのだから。
そのやましさのあまり、この俺……聖なる『裸の王様』には顔を向けられまい。
だがしかし……
「現実から目を背けるなぁ!」
「ひぃっ……」
「おまいは、最大の社会悪『エロ少女漫画』をその手に持っていることを自覚せねばならんのだ! いい加減にしろぉ!!」
俺が喝を飛ばすと、少女の目から涙が溢れ出た。