家を出た俺の進行方向……前にあるのは、何だ? ギラギラと輝く太陽の光を浴びて黒光りするアスファルトにはみ出ている鉢植えが、俺の心を苛立たせた。
全く、腐れ果てている。王道に花を出して、この俺の進行を妨げるとは!
俺は声を張り上げた。
「王道に花を出すのは、どこの花屋だ!」
しかし……
「ワォォォオン! ワン、ワン、ワン!」
思わず跳ね上がった。
花屋から出てきたのは、ただ一匹……鎖に繋がれた犬だった。
フン……奴さんども、俺に怖気づいて逃げ出したか。そして、犬を自分達の身代わりにしたのだな。
何とまぁ、肝っ玉の小さい小さい、臆病な奴らだ。
え、何……跳ね上がっていたのは俺だって? 何を言うか、このすっとこどっこいが!
俺は『裸の王様』として聖なる踊りを腐れ若者どもに伝承するのだ。今した跳躍は、そのための準備運動に過ぎん。
さぁ……再度、始めるぞ!
「ちょうや~く!」
俺は準備運動の掛け声を上げた。
「いっち、に、さん、しっ!」
「キャイン……! ワワワワ、ワン、ワン、ワンッ……!」
『ブチッ!』
跳躍するにつれて上下にブラブラと揺れる俺のソーセージを見た犬は悲鳴にも似た声を上げ、鎖を断ち切って俺に飛びかかってきた。俺はそれでも、踊る、踊る。踊り続ける……!