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第七話 噂の廃墟

ー/ー



数日後、ジョージとアーサーはその噂の廃墟まで徒歩で向かっていた。
 アーサーの仕事が予想以上に立て込んでいたので、いざ廃墟に向かおうとしたとき、既に日が落ちそうだった。
 その廃墟に向かう途中で、赤茶色の煉瓦で造られた石造りの家々の前を通り過ぎた。どの家も似たような造りで、たくさんの使用人が雇われていそうな様子だった。
(……足が痛くなってきた)
 普段、そんなに歩くことがなかったので、ジョージの足は悲鳴をあげていた。一方でアーサーはズンズンと前に進んでいく。
 ジョージはそんなアーサーについていくので精一杯だった。
 あるところまで歩くと、アーサーはぴたりと足を止めた。
「着いたぞ」
 ジョージは目を丸くした。
(思っていたのと…違う)
 その廃墟はつい最近まで誰かが生活をしていたような雰囲気があった。家の周りに張り巡らされた柵はたいそう立派で、中庭には園芸用品やら子どもの遊び道具やらが転がっていた。
 ただ、家の壁面が緑の植物でびっしりと覆われていたので、どんな外観をしているのかジョージたちにはさっぱり分からなかった。
(周りの家と同様に、赤煉瓦のでできているのだろうか……)
 ジョージが食い入るように家の様子を観察していると、アーサーは門の扉を開けた。
「入れるみたいだ」
 行くぞ、とアーサーは目くばせした。
ジョージとアーサーは中に入ると、さっそくある奇妙な場所を見つけた。
「これは……」
「あぁ、おそらく、盗賊たちはここから入っていったんだろうな」
 地面からそう遠くない場所に設置された、人ひとりがギリギリ入れるくらいの窓が開いていたのだった。
 この窓周辺の蔦だけが乱暴にむしり取られていて、家にぽっかりと黒い穴が開いているように見えた。
 アーサーはその窓に近づくと、長い脚をあげてその窓の中へと入ろうとした。
「ア、アーサー」
「ん? どうした、入らないのか?」
「まさかそこから入るつもりなのかい?」
「もちろんだ。家の周りを探ってみたが、入り口はここしかない」
 ジョージはアーサーが入ろうとしているその窓をもう一度見た。家全体が謎の植物で覆われているせいで、家のなかが全く見えない。
(まるで、洞窟の入り口だ……)
 ジョージは身震いした。
「行かないのか?」
 アーサーは脚を引っ込める。
「いや! 行こう!!」
 それを聞いたアーサーは軽く頷くと、ジョージが用意した燭台を窓枠の端に置き、ひょいと入っていた。そしてさっと明かりをつけると、来いよとばかりに目配せした。真っ暗闇の中、アーサーの姿がぼんやりと浮かんでいる。
 ジョージは窓枠に足をかけてグッと力を込め、廃墟の中へと入っていった。


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数日後、ジョージとアーサーはその噂の廃墟まで徒歩で向かっていた。
 アーサーの仕事が予想以上に立て込んでいたので、いざ廃墟に向かおうとしたとき、既に日が落ちそうだった。
 その廃墟に向かう途中で、赤茶色の煉瓦で造られた石造りの家々の前を通り過ぎた。どの家も似たような造りで、たくさんの使用人が雇われていそうな様子だった。
(……足が痛くなってきた)
 普段、そんなに歩くことがなかったので、ジョージの足は悲鳴をあげていた。一方でアーサーはズンズンと前に進んでいく。
 ジョージはそんなアーサーについていくので精一杯だった。
 あるところまで歩くと、アーサーはぴたりと足を止めた。
「着いたぞ」
 ジョージは目を丸くした。
(思っていたのと…違う)
 その廃墟はつい最近まで誰かが生活をしていたような雰囲気があった。家の周りに張り巡らされた柵はたいそう立派で、中庭には園芸用品やら子どもの遊び道具やらが転がっていた。
 ただ、家の壁面が緑の植物でびっしりと覆われていたので、どんな外観をしているのかジョージたちにはさっぱり分からなかった。
(周りの家と同様に、赤煉瓦のでできているのだろうか……)
 ジョージが食い入るように家の様子を観察していると、アーサーは門の扉を開けた。
「入れるみたいだ」
 行くぞ、とアーサーは目くばせした。
ジョージとアーサーは中に入ると、さっそくある奇妙な場所を見つけた。
「これは……」
「あぁ、おそらく、盗賊たちはここから入っていったんだろうな」
 地面からそう遠くない場所に設置された、人ひとりがギリギリ入れるくらいの窓が開いていたのだった。
 この窓周辺の蔦だけが乱暴にむしり取られていて、家にぽっかりと黒い穴が開いているように見えた。
 アーサーはその窓に近づくと、長い脚をあげてその窓の中へと入ろうとした。
「ア、アーサー」
「ん? どうした、入らないのか?」
「まさかそこから入るつもりなのかい?」
「もちろんだ。家の周りを探ってみたが、入り口はここしかない」
 ジョージはアーサーが入ろうとしているその窓をもう一度見た。家全体が謎の植物で覆われているせいで、家のなかが全く見えない。
(まるで、洞窟の入り口だ……)
 ジョージは身震いした。
「行かないのか?」
 アーサーは脚を引っ込める。
「いや! 行こう!!」
 それを聞いたアーサーは軽く頷くと、ジョージが用意した燭台を窓枠の端に置き、ひょいと入っていた。そしてさっと明かりをつけると、来いよとばかりに目配せした。真っ暗闇の中、アーサーの姿がぼんやりと浮かんでいる。
 ジョージは窓枠に足をかけてグッと力を込め、廃墟の中へと入っていった。