3
ー/ーあの女……つまり放課後に蟹坂ナオからもらったお手製写真集を前に俺はずっと頭を抱えていた。もちろん家の中で。
コタローはここ数日家にいない。またケンカとかじゃないんだけど、この前パンダを探りにこっそり俺だけ家を出て、んでもってジンをダメにしちゃった翌日かな、あいつすっげ笑いを噛み殺してたんだ。ホントなら腹筋崩壊するほど笑い転げてたっぽい。そんだけジンをノックアウトさせたことがツボだったみたい。
「ちょっとジンとも話をしなければね」ってあいつは帰ってこなかった。
命の危機? そんなことは考えてないよ。だったらジン経由で飼い主のおばさんから速攻で俺のとこに連絡来るはずだし。
そう。頼りのないのは良い知らせ……だっけ? イマイチ分かんないけど、つまりはあいつもまた旅に行っちゃったのかな、なんてのんびりと考えてて、そしたら蟹坂が突然現れて。
どーすりゃいいんだよこれ?
自慢じゃねーけどバレンタインデーに義理チョコすらもらったことがない。つーか学校じゃその手の食べるものとか受け渡し禁止だから細かいことはよく分からねーけど。
「……遠回しに俺に告白?」つい自分でつぶやいてブフッと吹き出しちゃった。
そう、俺はワーウルフ経由でオオカミに興味を持っただけ。んでもってあいつは純粋な野生のイヌ科マニア……で、いいんだよね?
ちょっとだけ震える手で、表紙をめくると。
……いきなりQRコードが貼ってあって、学校のタブレットで見ろってすっげキレイな字が書いてあった。うわこれあいつの書き文字!? いやそーじゃなくてカメラで撮って、えっと……
「これ、私のパパが撮ったんだ」
唐突に彼女のトークが聞こえて思わずビックリした。
「パパはいわゆるネイチャーフォトグラファーって職業で、1年の9割は外国で写真撮りまくってる。雑誌との契約だったかな? カナダとかの寒いとこで野生動物撮影しててね。私もいつかパパみたいになりたいなって思ってるうちに、野生のイヌ科、つまりオオカミとかキツネとかハイエナに惹かれるようになってきちゃって」
え、ハイエナって野生のイヌ科だったのか。むしろそっちの方で俺は驚いてた。
グダグダ話すのも苦手だってんで、あいつは自分のお気に入りのオオカミの写真をいっぱい貼り付けた本をプレゼントしてくれたんだって。俺もオオカミ好きだということに共感したっていうんで。
気に入らなかったら捨ててもいいよとはビデオメッセージで言ってたけど……そんなもったいないことできるかよ。俺だってこの写真ずーっと見てて、その。
なんか、写真の向こうから鋭い目でこっちを見てるオオカミたちに、不思議と親近感が湧いてきちゃって。
いつかジンにも見せてあげよっかな。なんて俺も1人でムフフと笑っちゃってた。
それにしても……コタローが帰って来ない。アイツどこ行っちゃったんだろ? 出かける際はメモなり残しとけって言っといたのに。
コタローはここ数日家にいない。またケンカとかじゃないんだけど、この前パンダを探りにこっそり俺だけ家を出て、んでもってジンをダメにしちゃった翌日かな、あいつすっげ笑いを噛み殺してたんだ。ホントなら腹筋崩壊するほど笑い転げてたっぽい。そんだけジンをノックアウトさせたことがツボだったみたい。
「ちょっとジンとも話をしなければね」ってあいつは帰ってこなかった。
命の危機? そんなことは考えてないよ。だったらジン経由で飼い主のおばさんから速攻で俺のとこに連絡来るはずだし。
そう。頼りのないのは良い知らせ……だっけ? イマイチ分かんないけど、つまりはあいつもまた旅に行っちゃったのかな、なんてのんびりと考えてて、そしたら蟹坂が突然現れて。
どーすりゃいいんだよこれ?
自慢じゃねーけどバレンタインデーに義理チョコすらもらったことがない。つーか学校じゃその手の食べるものとか受け渡し禁止だから細かいことはよく分からねーけど。
「……遠回しに俺に告白?」つい自分でつぶやいてブフッと吹き出しちゃった。
そう、俺はワーウルフ経由でオオカミに興味を持っただけ。んでもってあいつは純粋な野生のイヌ科マニア……で、いいんだよね?
ちょっとだけ震える手で、表紙をめくると。
……いきなりQRコードが貼ってあって、学校のタブレットで見ろってすっげキレイな字が書いてあった。うわこれあいつの書き文字!? いやそーじゃなくてカメラで撮って、えっと……
「これ、私のパパが撮ったんだ」
唐突に彼女のトークが聞こえて思わずビックリした。
「パパはいわゆるネイチャーフォトグラファーって職業で、1年の9割は外国で写真撮りまくってる。雑誌との契約だったかな? カナダとかの寒いとこで野生動物撮影しててね。私もいつかパパみたいになりたいなって思ってるうちに、野生のイヌ科、つまりオオカミとかキツネとかハイエナに惹かれるようになってきちゃって」
え、ハイエナって野生のイヌ科だったのか。むしろそっちの方で俺は驚いてた。
グダグダ話すのも苦手だってんで、あいつは自分のお気に入りのオオカミの写真をいっぱい貼り付けた本をプレゼントしてくれたんだって。俺もオオカミ好きだということに共感したっていうんで。
気に入らなかったら捨ててもいいよとはビデオメッセージで言ってたけど……そんなもったいないことできるかよ。俺だってこの写真ずーっと見てて、その。
なんか、写真の向こうから鋭い目でこっちを見てるオオカミたちに、不思議と親近感が湧いてきちゃって。
いつかジンにも見せてあげよっかな。なんて俺も1人でムフフと笑っちゃってた。
それにしても……コタローが帰って来ない。アイツどこ行っちゃったんだろ? 出かける際はメモなり残しとけって言っといたのに。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。