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@51話

ー/ー





「ひょっとして、恋愛論から解けるのか? ゴールドバッハは『整数論』ではなく『恋愛論』だったのか? これを解明できたのなら世紀の大発見だ!」


 


「……本気?」


「恋愛を数値化できたのなら……」


「それができた時点で世紀の大発見よ……」


 


 数学者とはこんな輩ばかりなのだろうか? 恋実は文系を選んで正解だったとしみじみ思う。


 


 恋愛やその心が数値化できたのなら誰も悩まないし、ドロドロした愛憎劇の『昼ドラ』も無くなるだろう……そもそもロマンチックな出来事すら世の中から無くなってしまう恐れさえある。


 人生が楽しくなくなる……そんな大発見は不要だ。恋の謎が解かれる……やはり永遠に未解決問題で良いと思えてきた。


 


 


 恭吾は1時間ほど考え込んで、ようやく解けないことに気付いたようだ。真剣に考え込んだ挙句、答えに辿り着けない姿はカッコ悪い。


 


「そうか……ゴールドバッハの予想はやっぱり『整数論』だったんだ……恋のように割り切れない数は『整数』ではない。でも斬新な解釈だ……さすが恋実(2番)


 


「あ、恋実と書いて2番と読んだな!」


 


 彼が天才じゃなくて良かった、そう安堵しながら恭吾の言葉にふくれて見せた。


 


 


 


 優香ちゃん事件とは別の意味で(しば)れた空気が一気に解放された。その時だった。


 


 


「誰だ?!」


 


 恭吾が生徒会室の扉に走り寄る。『ガラガラッ』と戸車が力任せに転がされて濁った音を響かせる。


 確かに、人影があった……。


 


 


 恭吾は左右に首を振るも、不気味に静まり返った廊下は蛍光灯の白色の光を反射しているだけであった。




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「ひょっとして、恋愛論から解けるのか? ゴールドバッハは『整数論』ではなく『恋愛論』だったのか? これを解明できたのなら世紀の大発見だ!」
「……本気?」
「恋愛を数値化できたのなら……」
「それができた時点で世紀の大発見よ……」
 数学者とはこんな輩ばかりなのだろうか? 恋実は文系を選んで正解だったとしみじみ思う。
 恋愛やその心が数値化できたのなら誰も悩まないし、ドロドロした愛憎劇の『昼ドラ』も無くなるだろう……そもそもロマンチックな出来事すら世の中から無くなってしまう恐れさえある。
 人生が楽しくなくなる……そんな大発見は不要だ。恋の謎が解かれる……やはり永遠に未解決問題で良いと思えてきた。
 恭吾は1時間ほど考え込んで、ようやく解けないことに気付いたようだ。真剣に考え込んだ挙句、答えに辿り着けない姿はカッコ悪い。
「そうか……ゴールドバッハの予想はやっぱり『整数論』だったんだ……恋のように割り切れない数は『整数』ではない。でも斬新な解釈だ……さすが|恋実《2番》」
「あ、恋実と書いて2番と読んだな!」
 彼が天才じゃなくて良かった、そう安堵しながら恭吾の言葉にふくれて見せた。
 優香ちゃん事件とは別の意味で|凍《しば》れた空気が一気に解放された。その時だった。
「誰だ?!」
 恭吾が生徒会室の扉に走り寄る。『ガラガラッ』と戸車が力任せに転がされて濁った音を響かせる。
 確かに、人影があった……。
 恭吾は左右に首を振るも、不気味に静まり返った廊下は蛍光灯の白色の光を反射しているだけであった。