@50話
ー/ー
「!!……驚いた……いとをかし……」
「え?!」
その台詞に逆に驚く恋実。
「数学とは、全ては何かを証明するための理論だ。証明のための仮定を恋愛に置き変えて……」
「x(男)+y(女)=恋?」
「違う!! 男はXYで、女はXXだろう」
「それ染色体の話に変わってますよ~」
中学3年生理科で習う生物、染色体。1つの細胞に46本の染色体をもつ人の性別を決める2本の性染色体。
細胞核の中には複数の染色体があり、その本体がDNA。
もはや恋愛とはヒトゲノムの世界にまで及ぶと言うのであろうか。
「xy+xx=2n」
何だかそれっぽい数式が出来上がった……。
「何で『2n』なのよ」
「『=』の右辺は必ず2より大きい偶数なんだから」
「そっか。2n=恋……そしてnは2以上の自然数」
あれ? これ、何の式だっけ? 恋実は真面目に考えていた自分から我を切り離し、見つめ直すことに成功した。
「2n=恋……何かがおかしい……」
一方恭吾は数学者の呪いに取り込まれたままだ。さっきの違和感は何だ? 『最低の数値は4』それが恋……。
(愛の要素も4つ、エーリッヒ・フロム著『愛するということ』は最低限4を満たしていないといけない、そう言いたかったんだ!)
「nは1ではダメなんだ……仮に恋1、愛1を入れた方が良いと考えるべきか……」
「恋、小さじ1杯と愛、小さじ1杯みたいになって来た……」
「恋実、君と違って俺の場合は『大さじ』でしかあり得ない……いやそもそも『量』は関係ない……でも、恋愛は重すぎない方がいいのか……? とにかく分かった。x(x+y)=2(恋+愛)だ!」
「ねぇ、その式を日本語にすると『男女は、恋愛を2回するのと等しい』って言ってるだけみたいだけど……」
恭吾は先程の違和感の正体に辿り着いた。
「なるほど右辺は『2(n+1)』でなければいけなかった。『+1』が2n=『恋』を『愛』に変えているんだ……つまりはn=恋、愛=1」
「なんで『愛=1』なの?」
「恋や愛が負の整数であっては人類の成長はない。自然数であるのが望ましく、且つ『素数と素数が交わって偶となる』のを邪魔しない自然数と言えば『1』という約数が『1つ』しかない唯一無二の存在しかあり得ないであろう!」
「変数『n』が大きい数である程『恋多き人生』それに『1』を足すことで愛へと変わる……何かロマンチックな数式ね」
恋実の目が輝いて潤む。対照的に恭吾の目は鋭さを増す。
「ああ、そして条件としてその『n』は『素数』でなければならない。更に恋実の言葉を借りたのなら、素数は人・個人であるから、n=恋=人。人とは恋だったのか……」
「人とは恋……さすが未解決問題の難問……」
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
「!!……驚いた……いとをかし……」
「え?!」
その台詞に逆に驚く恋実。
「数学とは、全ては何かを証明するための理論だ。証明のための仮定を恋愛に置き変えて……」
「x(男)+y(女)=恋?」
「違う!! 男はXYで、女はXXだろう」
「それ染色体の話に変わってますよ~」
中学3年生理科で習う生物、染色体。1つの細胞に46本の染色体をもつ人の性別を決める2本の性染色体。
細胞核の中には複数の染色体があり、その本体がDNA。
もはや恋愛とはヒトゲノムの世界にまで及ぶと言うのであろうか。
「xy+xx=2n」
何だかそれっぽい数式が出来上がった……。
「何で『2n』なのよ」
「『=』の右辺は必ず2より大きい偶数なんだから」
「そっか。2n=恋……そしてnは2以上の自然数」
あれ? これ、何の式だっけ? 恋実は真面目に考えていた自分から我を切り離し、見つめ直すことに成功した。
「2n=恋……何かがおかしい……」
一方恭吾は数学者の呪いに取り込まれたままだ。さっきの違和感は何だ? 『最低の数値は4』それが恋……。
(愛の要素も4つ、エーリッヒ・フロム著『愛するということ』は最低限4を満たしていないといけない、そう言いたかったんだ!)
「nは1ではダメなんだ……仮に恋1、愛1を入れた方が良いと考えるべきか……」
「恋、小さじ1杯と愛、小さじ1杯みたいになって来た……」
「恋実、君と違って俺の場合は『大さじ』でしかあり得ない……いやそもそも『量』は関係ない……でも、恋愛は重すぎない方がいいのか……? とにかく分かった。x(x+y)=2(恋+愛)だ!」
「ねぇ、その式を日本語にすると『男女は、恋愛を2回するのと等しい』って言ってるだけみたいだけど……」
恭吾は先程の違和感の正体に辿り着いた。
「なるほど右辺は『2(n+1)』でなければいけなかった。『+1』が2n=『恋』を『愛』に変えているんだ……つまりはn=恋、愛=1」
「なんで『愛=1』なの?」
「恋や愛が負の整数であっては人類の成長はない。自然数であるのが望ましく、且つ『|素数《こせい》と|素数《こせい》が交わって偶となる』のを邪魔しない自然数と言えば『1』という約数が『1つ』しかない唯一無二の存在しかあり得ないであろう!」
「変数『n』が大きい数である程『恋多き人生』それに『1』を足すことで愛へと変わる……何かロマンチックな数式ね」
恋実の目が輝いて潤む。対照的に恭吾の目は鋭さを増す。
「ああ、そして条件としてその『n』は『素数』でなければならない。更に恋実の言葉を借りたのなら、素数は人・個人であるから、n=恋=人。人とは恋だったのか……」
「人とは恋……さすが未解決問題の難問……」