@49話
ー/ー
「何? それ……?」
「ゴールドバッハの予想とは、2より大きい偶数は(つまり4以上)、全て二つの素数を足した数でできているという、未だ証明されていない有名な未解決問題だ」
恭吾の説明を受け止めながら、生徒会室の無数の穴のある灰色の天井に視線を向ける。しかし恋実が見ているものは天井ではなく、空中に映し出された恋実の脳内。
この情報の必要の有無、重要度、緊急度、発動キーワード、同類項の選定、等々が瞬時に行われる中、恋実が閃いた。
「ふーん……何だか恋愛みたいだね、それ」
今度は恭吾の脳内スーパーコンピューターが恋実の言葉を受け、今まで蓄積されてきたデータの中から恋愛に関する情報が洗い出される。
光ファイバーのように速く且つ複数同時に処理しているにも拘らず、恭吾には『該当なし』のエラー表示しか浮かばなかった。
彼の脳ミソたちがこれほどまでに仕事をこなしたのは久しぶりだ。思わず懐にある『角砂糖』に手を伸ばす。
『いかん、あれは薬じゃないアミノ酸補給用だ。あれを常用し過ぎると危険な結果が起きるのを知っているだろ』と、思い止まる。
(まさか恋実に分かって、俺が答えを出せないことが存在するのか? くっ……いや、そんなことは世の中にいくらでもある……動揺していることを悟られてはいけない……)
外は大雨でも降っているかのようだった……恭吾の耳には雑音が酷く、視界は色のない砂嵐だ。次第に吹き荒れる風が命の水を攫って行くように、やけに喉が渇く……。
『ゴクリ……』喉を鳴らしたその音が、現実を突き詰めた。
ここまでが永遠の1秒……。ついに恭吾は恋実の言葉に応える。
「ど……ど、ど……どういうこと?」
「だって、素数って『1とその数自身』でしか約数がない自然数のことでしょ?」
「そう……だけど?」
相変わらず恭吾の脳内コンピューターは働き続けている。しかしまだ恋実の言わんとすることが理解できない……回答に辿り着かない。
「人間だって十人十色、同じ人間なんて二人といない……他人には割り切れることはないのよ……そんな二つが結びついて偶数になるんでしょ!? 『偶』ってペアとかカップルって意味もあるじゃない、だから……」
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恭吾の説明を受け止めながら、生徒会室の無数の穴のある灰色の天井に視線を向ける。しかし恋実が見ているものは天井ではなく、空中に映し出された恋実の脳内。
この情報の必要の有無、重要度、緊急度、発動キーワード、同類項の選定、等々が瞬時に行われる中、恋実が閃いた。
「ふーん……何だか恋愛みたいだね、それ」
今度は恭吾の脳内スーパーコンピューターが恋実の言葉を受け、今まで蓄積されてきたデータの中から恋愛に関する情報が洗い出される。
光ファイバーのように速く且つ複数同時に処理しているにも拘らず、恭吾には『該当なし』のエラー表示しか浮かばなかった。
彼の脳ミソたちがこれほどまでに仕事をこなしたのは久しぶりだ。思わず懐にある『角砂糖』に手を伸ばす。
『いかん、あれは薬じゃないアミノ酸補給用だ。あれを常用し過ぎると危険な結果が起きるのを知っているだろ』と、思い止まる。
(まさか恋実に分かって、俺が答えを出せないことが存在するのか? くっ……いや、そんなことは世の中にいくらでもある……動揺していることを悟られてはいけない……)
外は大雨でも降っているかのようだった……恭吾の耳には雑音が酷く、視界は色のない砂嵐だ。次第に吹き荒れる風が命の水を攫って行くように、やけに喉が渇く……。
『ゴクリ……』喉を鳴らしたその音が、現実を突き詰めた。
ここまでが永遠の1秒……。ついに恭吾は恋実の言葉に応える。
「ど……ど、ど……どういうこと?」
「だって、素数って『1とその数自身』でしか約数がない自然数のことでしょ?」
「そう……だけど?」
相変わらず恭吾の脳内コンピューターは働き続けている。しかしまだ恋実の言わんとすることが理解できない……回答に辿り着かない。
「人間だって十人十色、同じ人間なんて二人といない……他人には割り切れることはないのよ……そんな二つが結びついて偶数になるんでしょ!? 『偶』ってペアとかカップルって意味もあるじゃない、だから……」