「美都ちゃんね、よろしく。なるほど二人ともドレッサージュなわけ……ひょっとして障害は苦手?」
颯志は美都と手を握ったまま二人を見る。
「勘違いしているようだけど、今日障害に出たライダーは月皇舞羽、彼女の双子の姉よ」
「え? あ? そうなの? おかしいな、俺の勘、外したかな?」
「いつまで手を繋いでるのよ」
二人の手を引き離す十葉の態度はひどく乱暴だ。
「舞香ちゃんね……今日見た舞羽ちゃんもかなりきてたけど、今俺が興味あるのは舞香ちゃん、あんただね」
「……」 「……」
「何かその言い方、いやらしいわね」
答えたのは美都。それに対して颯志は、台詞の最中、髪の毛ほどの隙間に見せた敵意など跡形も残さず、にやけて言う。
「いやらしくもなるさ、舞香ちゃん美人だもん」
「颯志ぃ~」
十葉が幼さを露見させる。お高くとまっていたかに見えたスタンスは、颯志を想う嫉妬から来ていたものと考えれば、むしろ可愛い。
十葉は完全に舞香を敵視している。