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11話 寝れない子達

ー/ー




 本家の印を使えるのは現在五人。僕を含めた本家の兄弟だけだ。その兄弟達が印を押しわけがない。エレとゼロの侍女になる人物だというなら。

 それに、もし兄弟の誰かが押したのであれば兄弟全員認識している。そういう報告は必ずするように決めているから。

 その件について、兄弟達は何も知らないのに本物が使われている。そんな事はあって良いはずがない。

「……ギュー、あとでフォルにその話をしておく。今日はエレとゼロを休ませたい」

 エレが見ていない隙に寝ている。ゼロがエレを僕から離して抱っこしている。僕に甘えるよりエレを甘やかす方を選んだみたい。

 フュリーナは、ミュンティンに任せるか。魔法研究部の寮にいるだろうから。ミュンティンなら連絡すらいれずにフュリーナが来ても理解してくれる。

「リーグ、フュリーナを魔法研究部の寮まで送ってくれる? 」

「はい。必ず無事に届けます」

 魔法研究部の寮はここからだと歩いて五分くらいかな。寮の中なら確実に攫えると思っていたのか、エレが氷漬けにした連中以外にはいなさそう。

 念のため防御魔法を使っておけば、もしまだいてもリーグが守ってくれるだろう。

「うん。気をつけてね、それと、明日でも良いからちゃんと自分達のとこの上司に報告しておきなよ」

 そうすればしばらくは別の寮に移動するとか何かしら向こうで対策立ててくれるはず。

 リーグとフュリーナが一礼して寮へ向かう。二人が見えなくなるまでは見守っておく。何事もないとは思うけど。

 二人が見えなくなって帰ろうとするとフィルが僕が渡した連絡魔法具を改造しているのを発見。便利になる反面、外で使えなくなりそうで怖いんだけど。フィルが顔に出てはいないけど楽しそうだから止めはしない。

 エレが寝ているから転移魔法だけは使わせてもらうけど。

      **********

 転移魔法で双子宮へ帰ってもフィルは気にせず連絡魔法具を改造している。

 とりあえずエレはベッドで寝かせてあげる。ゼロは勝手にエレの側で寝転んでいる。ほっといたらそのうち寝そう。

 エレとゼロの面倒を見ながらフィルの改造風景を見ておくか。

 ついでに、フィル用の家具の購入もしておこう。連絡魔法具は仕事用と私的用に分けてあるから。

「……終わった。返す。衝撃耐性つけといた」

「わぁ、僕が一番欲しかったの……なんで知ってんの? えっ? エレ? 」

「……弟の事だから」

 僕が弟だからって一度も言っていない事に気づいてくれるフィルに抱きつきそうになった。もう子供じゃないんだから、エレとゼロじゃないんだから、そんな事できない。

 連絡魔法具を受け取って、普段ならどれだけ耐えられるか実験するとこだけど、そんな事はせずに大事にしまっておく。

 衝撃耐性がついた分安心して使えるなんてならない。むしろ、フィルが僕のために改造したから大事に大事に使う。仕事で落とす事なんて絶対にしない。魔法が当たらないように今度から防御魔法かけておく事にする。

 仕事用の魔法具を主様に頼んで新調するのもありかもしれない。これを大事に飾って。

「……フィルにフォル取られたのってエレ言いそう」

「エレはどれだけがんばっても上の子にはなれません」

 エレは妹のようにしか見れない。末っ子系お姫様。
 まだゼロの方が向いているかも。

 フィルは、包み込むような感じがする。兄って感じがする。エレとゼロには永遠に出せなさそうな雰囲気がある。

「フィル、ゼロはエレの隣で寝たいからフィルは僕の隣」

 こういうのは先に言ったもん勝ち。エレは寝ているからほっといて、ゼロが言う前に先に言っておく。

 ゼロがどんな反応を見せようが気にしない。撤回する気なんてない。ゼロはエレを毎日のように愛ているんだからこれからもエレを愛でていれば良い。それに、どうせゼムがきた時散々甘えてるだろうから。

 僕だってフィルに甘えて良い。

「……むすぅ」

「……弟の特権だから。フォルの隣で寝る」

 ゼロが拗ねていたのを見ても、フィルは僕の頼みを聞いてくれた。弟特権は強い。

 ゼロも弟特権で仕方なさそうに引いてくれた。エレの頭を撫でてる。

「エレは俺がおにぃちゃんだからな。俺に甘えれば良いからな」

 エレは一人っ子だけど、ゼロが兄代わりを自称して兄妹らしい事をたくさんしてあげている。きっと、僕が知らないここでの暮らしでも。

「しゃぁー」

 エレがそれを受け入れているのかどうかは別問題として。確か、エレは自分の方が上なんだおねぇちゃんなんだとか言って受け入れていなかったんじゃなかったかな。

 ゼロとどっちが上かで喧嘩しているのを何度か見かけた記憶がある。だからって寝ていてまで威嚇するほどとは知らなかったけど。

 でも、ほんと不思議だよ。甘えっ子のエレがゼロにだけはおねぇちゃんだとか言い張るの。

「……フォル、そろそろ寝るんだ。フォルとフィルも一緒に寝るんだ。って言わねぇと二人ともいつまで経っても根なさそう」

 この中で一番しっかりしているのはゼロだったりする。僕とフィルの事を良くわかっていらっしゃるようで。

 僕は仕事、フィルは魔法具製作で徹夜なんて日常茶飯事だから。

「……寝る? 」

「そうだね」

 しっかり者のゼロに言われて、今日は寝る事にするけど、これでもだいぶ遅いんじゃないかな。そもそもエレとゼロが起きた時点で夜遅くだから。

 多分あと二時間くらいで明るくなってくるくらいの時間。

「……エレが前に起きられないからって指定した時間に音が鳴る魔法具作ったんだ」

 ゼロが何かを思いついたかのように突然そう言って、エレの魔法具を引き出しから取り出した。

 その魔法具で時間を設定している。僕とフィルからは設定した時間は見えていない。

 設定が終わると僕らには見せずにベッドの隣にある小さな台の上に置いている。

「これが鳴るまで現在この部屋にいる全員起きるの禁止。エレは聞いてなくても起きねぇから、フォルとフィルが対象。遮光カーテンで光りはいらねぇから寝れるだろ。入っても寝れるけど。たとえこれが鳴る前に明るくなっても起きるの禁止。時間変えるの禁止」

 これ多分今から五時間後から八時間後くらいの設定だな。

 もう直ぐ明るくなってくるって知っていて、僕とフィルが起きないようにここまでするか。
 別に明るくなったから起きるわけじゃなくて僕もフィルも明るくなる前に毎日起きているんだけど。ちょうどこのくらいの時間に。

「二人とも寝るまで起きてるから。早く寝るんだ。寝ないとエレ起こすから。寝起きしかも、むりやり起きる時間違うのに起こされた時のエレは機嫌悪くてしゃぁしゃぁ威嚇しまくるから。それでも良ければ寝ずにいれば良いんだ」

 ゼロが起こしているような気もしなくもないと言うか、実際起こしているのに脅しまで入れてきた。その会話なければみんなもっと早くに寝れているよ。

「……ゼロうるさいの。エレが起きたの。もっと静かにフォルとフィルをねむねむさせるの。って言っておこっと。ゼロがぎゅぅってしてねむねむしてくれないから起きただけだけど……フォルとフィルとエレのお仕事部屋作るの……おやすみ」

 それは寝室はここでないと認めないと言っているのかな。今回買ったベッドは今のより大きいから幅は余裕がある。

 でも、エレとゼロの予定に合わせて寝ないといけないとなると何もできない。それさえなければ一緒に寝てあげるんだけど。

「……仕事があるんだから毎日一緒には寝ないから」

「聞こえないの……って言いたいけど、それならお仕事優先で良いの。夜だけは強制ねむねむなの」

 それならまだ……これ以上状況をこっち有利にはさせてもらえないだろうからこの条件で乗らせてもらおうかな。

「それなら良いよ」

「ならみんなねむねむしろなの。これ以上お話禁止。おやすみ」

 エレのその言葉を最後に、全員黙って就寝。

 明日は祭りの話でもするのかな。


次のエピソードへ進む 12話 昨日のお礼


みんなのリアクション


 本家の印を使えるのは現在五人。僕を含めた本家の兄弟だけだ。その兄弟達が印を押しわけがない。エレとゼロの侍女になる人物だというなら。
 それに、もし兄弟の誰かが押したのであれば兄弟全員認識している。そういう報告は必ずするように決めているから。
 その件について、兄弟達は何も知らないのに本物が使われている。そんな事はあって良いはずがない。
「……ギュー、あとでフォルにその話をしておく。今日はエレとゼロを休ませたい」
 エレが見ていない隙に寝ている。ゼロがエレを僕から離して抱っこしている。僕に甘えるよりエレを甘やかす方を選んだみたい。
 フュリーナは、ミュンティンに任せるか。魔法研究部の寮にいるだろうから。ミュンティンなら連絡すらいれずにフュリーナが来ても理解してくれる。
「リーグ、フュリーナを魔法研究部の寮まで送ってくれる? 」
「はい。必ず無事に届けます」
 魔法研究部の寮はここからだと歩いて五分くらいかな。寮の中なら確実に攫えると思っていたのか、エレが氷漬けにした連中以外にはいなさそう。
 念のため防御魔法を使っておけば、もしまだいてもリーグが守ってくれるだろう。
「うん。気をつけてね、それと、明日でも良いからちゃんと自分達のとこの上司に報告しておきなよ」
 そうすればしばらくは別の寮に移動するとか何かしら向こうで対策立ててくれるはず。
 リーグとフュリーナが一礼して寮へ向かう。二人が見えなくなるまでは見守っておく。何事もないとは思うけど。
 二人が見えなくなって帰ろうとするとフィルが僕が渡した連絡魔法具を改造しているのを発見。便利になる反面、外で使えなくなりそうで怖いんだけど。フィルが顔に出てはいないけど楽しそうだから止めはしない。
 エレが寝ているから転移魔法だけは使わせてもらうけど。
      **********
 転移魔法で双子宮へ帰ってもフィルは気にせず連絡魔法具を改造している。
 とりあえずエレはベッドで寝かせてあげる。ゼロは勝手にエレの側で寝転んでいる。ほっといたらそのうち寝そう。
 エレとゼロの面倒を見ながらフィルの改造風景を見ておくか。
 ついでに、フィル用の家具の購入もしておこう。連絡魔法具は仕事用と私的用に分けてあるから。
「……終わった。返す。衝撃耐性つけといた」
「わぁ、僕が一番欲しかったの……なんで知ってんの? えっ? エレ? 」
「……弟の事だから」
 僕が弟だからって一度も言っていない事に気づいてくれるフィルに抱きつきそうになった。もう子供じゃないんだから、エレとゼロじゃないんだから、そんな事できない。
 連絡魔法具を受け取って、普段ならどれだけ耐えられるか実験するとこだけど、そんな事はせずに大事にしまっておく。
 衝撃耐性がついた分安心して使えるなんてならない。むしろ、フィルが僕のために改造したから大事に大事に使う。仕事で落とす事なんて絶対にしない。魔法が当たらないように今度から防御魔法かけておく事にする。
 仕事用の魔法具を主様に頼んで新調するのもありかもしれない。これを大事に飾って。
「……フィルにフォル取られたのってエレ言いそう」
「エレはどれだけがんばっても上の子にはなれません」
 エレは妹のようにしか見れない。末っ子系お姫様。
 まだゼロの方が向いているかも。
 フィルは、包み込むような感じがする。兄って感じがする。エレとゼロには永遠に出せなさそうな雰囲気がある。
「フィル、ゼロはエレの隣で寝たいからフィルは僕の隣」
 こういうのは先に言ったもん勝ち。エレは寝ているからほっといて、ゼロが言う前に先に言っておく。
 ゼロがどんな反応を見せようが気にしない。撤回する気なんてない。ゼロはエレを毎日のように愛ているんだからこれからもエレを愛でていれば良い。それに、どうせゼムがきた時散々甘えてるだろうから。
 僕だってフィルに甘えて良い。
「……むすぅ」
「……弟の特権だから。フォルの隣で寝る」
 ゼロが拗ねていたのを見ても、フィルは僕の頼みを聞いてくれた。弟特権は強い。
 ゼロも弟特権で仕方なさそうに引いてくれた。エレの頭を撫でてる。
「エレは俺がおにぃちゃんだからな。俺に甘えれば良いからな」
 エレは一人っ子だけど、ゼロが兄代わりを自称して兄妹らしい事をたくさんしてあげている。きっと、僕が知らないここでの暮らしでも。
「しゃぁー」
 エレがそれを受け入れているのかどうかは別問題として。確か、エレは自分の方が上なんだおねぇちゃんなんだとか言って受け入れていなかったんじゃなかったかな。
 ゼロとどっちが上かで喧嘩しているのを何度か見かけた記憶がある。だからって寝ていてまで威嚇するほどとは知らなかったけど。
 でも、ほんと不思議だよ。甘えっ子のエレがゼロにだけはおねぇちゃんだとか言い張るの。
「……フォル、そろそろ寝るんだ。フォルとフィルも一緒に寝るんだ。って言わねぇと二人ともいつまで経っても根なさそう」
 この中で一番しっかりしているのはゼロだったりする。僕とフィルの事を良くわかっていらっしゃるようで。
 僕は仕事、フィルは魔法具製作で徹夜なんて日常茶飯事だから。
「……寝る? 」
「そうだね」
 しっかり者のゼロに言われて、今日は寝る事にするけど、これでもだいぶ遅いんじゃないかな。そもそもエレとゼロが起きた時点で夜遅くだから。
 多分あと二時間くらいで明るくなってくるくらいの時間。
「……エレが前に起きられないからって指定した時間に音が鳴る魔法具作ったんだ」
 ゼロが何かを思いついたかのように突然そう言って、エレの魔法具を引き出しから取り出した。
 その魔法具で時間を設定している。僕とフィルからは設定した時間は見えていない。
 設定が終わると僕らには見せずにベッドの隣にある小さな台の上に置いている。
「これが鳴るまで現在この部屋にいる全員起きるの禁止。エレは聞いてなくても起きねぇから、フォルとフィルが対象。遮光カーテンで光りはいらねぇから寝れるだろ。入っても寝れるけど。たとえこれが鳴る前に明るくなっても起きるの禁止。時間変えるの禁止」
 これ多分今から五時間後から八時間後くらいの設定だな。
 もう直ぐ明るくなってくるって知っていて、僕とフィルが起きないようにここまでするか。
 別に明るくなったから起きるわけじゃなくて僕もフィルも明るくなる前に毎日起きているんだけど。ちょうどこのくらいの時間に。
「二人とも寝るまで起きてるから。早く寝るんだ。寝ないとエレ起こすから。寝起きしかも、むりやり起きる時間違うのに起こされた時のエレは機嫌悪くてしゃぁしゃぁ威嚇しまくるから。それでも良ければ寝ずにいれば良いんだ」
 ゼロが起こしているような気もしなくもないと言うか、実際起こしているのに脅しまで入れてきた。その会話なければみんなもっと早くに寝れているよ。
「……ゼロうるさいの。エレが起きたの。もっと静かにフォルとフィルをねむねむさせるの。って言っておこっと。ゼロがぎゅぅってしてねむねむしてくれないから起きただけだけど……フォルとフィルとエレのお仕事部屋作るの……おやすみ」
 それは寝室はここでないと認めないと言っているのかな。今回買ったベッドは今のより大きいから幅は余裕がある。
 でも、エレとゼロの予定に合わせて寝ないといけないとなると何もできない。それさえなければ一緒に寝てあげるんだけど。
「……仕事があるんだから毎日一緒には寝ないから」
「聞こえないの……って言いたいけど、それならお仕事優先で良いの。夜だけは強制ねむねむなの」
 それならまだ……これ以上状況をこっち有利にはさせてもらえないだろうからこの条件で乗らせてもらおうかな。
「それなら良いよ」
「ならみんなねむねむしろなの。これ以上お話禁止。おやすみ」
 エレのその言葉を最後に、全員黙って就寝。
 明日は祭りの話でもするのかな。