@26話
ー/ー
「ねぇ恭吾のせいで優香ちゃんと手を繋げなかったことを最も恨んでいる人物って……恭吾の次の人よね」
「今井か……」
切り口は良かったものの、その先の足がかりが乏しい。
殺風景な生徒会室がより二人の雰囲気を重くする。
「五人くらいじゃない? 『あともう少しだ』って思って残念がるのって」
取り繕う必要もないのに必死にそれっぽい振りを入れる。
「……そうだな、最初っから諦めてしまうような場所に居た人間は除外してもいいかも」
他にアイディアのない恭吾も、とりあえず容疑者を絞るためには同意せざるを得ない。
「吹奏楽部の菊池君、次が合唱部の今井君、そのつ……」
「! 恋実! 今何て言った?」
「菊池君と……」
「違うその前だ! そうか、どうして気付かなかったんだ、俺は……恋実ファインプレーだ」
どこかにしまい込んでしまっていた宝物の在り処を思い出したかのように喜ぶ恭吾。
関わっている人が喜ぶ空気を共にすることは、やっぱり笑顔を誘発させる。恋実も笑顔を弾けさせた。
「合唱部の今井、吹奏楽の菊池、その二人は『2曲目が早く終わっていたこと』に気付いていたのかもしれない!」
「吹奏楽部と合唱部……確かに、可能性はある!」
「今井は28番目……優香ちゃんと手を繋げる絶対の自信があったに違いない!」
「じゃあ……菊池君は?」
「思い出してみろ、男性陣ではなく女性陣の並び順を……」
「思い出せるわけないだろっ」
自然と会話にもテンポが生まれてくる。
きっともう恭吾には『ある一つの結論』が浮かんでいるのであろう、固結びが解かれたようにスッキリしているから。恋実はワクワクしてきた。
恭吾の『答え』を聞くのが待ち遠しい。
初めて寝返りを打った時の喜び、初めて言葉を話した日の感動……未経験ながら、『きっとそんな感じだ』と思った。そしてその例えは間違いだ。
正しくは、難問が解けた時の喜び、逆上がりができた日の感動……などが正しい。
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「今井か……」
切り口は良かったものの、その先の足がかりが乏しい。
殺風景な生徒会室がより二人の雰囲気を重くする。
「五人くらいじゃない? 『あともう少しだ』って思って残念がるのって」
取り繕う必要もないのに必死にそれっぽい振りを入れる。
「……そうだな、最初っから諦めてしまうような場所に居た人間は除外してもいいかも」
他にアイディアのない恭吾も、とりあえず容疑者を絞るためには同意せざるを得ない。
「吹奏楽部の菊池君、次が合唱部の今井君、そのつ……」
「! 恋実! 今何て言った?」
「菊池君と……」
「違うその前だ! そうか、どうして気付かなかったんだ、俺は……恋実ファインプレーだ」
どこかにしまい込んでしまっていた宝物の在り処を思い出したかのように喜ぶ恭吾。
関わっている人が喜ぶ空気を共にすることは、やっぱり笑顔を誘発させる。恋実も笑顔を弾けさせた。
「合唱部の今井、吹奏楽の菊池、その二人は『2曲目が早く終わっていたこと』に気付いていたのかもしれない!」
「吹奏楽部と合唱部……確かに、可能性はある!」
「今井は28番目……優香ちゃんと手を繋げる絶対の自信があったに違いない!」
「じゃあ……菊池君は?」
「思い出してみろ、男性陣ではなく女性陣の並び順を……」
「思い出せるわけないだろっ」
自然と会話にもテンポが生まれてくる。
きっともう恭吾には『ある一つの結論』が浮かんでいるのであろう、固結びが解かれたようにスッキリしているから。恋実はワクワクしてきた。
恭吾の『答え』を聞くのが待ち遠しい。
初めて寝返りを打った時の喜び、初めて言葉を話した日の感動……未経験ながら、『きっとそんな感じだ』と思った。そしてその例えは間違いだ。
正しくは、難問が解けた時の喜び、逆上がりができた日の感動……などが正しい。