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@ 16話

ー/ー





「これでもし私が隼人先輩を狙うとなると……」


 美都は肩に掛かった髪を払うと、(そら)に描かれた頭の中の図を見つめる。


「私と楓乃先輩が隼人先輩を狙ってて、隼人先輩が舞羽……舞羽の独り勝ちか……」


「別にあたしは……」


「そうそう、舞羽。あなたは『あたしより馬術の下手な人とはお付き合いなんて御免だわ』とか言ってくれればいいの。あはは」


「もう、そんな事ばっかり言ってないで、美都はもっと腕を磨きなさい!」


「はいはい、舞羽は真面目過ぎっ!」


「でも……今年は一年生が入って来なかったから、来年は入ってきて欲しいな」


「そうだねぇ……カッコいい歳下も悪くないわね」


「また美都はそっちにいくぅ~」


 舞香が呟くと、すかさず美都が花を咲かせる。その都度、舞羽は呆れて見せるが、思わず許してしまう美都の愛嬌に二人は骨抜きにされていた。


 


 美都は二人の真ん中に居た。


 


***


 


 そんな美都が、一人の人間を馬術部に連れてきた。三年生に進級して間もない頃だ。少しばかり強引に勧誘してきたらしい。


 何故ならこの年は一年生が一人しか入部しなかったからだ。


 馬術部はその特性から、大学の馬術部が存在する限り廃部にはならない。逆を言えば、厩舎の管理ができなくなった時点で廃部があり得る。


 つまりは差し当たって、中等部の一年生が入部しない程度で、即座に廃部の危機が迫ってくるわけではない。


 しかし、その代が大学に上がった時点での一人当たりの仕事量、負担が大きなものになってくる。


 


 


 美都は少しばかり将来を案じただけのはずであった。




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「これでもし私が隼人先輩を狙うとなると……」
 美都は肩に掛かった髪を払うと、|宙《そら》に描かれた頭の中の図を見つめる。
「私と楓乃先輩が隼人先輩を狙ってて、隼人先輩が舞羽……舞羽の独り勝ちか……」
「別にあたしは……」
「そうそう、舞羽。あなたは『あたしより馬術の下手な人とはお付き合いなんて御免だわ』とか言ってくれればいいの。あはは」
「もう、そんな事ばっかり言ってないで、美都はもっと腕を磨きなさい!」
「はいはい、舞羽は真面目過ぎっ!」
「でも……今年は一年生が入って来なかったから、来年は入ってきて欲しいな」
「そうだねぇ……カッコいい歳下も悪くないわね」
「また美都はそっちにいくぅ~」
 舞香が呟くと、すかさず美都が花を咲かせる。その都度、舞羽は呆れて見せるが、思わず許してしまう美都の愛嬌に二人は骨抜きにされていた。
 美都は二人の真ん中に居た。
***
 そんな美都が、一人の人間を馬術部に連れてきた。三年生に進級して間もない頃だ。少しばかり強引に勧誘してきたらしい。
 何故ならこの年は一年生が一人しか入部しなかったからだ。
 馬術部はその特性から、大学の馬術部が存在する限り廃部にはならない。逆を言えば、厩舎の管理ができなくなった時点で廃部があり得る。
 つまりは差し当たって、中等部の一年生が入部しない程度で、即座に廃部の危機が迫ってくるわけではない。
 しかし、その代が大学に上がった時点での一人当たりの仕事量、負担が大きなものになってくる。
 美都は少しばかり将来を案じただけのはずであった。