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7話 お昼寝

ー/ー




 久々にまともに寝た気がする。

 エレとゼロの部屋に行ったあと、二人がお昼寝するから僕も一緒に寝ろとか言い出して仕方なく一緒に寝たんだ。

 普段仕事で寝る時間がほとんどないからというのもあるだろうけど、何かあった時すぐに動けるように熟睡しないようにしている。だというのに、一番守りたい相手の前でだけそれができないとは。

 それでも、エレとゼロよりは早く起きているけどね。

 まだ二人は寝ている。もう少し寝かせておいてあげるか。

 エレに関しては、今日一人で都へ行っているんだ。魔法師の平均以下の体力だ。疲れているだろう。

「……みゅ……」

「大丈夫。側にいるよ」

 エレが怖い夢を見ている時はそう言って頭を撫でる。そうすると、安心したかのように少しだけ笑ってくれるんだ。

 掃除をしたいけど、エレを安心させるためにももう少しここにいてあげた方が良いのかな。

 ピリュリュリュー

 連絡魔法具から着信音だ。誰からだろう。

 連絡魔法具を取り出して相手を確認すると主様だった。

「……今僕のお姫様が寝てるんで、後にしてもらえません? 」

『あの子は声がしたからと言って起きないだろう』

 それはそう。エレは中々起きなくて毎回手を焼いているくらいだから。この程度で起きるはずがない。

 だからと言って、エレの寝顔を見る事ができる時間を邪魔されたのは変わりがない。

『……魔物の件は把握している。こちらでも対策案をいくつか考えている。軍部の件はミュンティンとクリンガーから報告があった』

「そうですか」

『双子姫……エレとゼロの件。色々とおかしいところがある。一応今回の件と同様の事がないようにベレンジェア家に護衛を任せる事になった。フォルは、表向きにはベレンジェア家だからだが、御巫候補を守るのも黄金蝶の役目だ』

 主様はエレとゼロの重要性を理解している。それなら侍女を雇うにしてもちゃんと身辺調査を行っているはずだ。

 エレの言っていた事は嘘ではないだろう。

 主様に任せて僕は自分の仕事に専念するためにあまり考えないようにしていたけど、そういう事だったか。

 エレの話した侍女の件。主様は雇っていない。勝手に来てどこかへ姿を消したんだろう。

 目的は、エレとゼロの持つ何か。その何かに関しても予想はつく。

「ちなみに宮の中が埃っぽいのは」

『俺が魔法を便利道具くらいに使うなと言ったからだろう。毎回浄化魔法で掃除をしては魔力疾患の発作を起こしていたから。エレに発作を起こさなくなる薬を用意してデューゼに持たせてあるから、それを飲む条件でなら魔法を使って良いと』

「うん。伝えとくよ。ごめん、あのお姫様、浄化魔法でなんでも解決とか思っているから」

 浄化魔法に頼らず掃除しろよとは思うけど、あの身長だと届かないとこ多そうなんだよなぁ。魔法を解いても平均以下の身長だから。僕も人の事言えないけど。

 にしても、薬まで用意してくれるなんて。主様そんなに暇だったかな。

 あとエレはそんなふうに魔法使って発作起こすくらいなら自分で魔法具作ってその魔法具に頼れば良いと思う。あの子も魔法具作れるんだから。

「……なんだかエレのとっても不服なお話してる気がして起きたの」

 なんでこういう直感だけはすごいんだろう。普段はどれだけ起こしても起きないくせに。

 エレが仲間を増やすためなのかゼロを起こしている。

 ゼロが起きると、二人でこそこそと話をしている。

 話終わると二人で僕を見てから抱きついてきた。

「……主様、この二人にどこまで話してるんですか? 」

『二人とも隠していてもいずれ気づくだろうから全て話してある。もし何も知らないようなら事情を話した上でそれなだけだ』

 エレは理解していないんだろう。ゼロは理解していても、エレが理解していないのに気づいているから何も知らないふりか。

「エルグにぃ、エレは純粋無垢の可愛い俺のお姫様なんだから余計な事言わないで。エレを怖がらせたくないんだ。エレ可愛いから。俺のお姫様だから」

 ここぞとばかりに自分のだと主張してるよ。エレは直感……本能的に起きたせいか眠そうにしていて言葉を理解してなさそう。

「つぅか、なんであいつ外でれたんだよ。俺がエレには絶対に門を開けられなくしてやったのに……危ないからやめろっていつも言ってんのに」

 すごい。エレがほぼ寝てる事を良い事にエレの頬を突きながら文句言ってるよ。門を開けられなくしたの言っちゃってるよ。

 エレが聞いていれば怒るんだろうね。

 でもまぁ、やり方が強引なだけでエレを外に出さないようにするのは間違ってはいんだんだよね。一人で外に出ると方向音痴ですぐに迷子になるだけじゃなく、すぐに転んで魔物に狙われて。

 一人で外に出して良い事なんて何もないから。

「しゃぁーーーーー! すゃぁ」

 寝ていてもこの察知力なんなんだろう。ほんとに寝ているのか怪しいくらいだよ。

「……そういえば、デューゼとルノもくるんでしょ? いつからですか? 僕一人でエレとゼロの世話をやりながら宮の掃除とか全部できるわけないので」

 エレとゼロの世話以外にも仕事はあるのに掃除とかに時間を割けない。大量に魔法を使わない限りは。

 今はそれは避けたいからできるだけ早くきてほしいよ。

『明日にはくる予定だ』

「……ゼロ、浄化魔法具持ってない? 」

 明日までここを埃まみれのままにしておきたくない。エレとゼロの部屋だけは綺麗に掃除されているけど、部屋から一歩も出るななんていえないから。

 僕は浄化魔法具なんて使う機会がなくて持っていない。でも、エレとゼロなら使わなくても持っている可能性がある。

 エレは魔法具大好きで使い所が少ない魔法具でも買って飾るから。それをゼロがある程度把握している。エレは寝ているけど、ゼロに聞けば問題ない。

 ゼロがベッドから降りて棚の中を漁っている。なんかエレの下着が見えた気がするけど、気にしないでおいた方が良いのかな。

 エレの下着の下から丸い形状の魔法具を取り出して僕の方へ持ってきてくれる。

 隠すにしてももっと場所を考えた方が良いと思うと下着は無事でよかったね。どっちを言えば良いのかな。

「白ふりパンツ消えてる。今日はピンクリボンだったのに……エレが自分で着替えるを覚えてる⁉︎ 」

 それは驚く事ではないよ。むしろ今まで着替えを自分でしなかった方が驚くべき事実だよ。

 ゼロが「これ」って僕に魔法具を渡すと、とんでもないものを見てしまった。

 エレのとこへ行って確認していた。何とは言わないけど。あれを確認していた。

 確認すると、満足したかのような顔を一瞬見せて布団に潜った。

「……しゃぁして良い? エレ、今のは流石にしゃぁして良いよね? 」

「……いつから起きてたの? 」

「ゼロがエレの棚漁ってるところ。あれはないの。とってもしゃぁなの。エレは怒ったので今日のお風呂をフォルと入ります」

 一人で入るっていう選択肢はないんだね。

 エレがゼロが出してきた魔法具をじっと見ている。魔法具をエレに渡すと、嬉しそうに弄っている。

「……分かんないの。エレはフィルの魔法具以外は基本使わないから。お掃除用に買ったは良いけど、やっぱり分かんないの……エレが自分で作れば良いのかも」

 ボタン式だから簡単にできる。エレはボタンを押す魔法具だと思っていないのかな。ボタンが目の前にあるのに気にしていない。

「ここ」

 僕がボタンを教えて、エレの手で押させてあげる。

 ボタンの押すと浄化魔法が発動する。この魔法具がどれだけ効果があるか分からないけど、この部屋の近くは埃がなくなっているだろう。

 エレが喜んでいると、魔法具に名前が記入されているのが目に入った。個人で作っている魔法具は製作者名が記入されている。

 そこにゼロと記入されている。

「……えっ」

「ぷにゅ。ゼロから買ったの」

 ゼロの作った魔法具だから下着に紛れこませてまで守っていたのか。

 というか、これなら宮全体が浄化範囲だろうね。


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 久々にまともに寝た気がする。
 エレとゼロの部屋に行ったあと、二人がお昼寝するから僕も一緒に寝ろとか言い出して仕方なく一緒に寝たんだ。
 普段仕事で寝る時間がほとんどないからというのもあるだろうけど、何かあった時すぐに動けるように熟睡しないようにしている。だというのに、一番守りたい相手の前でだけそれができないとは。
 それでも、エレとゼロよりは早く起きているけどね。
 まだ二人は寝ている。もう少し寝かせておいてあげるか。
 エレに関しては、今日一人で都へ行っているんだ。魔法師の平均以下の体力だ。疲れているだろう。
「……みゅ……」
「大丈夫。側にいるよ」
 エレが怖い夢を見ている時はそう言って頭を撫でる。そうすると、安心したかのように少しだけ笑ってくれるんだ。
 掃除をしたいけど、エレを安心させるためにももう少しここにいてあげた方が良いのかな。
 ピリュリュリュー
 連絡魔法具から着信音だ。誰からだろう。
 連絡魔法具を取り出して相手を確認すると主様だった。
「……今僕のお姫様が寝てるんで、後にしてもらえません? 」
『あの子は声がしたからと言って起きないだろう』
 それはそう。エレは中々起きなくて毎回手を焼いているくらいだから。この程度で起きるはずがない。
 だからと言って、エレの寝顔を見る事ができる時間を邪魔されたのは変わりがない。
『……魔物の件は把握している。こちらでも対策案をいくつか考えている。軍部の件はミュンティンとクリンガーから報告があった』
「そうですか」
『双子姫……エレとゼロの件。色々とおかしいところがある。一応今回の件と同様の事がないようにベレンジェア家に護衛を任せる事になった。フォルは、表向きにはベレンジェア家だからだが、御巫候補を守るのも黄金蝶の役目だ』
 主様はエレとゼロの重要性を理解している。それなら侍女を雇うにしてもちゃんと身辺調査を行っているはずだ。
 エレの言っていた事は嘘ではないだろう。
 主様に任せて僕は自分の仕事に専念するためにあまり考えないようにしていたけど、そういう事だったか。
 エレの話した侍女の件。主様は雇っていない。勝手に来てどこかへ姿を消したんだろう。
 目的は、エレとゼロの持つ何か。その何かに関しても予想はつく。
「ちなみに宮の中が埃っぽいのは」
『俺が魔法を便利道具くらいに使うなと言ったからだろう。毎回浄化魔法で掃除をしては魔力疾患の発作を起こしていたから。エレに発作を起こさなくなる薬を用意してデューゼに持たせてあるから、それを飲む条件でなら魔法を使って良いと』
「うん。伝えとくよ。ごめん、あのお姫様、浄化魔法でなんでも解決とか思っているから」
 浄化魔法に頼らず掃除しろよとは思うけど、あの身長だと届かないとこ多そうなんだよなぁ。魔法を解いても平均以下の身長だから。僕も人の事言えないけど。
 にしても、薬まで用意してくれるなんて。主様そんなに暇だったかな。
 あとエレはそんなふうに魔法使って発作起こすくらいなら自分で魔法具作ってその魔法具に頼れば良いと思う。あの子も魔法具作れるんだから。
「……なんだかエレのとっても不服なお話してる気がして起きたの」
 なんでこういう直感だけはすごいんだろう。普段はどれだけ起こしても起きないくせに。
 エレが仲間を増やすためなのかゼロを起こしている。
 ゼロが起きると、二人でこそこそと話をしている。
 話終わると二人で僕を見てから抱きついてきた。
「……主様、この二人にどこまで話してるんですか? 」
『二人とも隠していてもいずれ気づくだろうから全て話してある。もし何も知らないようなら事情を話した上でそれなだけだ』
 エレは理解していないんだろう。ゼロは理解していても、エレが理解していないのに気づいているから何も知らないふりか。
「エルグにぃ、エレは純粋無垢の可愛い俺のお姫様なんだから余計な事言わないで。エレを怖がらせたくないんだ。エレ可愛いから。俺のお姫様だから」
 ここぞとばかりに自分のだと主張してるよ。エレは直感……本能的に起きたせいか眠そうにしていて言葉を理解してなさそう。
「つぅか、なんであいつ外でれたんだよ。俺がエレには絶対に門を開けられなくしてやったのに……危ないからやめろっていつも言ってんのに」
 すごい。エレがほぼ寝てる事を良い事にエレの頬を突きながら文句言ってるよ。門を開けられなくしたの言っちゃってるよ。
 エレが聞いていれば怒るんだろうね。
 でもまぁ、やり方が強引なだけでエレを外に出さないようにするのは間違ってはいんだんだよね。一人で外に出ると方向音痴ですぐに迷子になるだけじゃなく、すぐに転んで魔物に狙われて。
 一人で外に出して良い事なんて何もないから。
「しゃぁーーーーー! すゃぁ」
 寝ていてもこの察知力なんなんだろう。ほんとに寝ているのか怪しいくらいだよ。
「……そういえば、デューゼとルノもくるんでしょ? いつからですか? 僕一人でエレとゼロの世話をやりながら宮の掃除とか全部できるわけないので」
 エレとゼロの世話以外にも仕事はあるのに掃除とかに時間を割けない。大量に魔法を使わない限りは。
 今はそれは避けたいからできるだけ早くきてほしいよ。
『明日にはくる予定だ』
「……ゼロ、浄化魔法具持ってない? 」
 明日までここを埃まみれのままにしておきたくない。エレとゼロの部屋だけは綺麗に掃除されているけど、部屋から一歩も出るななんていえないから。
 僕は浄化魔法具なんて使う機会がなくて持っていない。でも、エレとゼロなら使わなくても持っている可能性がある。
 エレは魔法具大好きで使い所が少ない魔法具でも買って飾るから。それをゼロがある程度把握している。エレは寝ているけど、ゼロに聞けば問題ない。
 ゼロがベッドから降りて棚の中を漁っている。なんかエレの下着が見えた気がするけど、気にしないでおいた方が良いのかな。
 エレの下着の下から丸い形状の魔法具を取り出して僕の方へ持ってきてくれる。
 隠すにしてももっと場所を考えた方が良いと思うと下着は無事でよかったね。どっちを言えば良いのかな。
「白ふりパンツ消えてる。今日はピンクリボンだったのに……エレが自分で着替えるを覚えてる⁉︎ 」
 それは驚く事ではないよ。むしろ今まで着替えを自分でしなかった方が驚くべき事実だよ。
 ゼロが「これ」って僕に魔法具を渡すと、とんでもないものを見てしまった。
 エレのとこへ行って確認していた。何とは言わないけど。あれを確認していた。
 確認すると、満足したかのような顔を一瞬見せて布団に潜った。
「……しゃぁして良い? エレ、今のは流石にしゃぁして良いよね? 」
「……いつから起きてたの? 」
「ゼロがエレの棚漁ってるところ。あれはないの。とってもしゃぁなの。エレは怒ったので今日のお風呂をフォルと入ります」
 一人で入るっていう選択肢はないんだね。
 エレがゼロが出してきた魔法具をじっと見ている。魔法具をエレに渡すと、嬉しそうに弄っている。
「……分かんないの。エレはフィルの魔法具以外は基本使わないから。お掃除用に買ったは良いけど、やっぱり分かんないの……エレが自分で作れば良いのかも」
 ボタン式だから簡単にできる。エレはボタンを押す魔法具だと思っていないのかな。ボタンが目の前にあるのに気にしていない。
「ここ」
 僕がボタンを教えて、エレの手で押させてあげる。
 ボタンの押すと浄化魔法が発動する。この魔法具がどれだけ効果があるか分からないけど、この部屋の近くは埃がなくなっているだろう。
 エレが喜んでいると、魔法具に名前が記入されているのが目に入った。個人で作っている魔法具は製作者名が記入されている。
 そこにゼロと記入されている。
「……えっ」
「ぷにゅ。ゼロから買ったの」
 ゼロの作った魔法具だから下着に紛れこませてまで守っていたのか。
 というか、これなら宮全体が浄化範囲だろうね。