「男58名-21名の彼女持ち=37人-俺=36名。
同じように女62人-21人=41人-恋実=40名、計76名。
nCr(コンビネーション)の式を使用する……n=76(総勢)、r=2(二人を選出)を代入する」
nCr=n!/(n‐r)!
『n個の中から、順番は考えないでr個取り出す』時、何通りあるかの総数を計算できる。
テレビでしか見ない狂った研究者のように書きなぐっていく……。
「2学年の未カップルの男女残りの人数を、同性愛をも考慮すると……実に2850通りのカップルの組み合わせが考えられる!!」
「おぉ~。そんなに……って同性愛含む?」
箱の中に入った数字の書かれた赤と青のボールを二個取り出した時……という例題より、何故だかすんなり受け入れられる気がするのは何故だろう……リアルで身近で且つ具体的な例題だと妙な緊張感がある。
「次に未カップル全員が男女でしか組み合わされない場合、つまり同性のカップルは全く含まない場合……40人の女子に対し、36名しか男はいない。ガウスの均等数列を使えば簡単だ」
「ガウス?」
またしても一心不乱に黒板にチョークを叩きつける。すでに三回折った。
「1/2n(n+1)でn=40人の女子=820通り。
男女4人の差があるので同様にn=4を代入すると10通りある分を、820通りから引かなくてはならない。
つまり我が学年には810通りのカップル成立の可能性が考えられる。
この810通りの中に我が愛しき優香ちゃんの組み合わせが存在すると言うのだ!!」
最初のコンビネーションは必要だったのであろうか? 同性愛の可能性を含むほどなら、なぜ1、3年生は可能性に入らないのであろうか?
数々の疑問が残る中、恋実は一言疑問をぶつける。
「いや、普通に男が36人なんだから、優香ちゃんの付き合う可能性があるのは単純に1/36なんじゃないの? そんな難しく考えなくったって……」
「……いとをかし……」
「何も進展してないような……」