中学校になったら舞羽の方がモテ始めた。舞羽が女の子らしく、少しだけおしとやかになったこと、それと、そのことで舞羽が急激に大人っぽく変貌したからだった。
大人しい舞香より、明るい舞羽は男女問わず人気だ。舞香もそんな舞羽が大好きだ。
舞羽は数人の男子から告白されている。
初めての告白では、ドキドキが好奇心を上回った。放課後、教室に残る様に伝えられたとき、『もしかして』と思った。
何故なら、話くらいはしたことはあるけど、ほとんど接点のない男子だったから。
初めは好奇心で一杯だった。
『何を言われるのだろう』ひょっとしたら、恋の告白ではないかも知れない。『恋の告白だったら、なんて言われるんだろう……好きです、かな?』とか、『目を見て言うのかな?』、『もっと、夕日が奇麗だったらよかったのにな』とか。
でもいざ、その場面になると、そんな気持ちや思考など何もない……真っ白だった。ただ心臓がドクドクと胸を打ちつけて、視線すら動かせず、何も知覚していなかったような気がする。
机の足の白いゴムの部分をずっと、只々見つめていた。
「舞香……告白されるときはねぇ……ボイスレコーダー持ってた方がいいかも知れない……だって何言われたかなんてドキドキが強すぎて何も覚えていられないもの……」
そう言って舌を小さく出して微笑んだ。