『はい、舞香。やってみな?!』
『え……ちょっと怖いな……』
『大丈夫、やってみたら面白いって』
そんな具合に舞羽は持ち前の好奇心とその勇気で、益々何でもこなしていく。新しいものを身に着け、初めてのものを口にしてみる。流行りのもの、変わっていく出来事に舞羽は愉しんでいく。舞香は、舞羽に手を引っ張られて続く。
「へへ……舞香、じゃーん」
「え? あれ? 舞羽……なに? なんか変わった? あれ? 何だろ……」
「く・ち・べ・に、よ!」
目を瞑って、口を尖らせる舞羽。女性へと成り切れない胸に入りきれないほどの興味が、幼さが残る顔の小さな唇を紅く染めさせているものの、まだまだキス顔には程遠い。
「あ~?! 本当だ、可愛い! どうしたの?」
「お母さんの……」
「勝手に使ったの?」
「内緒よ、舞香……舞香もやっていいから、ほら」
舞香もドキドキした。それだけで大人になった気がしたものだ。
舞香が嬉しくなって、家じゅうを歩き回って、口紅をしているのがバレて怒られた……その時も矢面に立つのは舞羽だ。