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5話

ー/ー



 二人は中学校に進学していた。中高大と最大10年間所属できる馬術部を持つ名門、江南大付属中学。


 


 


「舞羽、舞香おはよう」


「……おはよう」 「おはよう、美都」


 セーラ服をひらめかせて、後ろから二人に追い付いたのは常盤美都(ときわみと)。中学生になって、同じ馬術部で出会った親友だ。


「もうすぐ卒業だね……」


「ま、卒業って言っても校舎の場所が変わるだけで、代り映えしないけどね」


「……そうね」


 感慨深く中等部の校舎を見つめる美都に、応える舞香。舞羽も下を向いていた目線を上げて曇り空を仰ぐと、少し冷たい風が通り抜ける。中等部の校舎は風に揺れているように儚く感じた。


 


 


「高等部に上がったら、他の中学の人も少しは入ってくるんだよね?」


「……そうだね、楽しみだね」


 ふわりとスカートを、その遠心力で巻き上げながら高等部の方を振り返る舞香。見上げた舞羽と入れ替わるように視線を落とした美都、力なく応える。


 それを気遣うように笑顔をぶつけて、舞羽は声のトーンを上げた。


「馬術部に入ってくれる人、いるかな……」


「……」 「……」


 二人が返事をしないのは、無視しているからではない。三人ともそれを分かっている。舞羽の言葉に応えた(●●●)のは、同じ様に声のトーンを上げた舞香の言葉だった。


「美都、続けるんでしょ? 馬術」


「……うん……そうしようと……そうしたいと思ってる……」


 


「当たり前でしょ?! やめるなんて許さない」


 二人の前に一歩飛び出した舞羽は、舞香と同じように、くるりとスカートを舞わせて怒った振りをした。




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 二人は中学校に進学していた。中高大と最大10年間所属できる馬術部を持つ名門、江南大付属中学。
「舞羽、舞香おはよう」
「……おはよう」 「おはよう、美都」
 セーラ服をひらめかせて、後ろから二人に追い付いたのは|常盤美都《ときわみと》。中学生になって、同じ馬術部で出会った親友だ。
「もうすぐ卒業だね……」
「ま、卒業って言っても校舎の場所が変わるだけで、代り映えしないけどね」
「……そうね」
 感慨深く中等部の校舎を見つめる美都に、応える舞香。舞羽も下を向いていた目線を上げて曇り空を仰ぐと、少し冷たい風が通り抜ける。中等部の校舎は風に揺れているように儚く感じた。
「高等部に上がったら、他の中学の人も少しは入ってくるんだよね?」
「……そうだね、楽しみだね」
 ふわりとスカートを、その遠心力で巻き上げながら高等部の方を振り返る舞香。見上げた舞羽と入れ替わるように視線を落とした美都、力なく応える。
 それを気遣うように笑顔をぶつけて、舞羽は声のトーンを上げた。
「馬術部に入ってくれる人、いるかな……」
「……」 「……」
 二人が返事をしないのは、無視しているからではない。三人ともそれを分かっている。舞羽の言葉に|応えた《●●●》のは、同じ様に声のトーンを上げた舞香の言葉だった。
「美都、続けるんでしょ? 馬術」
「……うん……そうしようと……そうしたいと思ってる……」
「当たり前でしょ?! やめるなんて許さない」
 二人の前に一歩飛び出した舞羽は、舞香と同じように、くるりとスカートを舞わせて怒った振りをした。