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ー/ー「あ、それよそれ! 私が探してたの」
なあんて意外とそっけない返事だった、先生のビデオメール。
「パンダといってもすごく身体つきがイイしね。2人とも正面切って戦っちゃダメよ」
「いや、それなんですが……」って後ろからコタローが入ってきた。「確かに人間にパンダのスピリットが取り憑いているのは確実なんですが、敵意が全く……」
そーなんだよね。青信号で横断歩道渡ってて、おまけにこっちにも手を出してこなかった。それって倒してもいいのかな、なんて。
「俺もだ。奴を倒すのは気が引ける」って今度はジンが割り込んで来たんだけど、先生にお前の言葉が通じるわけねーし。
「なにこの犬?」
「犬じゃねえ、俺はオオカミだ!」うん、わうわう吠えてるだけにしか聞こえてないみたい。だから俺も適当にごまかしといた。散歩のバイトしてるんだって。
まあ、ようやくジンの心にエンジンかかって来たみたいでよかったかな。
「ざけんな! あんな女にまで犬呼ばわりされたくねえぞ!」
「とはいってもなあ、あの先生どうやらハンターっぽいんだよね」
ぎくっと、ジンの身体が凍りついた。
⭐︎⭐︎⭐︎
ジンをおばさんの家に帰したあと、俺はコタローと相談した。
どうする、あのパンダに会ってみる?って。
「つーかさ、俺と同じ感じがするんだよね……ほら、凶暴化してないし」
「よしましょう、ちょっと見た程度で全てを判断するのは危険です」
まあそう返してくると思った。だけどすごく気になるんだ。アイツと会って話せれば、俺のことも知ってるかな? って。
そう、動物の姿のまま自我を保ってる人なんだもん。倒しちゃったらそれこそチャンスを逃しちゃうし。
だから……
深夜0時をまわったころ、俺はトイレに行くふりをしてそおっとおもてへと出た。コタローはぐっすり眠ってるし。
問題は俺の姿、ちょっと雲がかった月を見上げて、そして想像する。俺がワーウルフになった姿を、思い切り踏ん張って。
ざわざわする心の奥から、耳が生えて、しっぽが出て……
ズン! という胸の鼓動にも似た衝撃が俺の身体中を走った、大成功! つーかなんか変身するの久しぶりかも。
嗅覚をフルに効かせて、例の横断歩道から……うん、なんかそれらしい匂いの道がうっすらと見えてきた、これなら大丈夫。
「おい」
いきなり背中で唸られてマジ総毛立った! しっぽの先まで!
「絶対行くと思ってたぞ。お前のことだからな」
うん。ジンだ、あいつワーウルフの状態で俺の真後ろにいたし。全然気づかなかった。
「ジ、ジンはなんで着いてきたんだよ……俺のことが気になっ」「バカ言うな。俺も奴のことが気になってたんだ」
内心ちょっとよかったかな……っていやいやそんなことない、なんなんだよジンの方の理由は!
「パンダの奴から僅かばかり感じ取れたんだ、ザンの匂いをな」
え……。ちょっとびっくり、そんなことまでザンは嗅ぎ取ってたのかよ!?
「おそらく話せる相手だと、信じたいからな……俺も」
「そんなに気になるの? 弟のこと」
ザンのことを弟って言ったからかな、俺を見るジンの目がめっちゃヤバかった。にらみつけてきて。
「奴はもう弟じゃない! 2度とそう呼ぶんじゃねえぞ」
その言葉に俺はもう、分かったよと答えることしかできなかった。
なあんて意外とそっけない返事だった、先生のビデオメール。
「パンダといってもすごく身体つきがイイしね。2人とも正面切って戦っちゃダメよ」
「いや、それなんですが……」って後ろからコタローが入ってきた。「確かに人間にパンダのスピリットが取り憑いているのは確実なんですが、敵意が全く……」
そーなんだよね。青信号で横断歩道渡ってて、おまけにこっちにも手を出してこなかった。それって倒してもいいのかな、なんて。
「俺もだ。奴を倒すのは気が引ける」って今度はジンが割り込んで来たんだけど、先生にお前の言葉が通じるわけねーし。
「なにこの犬?」
「犬じゃねえ、俺はオオカミだ!」うん、わうわう吠えてるだけにしか聞こえてないみたい。だから俺も適当にごまかしといた。散歩のバイトしてるんだって。
まあ、ようやくジンの心にエンジンかかって来たみたいでよかったかな。
「ざけんな! あんな女にまで犬呼ばわりされたくねえぞ!」
「とはいってもなあ、あの先生どうやらハンターっぽいんだよね」
ぎくっと、ジンの身体が凍りついた。
⭐︎⭐︎⭐︎
ジンをおばさんの家に帰したあと、俺はコタローと相談した。
どうする、あのパンダに会ってみる?って。
「つーかさ、俺と同じ感じがするんだよね……ほら、凶暴化してないし」
「よしましょう、ちょっと見た程度で全てを判断するのは危険です」
まあそう返してくると思った。だけどすごく気になるんだ。アイツと会って話せれば、俺のことも知ってるかな? って。
そう、動物の姿のまま自我を保ってる人なんだもん。倒しちゃったらそれこそチャンスを逃しちゃうし。
だから……
深夜0時をまわったころ、俺はトイレに行くふりをしてそおっとおもてへと出た。コタローはぐっすり眠ってるし。
問題は俺の姿、ちょっと雲がかった月を見上げて、そして想像する。俺がワーウルフになった姿を、思い切り踏ん張って。
ざわざわする心の奥から、耳が生えて、しっぽが出て……
ズン! という胸の鼓動にも似た衝撃が俺の身体中を走った、大成功! つーかなんか変身するの久しぶりかも。
嗅覚をフルに効かせて、例の横断歩道から……うん、なんかそれらしい匂いの道がうっすらと見えてきた、これなら大丈夫。
「おい」
いきなり背中で唸られてマジ総毛立った! しっぽの先まで!
「絶対行くと思ってたぞ。お前のことだからな」
うん。ジンだ、あいつワーウルフの状態で俺の真後ろにいたし。全然気づかなかった。
「ジ、ジンはなんで着いてきたんだよ……俺のことが気になっ」「バカ言うな。俺も奴のことが気になってたんだ」
内心ちょっとよかったかな……っていやいやそんなことない、なんなんだよジンの方の理由は!
「パンダの奴から僅かばかり感じ取れたんだ、ザンの匂いをな」
え……。ちょっとびっくり、そんなことまでザンは嗅ぎ取ってたのかよ!?
「おそらく話せる相手だと、信じたいからな……俺も」
「そんなに気になるの? 弟のこと」
ザンのことを弟って言ったからかな、俺を見るジンの目がめっちゃヤバかった。にらみつけてきて。
「奴はもう弟じゃない! 2度とそう呼ぶんじゃねえぞ」
その言葉に俺はもう、分かったよと答えることしかできなかった。
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