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@ 36話

ー/ー





 脳内フロー(※何かに集中して時間が経過するのを忘れるような状態。人のパフォーマンスが最大になると言われている)に入り込んでいる。僕の中の時間軸がおかしくなっている。


 時速40㎞以上でデコボコ道を滑り落ちて行く中、自分の息遣いが聞こえる。ストックを突く手の感触がやけにはっきり伝わってくる。『手はこう、足はこう』一つ一つの動作を脳ミソが指令しているを認識している。


 


 


 千晶はまだ僕の前を走っている。


 


 ――抜くんだ!


 


 エアやターンで千晶に勝っているとは思えない。それならフィニッシュラインを千晶より早く駆け抜けることで明確な勝ちを一つ拾える。


 


 焦りはターンミスを招く。


 


――逸るな……。


 


 


 コブが容赦なく僕の身体を突き上げる。加速するにつれて僕の膝を砕こうとその勢いを強める。苦しい……でも楽しい……傾斜を攻めていく僕にコブ(モーグル)たちの厳しい反動がぶつかってくる。それを楽しいが上回ったとき、ついに僕は千晶より前に出た。


 そして第二エア……。




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 時速40㎞以上でデコボコ道を滑り落ちて行く中、自分の息遣いが聞こえる。ストックを突く手の感触がやけにはっきり伝わってくる。『手はこう、足はこう』一つ一つの動作を脳ミソが指令しているを認識している。
 千晶はまだ僕の前を走っている。
 ――抜くんだ!
 エアやターンで千晶に勝っているとは思えない。それならフィニッシュラインを千晶より早く駆け抜けることで明確な勝ちを一つ拾える。
 焦りはターンミスを招く。
――逸るな……。
 コブが容赦なく僕の身体を突き上げる。加速するにつれて僕の膝を砕こうとその勢いを強める。苦しい……でも楽しい……傾斜を攻めていく僕に|コブ《モーグル》たちの厳しい反動がぶつかってくる。それを楽しいが上回ったとき、ついに僕は千晶より前に出た。
 そして第二エア……。