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@ 35話

ー/ー



 先に前に出たのは千晶だった。右側のコースを走る千晶が僕の右目の端に入っている。規則的に聞こえてくる雪を削るターンの音……僕の神経は研ぎ澄まされていて、千晶がリズムよくターンを繰り返しているのを感じている。
 僕の方と言えば、隣に千晶がいることで余計な緊張が解けて千晶のスピードに離れずついていけている。後はターンの質がどう判断されているかはジャッジ次第だ。


 エッジが雪を掴んでいる感触が脳まで伝えられてくる、二―グリップがしっかり利いていて離れず膝がしっかり回転しているのを上半身に教えてくれる。
 雪が反射させた太陽の光の中、次々と視界に飛び込んでは消えていくコブ……それが切れた刹那僕は空へと舞い上がった。




 コーク1080!! 飛び出した勢いに遠心力が加わる。3Dエア……従来の横回転のエアに加え、縦方向の回転を取り入れたエアは無重力のよう……体感にして約2秒……三回ひねり切った僕の足元に雪面が迫る。




 バランスは崩れることなく着地する。ほぼ同時に千晶が着地したのを感じ取る。膝にもう一度力を溜めるんだ、顔を上げろ、スピードを落とすな! 僕は気持ちを強く保つ。


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 先に前に出たのは千晶だった。右側のコースを走る千晶が僕の右目の端に入っている。規則的に聞こえてくる雪を削るターンの音……僕の神経は研ぎ澄まされていて、千晶がリズムよくターンを繰り返しているのを感じている。
 僕の方と言えば、隣に千晶がいることで余計な緊張が解けて千晶のスピードに離れずついていけている。後はターンの質がどう判断されているかはジャッジ次第だ。
 エッジが雪を掴んでいる感触が脳まで伝えられてくる、二―グリップがしっかり利いていて離れず膝がしっかり回転しているのを上半身に教えてくれる。
 雪が反射させた太陽の光の中、次々と視界に飛び込んでは消えていくコブ……それが切れた刹那僕は空へと舞い上がった。
 コーク1080!! 飛び出した勢いに遠心力が加わる。3Dエア……従来の横回転のエアに加え、縦方向の回転を取り入れたエアは無重力のよう……体感にして約2秒……三回ひねり切った僕の足元に雪面が迫る。
 バランスは崩れることなく着地する。ほぼ同時に千晶が着地したのを感じ取る。膝にもう一度力を溜めるんだ、顔を上げろ、スピードを落とすな! 僕は気持ちを強く保つ。