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@ 32話

ー/ー



「暖空……僕、初めて会ったときから、暖空が好きでした。暖空は僕の特別な人なんです」


 僕は突然告白した。雪は気持ちも覆う……今まで積もっていた雪を今、僕は振り払った。自分都合ではない勇気をやっと今出せた。
 暖空のスランプ……今まで見えていたものも見えなくする……きっと雪が隠してしまったのだろう。




「え? 空澄くん……どうしたの突然?!」
「もし……暖空が僕と同じように想っていてくれるのなら……僕と付き合ってくれませんか?」


 暖空が戸惑っているのが手に取るようにわかる……。知っている、暖空の心の中には千晶がいる……。僕にどう断るか、言葉を必死に探している、どうしたら傷つけないで済むかを。






「ごめんね、試合前に困らせて……答えはもう知っている『ごめんなさい』だって……でもだからこそ……今日もあの日と同じように僕の『特別な人』であって欲しいんだ。『飛ぶのが大好き』って言ってた、出会ったあの日。あの日君は笑っていた……」
「……うん……」
「暖空だって気付いているはずだ。スライドターンは僕で、カーヴィングターンが千晶だ。何をすべきか……どれを選ぶべきか……自分の得意で勝負すればいい。迷いなく空へと飛び出して欲しい。僕だって試合前に振られたんだ……それでも僕は想いを吐いて笑顔になれた……暖空なら笑顔さえ出せれば……もう、スランプのことなんて忘れただろ?」


 暖空は泣いている。


「泣くな、笑おうって言ってくれたのは暖空じゃないか! 涙で力は出せないけど、笑顔は今までできなかったことを叶える力がある、それを僕は知っている」
「……ありがとう……」


 暖空はまだ目に涙を残しながらも笑った。それは雪の白が光って銀色に輝く世界。


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「暖空……僕、初めて会ったときから、暖空が好きでした。暖空は僕の特別な人なんです」
 僕は突然告白した。雪は気持ちも覆う……今まで積もっていた雪を今、僕は振り払った。自分都合ではない勇気をやっと今出せた。
 暖空のスランプ……今まで見えていたものも見えなくする……きっと雪が隠してしまったのだろう。
「え? 空澄くん……どうしたの突然?!」
「もし……暖空が僕と同じように想っていてくれるのなら……僕と付き合ってくれませんか?」
 暖空が戸惑っているのが手に取るようにわかる……。知っている、暖空の心の中には千晶がいる……。僕にどう断るか、言葉を必死に探している、どうしたら傷つけないで済むかを。
「ごめんね、試合前に困らせて……答えはもう知っている『ごめんなさい』だって……でもだからこそ……今日もあの日と同じように僕の『特別な人』であって欲しいんだ。『飛ぶのが大好き』って言ってた、出会ったあの日。あの日君は笑っていた……」
「……うん……」
「暖空だって気付いているはずだ。スライドターンは僕で、カーヴィングターンが千晶だ。何をすべきか……どれを選ぶべきか……自分の得意で勝負すればいい。迷いなく空へと飛び出して欲しい。僕だって試合前に振られたんだ……それでも僕は想いを吐いて笑顔になれた……暖空なら笑顔さえ出せれば……もう、スランプのことなんて忘れただろ?」
 暖空は泣いている。
「泣くな、笑おうって言ってくれたのは暖空じゃないか! 涙で力は出せないけど、笑顔は今までできなかったことを叶える力がある、それを僕は知っている」
「……ありがとう……」
 暖空はまだ目に涙を残しながらも笑った。それは雪の白が光って銀色に輝く世界。