努力の差? 才能の差? 気持ちの差? 努力の差なら埋められるはず、気持ちで負けるな! 今日の大会が終わった直後、次に向けて僕は自分を省みる。
才能の差? そんな言葉で片付けたくない。才能なんてその中身はほとんどが『経験』でできていて、残るは『環境』『自信』『運』だ。『運』は気持ちが呼び寄せ、『自信』は努力で埋められる。努力の伴っていない『才能』なんて皆無だ。他人と努力を比べている内は努力が足りていない。
努力……『才能がある』と呼ばれる奴ほど努力したのか? 常套句である……才能がある奴がどれほど努力したかなんて知る由もない。そもそも『努力』に定義なんてないのだから。
『努力』の中身はきっと達成感でできている。自己満足と言ってもいい達成感。そして達成感は何をもって得られるのか……それは『目標』。どれだけ目標をもって、どの位置に目標を据えてそれに邁進したか……それこそが才能を開花させる指標なのではないだろうか?
絶対音感は誰しも持って生まれる……人はそれをどんどん失っていくそうだ。持って生まれた才能にそれほど差はない。やりたいことをいち早く見出し、その環境に身を置き、早く手を着けることで才能を失わず、伸ばしていけるのではなかろうか?
いったい僕はどれ程無駄な時間を費やしてきたのだろうか? なぜ早くに見つけてあげられなかったのだろうか? どれだけのものを失ってきたのだろうか? こんなにも大好きなのに……。
暖空の優勝を恨めし気に見つめながら悩んでいる僕に、
『私は頑張れる立場にいる』その自覚が、他の人の支えがある事への実感に変わる、だから感謝もしてるし、また頑張れる。
暖空は『憧れのあの人』の台詞を告げて微笑んだ。
頑張れる人は、頑張れる理由を誇示しない。頑張れる立場にいる環境に身を置けることに感謝することを知った。
『学生』であることは恵まれている。青春を傾ける時間と若さがある。